シンガポール発海外教育情報誌サイト

専門家の声 Specialist

企業からの声

シンガポール日通株式会社 総務部長 高田 浩一 氏

2013.11.25

LINEで送る
Pocket

グローバル時代を迎えた今、企業が求める人材、教育とは何でしょうか。企業の担当者に聞きました。

Q「世界日通」をキャッチコピーに持つ御社にとってアジアは重要な拠点であると思います。「世界日通におけるアジア」という意味で改めて紹介をお願いします。

シンガポール日本通運株式会社の親会社である日本通運株式会社は1937 年に設立され、今年で76周年を迎えました。個人の引越しや事業所の移転を担う輸送業務においては、シェアと売上高で業界1位の座を誇ります。

日通グループの海外ネットワークは、1958 年にニューヨークに駐在員事務所を開設したのが始まりです。国際物流の広がりとともに世界各地へ進出し、現在では世界40 ヶ国224 都市に460拠点があり、1万8千人近くの海外社員を抱えるほどに拡大しました。

当社グループの最大の強みは、陸・海・空すべての輸送モードを駆使した「総合力」です。国内だけでなく世界各地域でビジネスを拡大しており、今後の事業戦略として、長期的には海外の売上高比率を現在の30%から50%まで引き上げようという目標を掲げています。シンガポール日通は米国日通に次いで古い会社で1973年に創立し、今年で40周年を迎えました。引越、旅行に加え、航空貨物、海運貨物、重機建設、倉庫ロジスティックも取り扱う総合物流業者としてシンガポール社会に貢献しています。現在、日本からの出向の社員16 名を含む757名のスタッフがおり、現地スタッフは、シンガポール・マレーシア・中国・フィリピン・日本・インド・インドネシアからの7カ国から採用しています。

Q多国籍のスタッフをマネージメントする点での苦労はありますか。

その国の文化や慣習を尊重しながらも、会社として決められたことは守ってもらうように努力しています。日本人の考え方と大きく異なると感じることは、「結果が全て」という点が前面に出ることです。例えば就業時間については、やるべきことをやっていれば定時出社にこだわらなくてもよい、と考える人がマネージャークラスでもいます。また日本ではビジネスの基本として「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」という言葉がありますが、結果さえ出せば途中経過を報告する必要はないと考える人も多いようです。

日本人の場合、例えば「職場は自己実現の場所である」という言葉が示すように仕事に生き様そのものを見ますが、シンガポールでは「ワークライフバランス」という言葉が広く認知されているように、仕事はまずは生活の糧を得る場所なのでしょう。その認識の相違を埋めることに非常に難しさを感じています。

Q日本企業としてのアイデンティティーとは何ですか。また、それをどのように伝えていますか。

今流行の言葉になってしまいますが「おもてなしの精神」であると思います。お客様本意でのサービスの提供は、日本企業のアイデンティティーであると思います。勿論どこの国の企業でもお客様本意のサービスを会社方針として唱えていますが、日本企業のそれは他国とは違うものを感じます。和をもって尊しとなす文化、相手の立場を考えるという教育から生まれてきた「おもてなしの精神」です。商品を売るために後付けした精神ではなく、本当に相手のことを思う気持ちから生まれる精神であると思います。

ただ伝え方は非常に難しいです。日本企業のアイデンティティーを伝えようとすることは、文化の違いを超えようとすることでもあり、これは言葉の説明だけではその溝を埋めることはできません。抽象的な言い方になってしまいますが、日本人がそのアイデンティティーを背景に規範となる行動を示しながら、更に言葉で相手に説明するということが必要であると思います。

ちなみに弊社はシンガポール国内に4 拠点ありますが、各事業所で企業理念や行動規範を日本語と英語の両方で掲示し、会社の理念を共有するように努めています。

1 2
LINEで送る
Pocket

PAGE TOP