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グローバル教育

企業からの声

日本貿易振興機構(ジェトロ) シンガポール 所長 長谷部 雅也 氏

2015.01.09

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長谷部さんのご経歴上、欧米とアジアを見られていると思いま すが、アジア圏において日本企業が本来の長所を活かして、日本の強みを発揮できるものでしょうか。今後経済成長が見込まれるアジア諸国で日本企業が共に成長していくことは大きな課題だと思います。

欧米とアジアでは全く異なると思います。アジアは文化的にも歴史 的にも距離が近いので、欧米に比べてアジアの方がビジネスとしては 障壁が少ないと思います。歴史的にも日本企業のプレゼンスはアジア では大きいです。1891 年には日本企業初のシンガポール支社ができて 商業ビジネスを開始し、その後多くの企業が進出しております。日本企業の駐在員を表す「グダン族」という言葉も作られたほど、日系企業は現地社会に定着していきました。これに対し、欧米では現地の企業活動が先に進んでいたところへ日本が入るという形態だったのでシェアを取ることは容易ではありませんでした。特にヨーロッパはその傾向が強いです。アジアは日本への親近感や文化・宗教・民族的なある程 度の同質性もあり、東洋的な発想で共感しやすいのではないでしょうか。ASEAN経済統合を控え、経済成長が大きいこともプラス材料です。東南アジアの成長とともに我々も日本企業の支援を一層進めます。特に民間では難しいJETROの多岐に渡るネットワークを駆使した情報の提供など、JETRO として誠心誠意取り組みたいと考えています。

ただ人材の入れ替わりが激しいという点は、日本企業の皆さまの苦 労話として頻繁に話題に出てきます。せっかく教育・育成しても、辞められて無駄に終わることも多いようです。特にシンガポールは欧米 型の労働マーケットなので雇い主が容易に解雇できる反面、労働者側もドライに転職しやすいことは事実です。優秀な人材確保では、皆さん非常にご苦労をされています。

シンガポール在住の日本人の皆さまに、具体的なアドバイスをいただけますか。

海外で生活し教育できる機会に恵まれたのですから、現地の人と交わってそれを思う存分に生かすことに尽きるでしょう。日本からお子さんを単身で1年間の海外留学に行かせることを考えれば、いかに恵まれた環境にいるか理解できると思います。私の経験上欧米ですと完璧な英語を話さなければいけないというプレッシャーがありますが、アジアでは割とブロークン英語でも通じ合えるので英語の苦手な方もお子さんも同じアジア系同士、非常に馴染みやすい環境だと思います。しかもシンガポールはアジアの中でも先進国で、教育の場としても優れています。

これだけグローバル人材と叫ばれながらも、海外生活を送ったことがある子女は日本全体で考えれば、今だに少数派でしょう。親御さんには、お子さんがそんな貴重な存在だということをぜひ肯定し応援していただきたいと思います。日本に戻ればやはり日本独特の環境や伝統的な価値観があるでしょう。日本の学校や社会が、貴重な経験をしている海外子女とその多様性をあたたかく受け入れ尊重してくださることを願っています。海外での生活では、日本では必要のない苦労を買って出ることにもなります。しかし、その苦労こそが将来の備えだと言えるのはないでしょうか。かけがえのないこの機会を充分に活かしてください。

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日本貿易振興機構(ジェトロ) シンガポール 所長
長谷部 雅也 氏

1983年 ジェトロ入会
1990年~1993年 ジェトロ・シドニー・センター
1993年~1995年 海外調査部米州課課長代理
1995年~1997年 外務省北米二課
1997年~2000年 国際交流部国際交流課上席課長代理
2000年~2006年 総務部主査
2006年~2010年 ジェトロ・ロンドン 次長
2010年~2011年 総務部総務課長
2011年~2013年 総務部次長
2013年より 現職

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