海外生・帰国生へのヒント
桐朋女子高等学校 1年生 柿原 亜紗子さん「シンガポールで学んだRisk-Takerになるということ」

シンガポールで得た貴重な経験

私はシンガポールで生まれ、幼稚園の時からずっとインター校に通っていました。近所の多国籍の友だちと遊び、学校でも日本人が少ない環境だったため、英語を自然に身につけることができました。近所の多国籍の友だちと遊び、学校でも日本人が少ない環境だったため、英語を自然に身につけることができました。

?学校生活で思い出に残っているのは、放課後のクラブ活動です。日本の学校では一つのことに集中して取り組むイメージですが、インター校では、関心があれば好きなだけ挑戦することができます。

印象深いのは、スクールアンバサダーの活動です。新入生が楽しく学校生活を始められるような企画をしたり、転校してしまう生徒へのプレゼントを考えたり、時には老人ホームや障がい者の方の施設を訪問してお話ししたり、一緒に遊んだりもしました。一番の思い出はBake Saleというチャリティーバザーです。生徒たちで企画・製作・宣伝・販売・会計まですべてをこなし、手作りのお菓子を持ち寄って休み時間に店を開き、その売り上げ金を発展途上国や、災害による被災国へ寄付する活動でした。小学生がこのようなことを全てこなすのは難しいことでしたが、「挑戦してみる精神」を先生方が応援してくださったので、無事やり遂げることができ、貴重な思い出となっています。

UWCにて「UN DAY」 UWCにて「UN DAY」

はじめての日本での生活  

シンガポールを離れたのは、小学校5年生の時でした。当初は精神的に本当に辛く、しばらく受け入れることができずにいました。特に、 英語から日本語ばかりの環境になり、日本的な生活そのものに慣れることにとても苦労しました。シンガポールでは、家族とは日本語で話していましたが、読み書きをほとんどしていなかったため、国語の中でも漢字が苦手でした。地元の小学校に通いはじめた頃はどんな授業も難しく感じていました。

楽しい学校生活

現在の学校は、文化祭で楽しそうに案内をしてくれた桐朋生に憧れを抱き、私もこのような学校生活を送りたいと思ったことが入学の決め手です。中学帰国生対象特別入試で受験したため、一般入試で入学した他の同級生たちと一緒にスタートすることが不安でした。しかし、先生は個別に授業の補習をしてくださったり、日本の学校の習慣や近隣の地理を教えてくださったりと、大変温かく迎えてくださいました。そのお陰で、楽しい学校生活を送ることができています。

帰国後は英語を忘れないために、週末にはシンガポールの友人とビデオ通話で話しています。読書も好きなので、外国人の友人におすすめの情報をもらって英語の本も読むように心がけています。帰国してから実用英語検定試験を受検し、1級に合格することもできました。これからも英語力の維持向上に努めたいと思っています。  

将来は海外で英語や他の言語を使い、多種多様な人と一緒に働くことが理想です。言語、人種、生活習慣、文化などが異なる人との出会いがあったことは、これからの人生においても、かけがえのない経験だったと感じています。この特別な経験をずっと大切にしていきたいです。

文化祭でバンド 文化祭でバンド

シンガポールの皆さんへ

帰国当初はテレビでシンガポールの映像を見るだけで涙が出てしまうほど、恋しくて仕方がなかったのですが、今では故郷だと思える場所が日本以外にあることに感謝しています。英語が出来ることによって将来の選択肢は格段に増えたと思います。シンガポールの学校で習った印象深い言葉に「Risk-taker」があります。他人に無理だと言われたり思われたりしても、高すぎる目標であっても、自分が「やりたい」と思ったことには挑戦してみるという私の性格は、正にこの言葉の影響によるものです。シンガポールでの生活から体得した大きな教訓です。

旅行者と実際に暮らすのとでは、経験できることが全く異なります。シンガポールを100%満喫して、かけがえのない思い出をたくさん作って欲しいと思います。

※桐朋女子中学校・高等学校に関する情報はこちら
https://spring-js.com/japan/962/

『海外生の今』バックナンバー
https://spring-js.com/global/global02/kaigaisei/

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