海外生・帰国生へのヒント
藤沢市立明治小学校4 年 小清水 理人 くん  母 恵子さん談「 現地校で学び得たもの」

ローカル幼稚園、そして現地校へ

 来星後、息子は自宅から近いという理由でローカルの幼稚園へ入園しました。それまでは日本で生活していたので、英語や中国語が理解できるようになるかという不安はありました。しかし、まだ幼稚園年中だったので何とかなるだろうと考えました。入園後は言語だけでなく、学習内容がかなり高度だったので大変驚きました。当初は言われていることがわからず、先生の口調が強かったりすると怒られていると感じて幼稚園に行きたがらないこともありました。そんな時は先生と連絡をとり、息子には怒られているわけではないと説明しました。

現地校レイシャルハーモニーデイ

 

外遊びなどを通じて少しずつ現地のお友だちとも英語でコミュニケーションをとれるようになり、園生活を楽しむことができました。卒園時のコンサートでは、スピーチの最後に「さよなら、再見、and Good bye」と元気に言い、その瞬間会場がどっと沸いたことがとても思い出深く残っています。

  小学校は思い切って現地校を選択しました。2年間の幼稚園生活で基礎的な中国語を習得できたので、インター校で英語だけの環境にしてしまうのはもったいないと考えたからです。幸い新一年生で入学できたため、本人はすぐになじむことができました。

  現地校での一番の思い出は、毎朝夜明け前の暗いうちにスクールバスで登校し、朝礼が始まるまでの間、友達と校庭を走り回って遊んだことだそうです。クラブ活動ではAngklungという楽器を演奏していました。日頃の練習を楽しみながら、大会にも出場できたので、とても良い思い出となっています。

3カ国語の学習

 現地校で大変だったのは、英語ではスペリングの練習やテスト準備のための宿題が多かったことです。中国語は外国人クラスで学んでいましたが、それでもついていくのは容易ではなく、親子で同じ家庭教師について中国語の自宅学習を続けました。英語も中国語も親子で取り組んだことは、子どもにとっても良い影響があったと思います。

  日本語については、1年生から日本語補習授業校に通いました。週1回の授業に加え、作文、漢字練習や音読などの宿題を毎日こなしていくことで、学年相当の国語力を維持できたと思います。家庭では、なるべくいろいろな本に触れられるようにしました。中でも、漫画形式の四字熟語の本をとても気に入り、何回も読んでいたことを覚えています。

帰国後の課題

帰国後、小学校の遠足にて

 

 小学校3年生の途中で本帰国になり、自宅近くの公立小学校に編入 しました。在星中の一時帰国で体験入学をした小学校だったため、知っ ているお友だちや先 生がおり、なじみや すかったようです。 体験入学では学業面 だけでなく、上履き に履き替えること や、授業中に飲み 物を飲んではいけ ないこと、おやつ の時間がないこと などの生活面の違 いにふれることが できたので良かっ たと思います。

   帰国後の課題はいかに「英語」と「中国語」を保持するかです。現在 は英語力維持のため、帰国生のための英語保持教室に通わせています。 そこで英語の本を借りたり、ワークブックを購入して活用しています。 中国語については息子に適した子ども向けの教室がみつからないた め、現在はテレビの中国語講座をみたり、現地校で使っていた教科書 を繰り返し読むようにして保持に努めています。

シンガポールの皆さんへ

 年中の頃から現地の英語と中国語の環境の中で、自分の気持ちをうまく伝えることが出来ず、本人はかなり苦労したと思います。しかし今振り返ると、最初はなかなか通じなくても、少しずつ努力を重ねることで気持ちが伝えられるようになるという経験をしたのは、とても有意義で貴重なことだったと思います。

  また現地の小学校では、シンガポールだけでなくいろいろな国籍の友達がいたので、世界の多様さを直接肌で感じることできたのが何よりの財産になったと感じます。

  現地校に通わせるとなると、親も英語が苦手な場合は躊躇してしまうかもしれません。しかし少し勇気をだして、子どもと一緒にチャレンジすることも非常に大切だと思いました。

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