海外生・帰国生へのヒント
教育の現場から vol.3 早稲田アカデミー West校 校長 高沢 祐治 先生

海外生活で得た経験の大切さを今後の人生に結びつけるために、教育現場ができることは何でしょうか。

先日シンガポールで実施された高校入試の英語問題で、「携帯電話がコンゴ一帯に生息するマウンテンゴリラに及ぼす影響とその保護運動」についての文章がありました。

携帯電話の製造に必要なタンタラムという金属を採掘するために森林が伐採され、マウンテンゴリラの生息地が減少しています。「ASEED JAPAN」という非政府組織は古い携帯電話を回収してリサイクル業者に売り、その資金をゴリラ保護団体に寄付しているそうです。また携帯電話をリサイクルすることでタンタラムの採掘量を減 らし生息地保護に努めている、との内容でした。

携帯電話回収運動による生息地保護への貢献度は大きいものではないかもしれませんが、興味深い内容でした。本文に記述はありませんが、この数年マウンテンゴリラの推定生息数は増加しており、ゴリラ保護団体の活動は成果を挙げているようです。また、「生態系」「科学技術」「国際関係」それぞれのテーマが織り込まれており、入 試問題の素材としても適していたといえるでしょう。

ということで、今年度も既に入試シーズンが始まっています。まだ年も明けていないのに?と思われる方も多いと思います。もちろん、日本で実施される入試のほとんどは年明けですが、帰国生対象の中学・高校入試を年内におこなう学校もあります。シンガポールでもすでに数校で海外生入試が実施されました。また、日本人学校中学部の生徒が多く受験する早稲田渋谷シンガポール校第1回入試は12 月7 日でこちらも年内入試です。

大学入試においては9月から帰国生対象の入試が始まっております。また、入試ではありませんが、早稲田渋谷シンガポール校生が多数出願する早稲田大学内部推薦の内定発表は12月21日、こちらも年内に結果が出ます。

年明けの入試は帰国生のアドバンテージが少ない入試が主体なので年末年始の指導には特に力が入りますが、年内に進路が決定するケースが多く、シンガポールでは受験のピークは12月と言っても過言ではありません。12月は多くの受験生にとって追い込みの時期です。限りある時間を有効に使ってください。学習時間中に携帯電話を出した場合は「A SEED JAPAN」に参加していただきましょう!

 

早稲田アカデミー West 校

校長 高沢 祐治 先生

 

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