新型コロナウィルスによりイベント等は急な変更もございます。事前に必ずお問い合わせください。

シンガポールの教育情報 SPRING

国・地域を選択する

グローバル教育

企業からの声

日本貿易振興機構(ジェトロ) シンガポール 所長 長谷部 雅也 氏

2015.01.09

LINEで送る
Pocket

さまざまな分野にわたる業務をカバーされる御機構が持つ海外 ネットワークの維持・拡張は大変重要だと思いますが、国際的な機関で必要とされる人材というのはどのような方々ですか。

現地の人や組織との橋渡しは大変重要な仕事の一つです。シンガポールをはじめ ASEANの大使館、政府機関、ローカル企業へのアプローチを常に行っていますが、そこで重要な要素は異文化での適応力に優れている人です。文化だけでなく社会、環境の違うところで仕事 ができ、生活もできるという人材です。JETRO の場合は全体の職員の 数に比べてネットワークの数が多いので、一般の日本企業と異なりほぼ全員が海外に行きます。そのため海外適応力がある人材を求めてお り、また実際にそのような人材が多く入ってくる傾向が確かにありま す。人材像や能力は一概には言えないですが、語学能力は最低限必須だと思います。JETRO では約 4 割がトリリンガルで帰国子女の比率は高いです。私が入った頃は留学を 1 年した程度でも珍しい時代でした が、大分変わって来ました。しかし第 2 外国語は後から習得しても良いので、まずは素地としてのコミュニケーション力と英語力でしょう。 英語を身につけていることはもはや当然のことと考え、現在では JETRO に入った後の語学研修は中国語をはじめとする英語以外の言語です。

多言語環境にある JETRO シンガポールさんから見て、現在の日本における足りない要素や伸ばすべき点はどのようなところでしょうか。

外国からの対日投資を促進するためにシンガポールの会社を回っていますと、日本における言葉の壁の問題が非常に大きいと痛感します。 なぜ日本に進出しないのかという理由を聞くと、「日本は難しいマーケットで、その中の大きな要素が言語の問題だ」と何度も言われます。 外国人にとって日本における言語の壁が未だに大きいことが驚きであり衝撃でした。アジア圏だけでなく世界の交流がこれだけ進んでいる グローバル化時代に本当に信じられない思いです。「2020年までに対日直接投資残高を2倍」という目標に向けて必ず超えなければならないハードルだと位置づけています。ビジネスレベルで多くの日本人が英語を話す必要はないのですが、ただもう少し英語が日常的に使える ような環境が進むことを切望します。アジアでは官公庁の書類でも英 語が併記されていますが日本は和暦を使っていますし、確定申告も全部日本語です。こういう手続き書類一つ見ても、外国人には大きなストレスになると言われます。

ただ日本マーケットが縮小しており、海外マーケットに展開せざるを得ない現在、日本企業も日本政府も今変わらなければならないという危機感は非常に強いです。昨年初めて訪日外国人観光客が 1,000 万人を突破した功績は官公庁・日本政府観光局と関連業界全体のたゆま ぬ努力の結果だと思います。グローバル人材育成、行政システム改革、産官学の協力などの分野でも、観光業界のように知恵と行動が求められると思います。シンガポールも「外国との交流をしなければ国家が成立しない」という危機感から国家システムや教育を考えてきましたので、大いに参考にして学ぶべきでしょう。シンガポールの意思決定のスピード感にはいつも驚かされます。

1 2 3
LINEで送る
Pocket

PAGE TOP