海外生・帰国生へのヒント
慶應義塾大学 総合政策学部(GIGAプログラム)4年 窪田 百萌さん「今の私を築いてくれた海外3ヵ国での日々」

海外3ヵ国で過ごした日々

私は2歳の時、家族でアメリカへ引っ越しました。2歳上の兄とともに、独自の芸術教育で知られる「シュタイナー」の幼稚園へ通いました。のびのびと木登りや創作活動を楽しみながら自然に英語にも親しんだようで、入園2ヵ月後には英語で会話をしていたそうです。家では日本語の生活でしたので、日本語と英語をほぼ同時期に習得
したのだと思います。

渡米から2年後には一旦日本へ帰国しましたが、小学4年の時、今度は韓国へ移ることになりました。当時英語は話せたものの読み書きが全くできず、両親からインターナショナルスクールへ通うと聞いた時、不安と恐怖で泣いたことを覚えています。しかし、学校の初日、不安と緊張でいっぱいの私に、ある韓国人の女の子が声をかけてくれました。お互い戸惑いながらの会話でしたが、とても嬉しかったです。彼女はその後、私の大親友となりました。

2年間の滞在を経て、外国としては3ヵ国目となるシンガポールへ渡り、6年間Singapore American School(SAS)へ通いました。SASではバドミントンチームに所属し、高校時代はキャプテンを務めました。12年生の試合で
は、前年度に圧倒されたチームに勝利できたことが、良い思い出になっています。一つの目標に向かって嬉しい時も悔しい時も一緒に過ごした仲間とは、今でも家族のような固いきずなで結ばれています。

慶應義塾大学 総合政策学部(GIGAプログラム)4年 窪田 百萌さん「今の私を築いてくれた海外3ヵ国での日々」
Singapore American School で所属していたバドミントンのチームメイトと。

 

慶應義塾大学の英語プログラムを目指して

もともと日本が好きで日本の大学への進学を志望していましたが、日本語での授業に不安がありました。いろいろな大学を見学する中で、卒業に必要な単位を全て英語で履修することができるGlobal Information and Governance Academic Program(以下、GIGAプログラム)に魅力を感じました。同プログラムでは、日本語で開講されている授業も受講でき、どちらかの言語に限ることなく選択できます。この点は、英語と日本語の両方で学びたい私にとっては理想的でした。また、湘南藤沢キャンパス(SFC)の自然豊かな環境の中、インターナショナルスクールのような少人数の授業で、グループワークが多い点にも強く惹かれました。

充実した大学生活

入学当初はGIGA生との交流が中心でしたが、2年生からは日本語の授業を受講し研究会にも入ったことで、交流の輪が大きく広がりました。留学生や帰国生ではない日本人との授業では多少戸惑うこともありましたが、今ではすっかり慣れ、充実した日々を送っています。また、SFCでは語学の授業も豊富にあり、1・2 年生の時は中国語を、3年生からは韓国語の授業を履修しています。中国語は中級レベル、韓国語は初級レベルで話すことができるようになりました。

私が最も好きな授業は研究会です。SFCでは希望すれば1年生から研究会に所属でき、現在私は2つの研究会で「多文化交流x地域づくり」のテーマを掲げて研究を進めています。週3時間以上、フィールドワークなどを通し仲間とともに活動するほか、学生一人ひとりに向き合ってくださる先生との学びは非常に有意義なものです。将来は研究を生かして、外国人を日本各地と結び、地方活性化に貢献できるような仕事に就きたいと思っています。

慶應義塾大学 総合政策学部(GIGAプログラム)4年 窪田 百萌さん「今の私を築いてくれた海外3ヵ国での日々」
慶應義塾大学SFCの福沢諭吉像の前で。地域づくりのプラットホームを学ぶ飯盛義徳研究会のメンバーと。

 

海外で生活している皆さんへ

私は人生の大半を海外で過ごし、その経験が今の私を築いています。皆さんも海外では辛い時もあると思いますが、前向きに捉えるときっと良い方向へ導かれると思います。また、英語がネイティブレベルに話せることは私にとって一生の宝物となりました。外国人の友にも恵まれ、さまざまな価値観を学び視野が広がりました。日本人同士でかたまらず、さまざまな人と英語で交流すれば、自然と英語が身につくと思います。

慶應義塾大学 総合政策学部(GIGAプログラム)4年 窪田 百萌さん「今の私を築いてくれた海外3ヵ国での日々」

お母さまより

海外での生活は言葉や文化・宗教の違いに加え、インターナショナルスクールでの教育方針など、その都度、驚きと戸惑いの連続でした。その中で、まずは子どもが興味のあることに集中できるように心がけました。海外在住の方には将来を心配しすぎるのではなく、その地でしかできないことを沢山楽しんでいただきたいです。全ての経験が将来必ず役に立つと思います。

※慶應義塾大学GIGAプログラムに関する情報はこちら
https://spring-js.com/japan/13242/2/https://spring-js.com/japan/685/2/

『海外生の今』バックナンバー
https://spring-js.com/global/global02/kaigaisei/

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