海外生・帰国生へのヒント
教育の現場から vol.11 清泉女学院中学高等学校 前中学入試・広報部長 瀧 康秀 先生

「女子校で学ぶ魅力とは」

海外生にとっては、男女別学で学ぶことが身近でない方もいらっしゃるでしょう。今回は、女子校で長年教鞭をとってきた私の経験から、お話ししたいと思います。まず、女子校では女子のリーダーシップが育ちやすい環境にあると言えます。学習活動・生徒会活動・部活動など、学校におけるすべての活動に女子のみで取り組むので、おのずと女子のリーダーが必要となります。ただし、そのリーダーは「お山の大将的なリーダー」ではなく、協調・調和を大切にする、対話・コミュニケーション能力に優れた「ファシリテーター型のリーダー」であることが多いと感じます。ダイバーシティーが重要となるこれからの社会において、このようなリーダーシップこそが必要とされるのではないでしょうか。

教育の現場から vol.11 清泉女学院中学高等学校 前中学入試・広報部長 瀧 康秀 先生

清泉女学院中学高等学校 前中学入試・広報部長
瀧 康秀 先生

導き手としての教員から見た場合、男女の異なる成長段階に対応し教育の現場から やすい、ということも見逃せないポイントです。特に中学校の低学年では、女子の精神年齢が男子よりも上をいく傾向があり、そこを適切に押さえた上での指導がしやすい環境と言えます。また、一般的に女子は男子に比べてコツコツ学習を積み上げて成果を出していくタイプの人が多いように感じます。そのような傾向に合わせた学習指導プランも立てやすいと言えるでしょう。

さらに、卒業生がすべて同性ですから、社会の多方面で活躍する卒業生をロールモデルとしやすく、男性の多い職場にも臆せず飛び込んでいく人が育ちやすいという点も特筆できます。本校の卒業生の大先輩には、男性中心、いや男性しか活躍できなかったキャリアに女性が進出する道を開いた方々もいます。知事となる女性がほとんどいなかった時代に千葉県知事となられた堂本曉子さん、東京六大学で初めての女性総長となられた法政大学の田中優子さんなどがその筆頭といえます。他にも、男性中心の職種に果敢に飛び込んでいった、若き卒業生も少なくないのです。これからも女子校から多くの先駆者が現れることを信じてやみません。

※過去の「教育の現場から」はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
https://spring-js.com/expert/expert01/from-edu/※清泉女学院中学高等学校に関する詳しい情報はこちら。
https://spring-js.com/japan/9354/2/

 

※2022年3月現在の情報です。最新情報は各機関に直接ご確認ください。

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