学校・幼稚園コラム
第9回 「清掃」の時間

良い生活習慣を通して責任感を身につける

日本の学校では生徒が「清掃」を行うのは当たり前のことですが、ここシンガポールではこれまでは業者が行うもので、生徒たち自身がする習慣はありませんでした。それゆえ、シンガポールの子どもたちにとって「清掃」は、学校では業者が、また家庭ではヘルパーが行うことが多く、あまり身近なものではなかったのです。

ところが今年1月の新年度より、教育省は清掃活動を通じて「良い生活習慣と責任感を育てよう」をスローガンに、生活習慣の見直しを図ることを発表しました。2016年度中に全小学校から高等学校を対象に、生徒たちが「清掃」をする方針に転換したのです。清掃活動は教室、キャンティーン(食堂)、廊下などで、時間は休み時間や昼休みなど、各学校が自由に設定します。またこの取り組みは家庭とも連携し、生徒が自宅でも積極的に行うよう、長期休暇の宿題として取り入れている学校もあります。すでに清掃活動に取り組んでいる小学校の先生は、「子どもたちの小さな一掃きこそ、国を美しく保つ大きな一歩です」と語っています。この活動を通して子どもたちは自立心を養い、良い習慣が身についていくにちがいありません。

美しい国として知られるシンガポールですが、今後は子どもたちの生活習慣の一環としても、守られていくでしょう。

シンガポール公立小学校の広場 シンガポール公立小学校の広場

写真提供:シンガポール教育省(MOE)

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