海外生・帰国生へのヒント
山梨英和中学校 1年生 鍵田 美羽さん「海外で培った力を支えに」

転居が多い幼児期を過ごして

私は生まれて間もなく渡星し、その後シンガポールからタイへ、そして再びシンガポールへという転居の多い幼少期を過ごしました。物心がつく頃にはすでに海外で生活をしていたため、海外生活に馴染むという点ではあまり苦労はありませんでした。

海外で生活をしていても「日本人としてのアイデンティティを大切に」という両親の思いから幼稚園・小学校ともに日本人学校に通い、日本の文化や教育に触れながら学校生活を送ってきました。

山梨英和中学校 1年生 鍵田 美羽さん「海外で培った力を支えに」

各国の日本人学校での学び

タイのバンコク日本人学校では、日本語・英語だけでなく現地の言語である「タイ語」を学ぶ機会もありました。日常生活で生かすことのできる言語の学びは大変興味深かったです。放課後や週末は子どもが一人で自由に外を出歩ける環境ではありませんでしたが、体を動かすことが好きな私は、家の中でもエスボードという乗り物に乗り、コンドミニアムのプールやプレイグラウンドでもよく遊びました。通っていた体操教室にはさまざまな国の子どもたちが集まっており、国際的な環境に触れることができたことは今でも良い思い出です。

小学4年生で移ったシンガポール日本人学校では、日本語禁止の英会話授業がありました。体育や音楽の授業も英語のみで行われることがあり、はじめは戸惑いましたが、英語に慣れる上でとても良い環境でした。

山梨英和中学校 1年生 鍵田 美羽さん「海外で培った力を支えに」
タイ・チェンマイの旅行で

 

校外学習での貴重な思い出

シンガポール日本人学校での一番の思い出は、校外学習でキャンプに行ったことです。はじめて親元を離れて外泊をするという緊張感に包まれていましたが、友人たちと協力し合いながらカレーを作ったり、カヌーに乗ったりすべてのアクティビティが緊張と興奮の連続でとても楽しかったです。あの貴重な経験は、今でも忘れることができません。

「日本の中学校で学ぶ」という選択

幼い頃から海外で生活を送ってきた私ですが、両親にすすめられたことをきっかけに日本の中学校への進学を考えるようになりました。曾祖母・祖母・母と三代で山梨英和の卒業生だったこともあり、小学5年生のときに説明会へ足を運びました。お話をうかがい、聖書を通じた学びと国際的な授業に魅力を感じ、山梨英和で学んでみたいと強く希望するようになりました。実際にキャンパスを歩いて雰囲気を感じ、先生やPTAの方々のお話を直接聞けたことはとても貴重な機会となりました。

受験勉強は、塾には通わず自宅学習が中心でした。主に受験校の過去問や問題集に繰り返し取り組みました。他にも英語力向上のために実用英語検定の勉強をしたり、国語・算数の2科目で分からない問題は両親に教えてもらったりして受験を乗り切りました。

海外経験を糧に日本へ

シンガポールではスクールバスで通学していましたが、帰国後は公共交通機関を利用するようになり、環境は大きく変わりました。新たな環境での学校生活に不安もありましたが、国を越えた引越し・転校を多々経験したことで身につけた適応力とコミュニケーション力で、徐々に心の通じる友人ができました。学校生活に早く馴染むことができたのは友人たちのおかげです。学校の授業は、理科の先生が身近な例をあげて説明をしてくださるので、興味深く学ぶことができ、今では大好きな教科になりました。

山梨英和中学校 1年生 鍵田 美羽さん「海外で培った力を支えに」
 日本人学校の民族衣装デーにて

 

海外生へのメッセージ

海外生活が長かったですが、英語に触れる機会は多くなかったと思います。そのため、もっと英語に親しんでいれば良かったという心残りがあります。海外生活では常に英語が飛び交っている環境だと思いますので、「間違えても恥ずかしくない」という気持ちを持って積極的に話すことが重要だと思います。日本では体験できない文化に触れるなど、海外ならではの生活をエンジョイしてください。

お母さまより

海外生活は言葉・文化などさまざまな違いに直面することが多々ありますが、家族が皆、楽しんで生活を送ることを何より大切にしていました。英語については学んだ分だけ子どもの力になると思います。

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この人からエール 山梨英和中学校・高等学校 校長 三井貴子氏https://spring-js.com/expert/17545/

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