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企業からの声

株式会社IHI 執行役員・グローバルビジネス統括本部 アジア大洋州統括 菅 泰三氏

2016.06.25

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歴史ある総合重工業メーカーであり、重工業、インフラ、エネルギー、自動車や航空産業などの分野で社会のニーズに合わせて進化してきた御社は、日本の基幹インフラを担う会社です。東南アジアに展開する上でシンガポールは重要拠点と思いますが、御社の紹介とともに、これまでの歩みを教えてください。

株式会社IHIの歴史は、浦賀沖にペリーの黒船が来航した1853年に石川島(現在の東京都中央区佃島)に設立されたわが国初の近代造船所、石川島造船所にさかのぼります。ここでは日本初の西洋式の軍艦が生まれました。その後160年以上にわたり当社は重工業の一翼として日本の工業化の歴史とともに歩み、船舶から各種陸上機械、さらに航空機、宇宙開発分野にまでものづくりの幅を広げてきました。

株式会社IHI 執行役員・グローバルビジネス統括本部 アジア大洋州統括 菅 泰三氏

株式会社IHI 執行役員・グローバルビジネス統括本部 アジア大洋州統括 菅 泰三氏

中でもエネルギー関連機器の製作ならびにサービスは重要な柱で、アジアでは売上の6割を占めており、各種の発電設備、天然ガスの液化プラントなどを手掛けています。造船から始まった会社ですので海上の製品は長く手掛けてきており、海底からくみ上げた原油を洋上で精製、貯蔵して、タンカーに直接積み出す設備なども作ります。明石海峡大橋や、トルコのボスポラス橋、ベトナムのニャッタン橋などの橋梁も数多く実績があります。自動車産業関連では、ターボチャージャーの生産が累計で5,000万台を超えるなど、燃費の効率化や排ガスのクリーン化に取り組んでいます。

海外事業の歴史としては1959年にブラジルに造船所を開設したのが先駆けで、その後米国、アジア、ヨーロッパにも進出してきました。シンガポールでは1963年に、当地の経済開発庁(EDB)との合弁で「ジュロン造船所」を開設し、多くの日本人技術者が指導にあたりました。その後71年には「ジュロン・エンジニアリング・リミティッド」を設立し、アジアで発電関係をコアとするエンジニアリングビジネスを展開してきました。

早い時期から世界展開をしてきた御社において、人材の活用面ではどのような工夫をされているのでしょうか。

当社グループの従業員数は28,000名強です(連結対象会社数は250社)。海外では、製造現場においては現地の人が圧倒的に多いのですが、事務所や支店では、日本とのやり取りが多い分日本人駐在員の比率が高くなっています。

私たちの仕事は、インフラやエネルギーなどの分野に関わることが多く、その計画や実施段階において、現地政府や他企業との折衝などが必ずあります。その際、グローバルに仕事ができる日本人とともに、優秀な現地従業員の活躍の場が、今後も増えていくのは言うを待ちません。

担当するアジア大洋州地域について言えば、日本人駐在員のポストを、今後はなるべく現地の人に移していきたいと思っています。少し先になるかもしれませんが、私のポジションもその対象になると考えています。仕事ができ、信頼できる人材が各国におり、現地の政府や企業のトップ層、マネジメント層と渡り合う上でも、各国の言葉や文化のベースがあることは大きな利点だからです。

その一方で、現地の人がトップになった場合、「東京本社とのやりとりがスムーズにできるのか」、「アジア大洋州地域を統括して各国のリーダーを率いていけるのか」という心配もあります。しかし私が見てきた限り、それは容易ではありませんが可能だと思います。その点を念頭に、実際、日本語がある程度できる優秀なシンガポール人スタッフを東京の本社に派遣し始めました。「当社はこういう会社だ」「仕事の流儀はこうだ」ということをより理解してもらうことに加え、本社の人たちのことを知ってもらうことが目的です。さらに本社の人たちにとっても、海外のスタッフがどういう考え方や行動をとるのかを知るきっかけになると思います。

東京本社の人が例えば九州支社の人と話をするのと同じように、違和感なくシンガポールにいるシンガポール人の同僚とも話ができるようにしたいものです。人となりを知っていれば話が速いですし、このような人事交流は短期間でも回数を重ねていけば効果が出てくると期待しており、国際化の一場面だと考えます。

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