特集記事
帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

受験生も非受験学年のご家庭も必見!
日本・シンガポールなどアジアの学習塾に聞きました。

帰国受験の今
~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

【Springウェブサイト限定!】
次ページ以降では取材にご協力いただいた日本とシンガポールの学習塾からの詳細回答をお届けします。

「帰国後に備えた学び」や「帰国受験」は、海外在住のご家族にとって、最大の関心事の一つではないでしょうか。
日本では教育改革が声高に叫ばれる昨今、実際に教育現場ではどのような学びが重視され、受験はどのように変化しているのでしょうか。
Springでは、「2019年の中学・高校・大学受験を振り返る」と題し、帰国受験を熟知する、日本・シンガポールを中心にアジア諸国の15の学習塾に取材しました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

Q1 帰国受験で、最も気になった最近の変化は?

私立・国立受験者数は5年連続で増加!

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

● 入試方式・内容の多様化。中高の帰国受験の条件緩和、学校での成績や人物重視も。大学ではAO入試が増加。
● 中高の英語入試導入校が増加、大学の英語外部試験の導入が加速。
 →英語4技能の全てが図られる
帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
● 大学附属校の人気が 顕著に。
 →大学入試改革・大学の合格定員削減などが背景。
● 「海外生のための英語クラス」「通いやすいロケーション」などを満たす学校で受験者増。
● 帰国生入試・海外入試・海外説明会を実施する学校が増加。
 →別の出願校への誤送信などに要注意!

Q2 帰国までに取得すべきおすすめの資格試験は?

英検を目安に着実に基礎固め、レベルアップを。
日本人学校生の自信にもつながります

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

●インター校・現地校生は英語力を過信せず、英語文法と日本語の基礎固めもしっかり
●外部試験を活用した入試が増えるので、計画的に外部試験を受け、スコアアップを図ろう

Q3 帰国受験や編入を目指す際のアドバイスは?

全ての同級生が受験・編入試験を受けるわけではないため、「自分は自分」と思うことが大切

☆情報を上手に活用

● 氾濫する情報に惑わされず、お子さまに「本当に合う学校」を。
● 毎年変更点があるため、「正しい情報」「新しい情報」を収集しよう。
● 実際に学校に足を運び、志望校の過去問に目を通すなど、親子で確かめよう。

☆精神面のサポートを

● 受験はあくまでも通過点。最終目標にせず、「将来の夢」と「理想の職業」を考えよう。
● 親が頑張りすぎて、空回りしないように。
● 「孤独な戦い」を覚悟しながらも、受験を将来への準備と考え「楽しむ」気持ちを。

☆家族で話し合おう

● 周囲に流されず、親子で納得して受験するか否かを決めよう。
● 眼の前の受験ではなく、将来を見据えて、家族で「将来なりたい自分」像について一緒に考えたり話をする機会を。
● 充実した海外生活を送ろう。「今暮らしている国の文化・背景と自分の成長」を「自分の言葉で」語れるように。
● 「海外生だからこその個性」を大切に伸ばせる志望校を選ぼう。

こんなきっかけで受験に挑むのはおすすめしません…

× 帰国生は有利だから、今のうちに帰国しておこう。
× 周りが受験しているから、何となく決めた。
× 偏差値が高い有名校だから、挑戦しよう。

各学習塾に、2020年度入試に向けたアドバイスをいただきました。

栄光ベトナム

中学受験は入学後のことも考え、可能な限り一般入試の生徒と同等の学力を身につけるべきでしょう。また、ご家庭の協力が必須であり、受験生・塾・保護者、三位一体で進めていく意識が強いほど、成功の確率は高まると言えます。高校受験では現地日本人学校の成績をうのみにせず、危機感を持って学力向上に努めることが必要です。日本の受験生の様子を情報として仕入れ、現地の雰囲気が受験生全体の雰囲気であると錯誤しないことが重要です。

enaシンガポール

中学受験では、新たに帰国入試を始めたり、帰国枠受験の資格が緩くなったりして、多くの学校が受験できます。しかし、受け入れる学校の意図はまちまちです。その学校の詳細を良く調べて、「お子さまに合う学校」を選ぶことが大切です。目標が決まったら、そのために必要な勉強に集中しましょう。高校受験では受験生の数が減ってきて、昔と比べると難関校と言われるところでも、努力をすれば届きます。少し高い目標を持って頑張ってください。

河合塾

大学受験では、帰国生入試は廃止傾向にあり、代替として帰国生もAO入試で受験する傾向が顕著になってきました。海外生活では英語力の向上に努めると共に、海外生としてアピールできる体験を積んでください。AO入試の志望理由書の作成で重要な点は、「大学入学後に勉強したいこと」と「受験する大学のどこに魅力を感じたか」です。自分の将来の夢や目標について考え、受験する大学の学部のことをよく調べましょう。日頃から考え調べる努力をしてください。

KOMABA

全ての受験に共通して、「入試のための対策の前に、未来のための学びを進めてほしい」という思いを年々強めています。中学・高校受験では「お子さまに合った学校選び」をすることが重要です。入学後の英語学習環境や帰国生の学校側の受け入れ方についても見極めが必要でしょう。志望校選びに関しては、ご家族でよく話し合っていただきたいと思います。インター校・現地校生であれば、日本の教育機関に戻る準備を中長期的な目線で検討しましょう。

馬渕教室

関西での中学受験では、依然として学力重視の風があり、特に算数と国語で一定以上の力を持っていなければ太刀打ちできない入試がほとんどです。また、私立・公立の高校でも帰国枠は限られ、一般入試を視野に入れた学習が必要です。一般入試や入学後をイメージして5教科をバランス良く学ぶことをおすすめします。受験勉強は長く、辛いものと思われがちですが、受験勉強という「種」をまいて、合格という「芽」が出ることを楽しみに毎日取り組むと、前向きに捉えましょう。

ORBIT ACADEMIC CENTRE

中・高・大の入試では、4技能型英語力を重視した試験、単なる知識や技能だけではなく、論理的思考力・判断力・表現力や、主体性・多様性・協働性を測る視点での出題になっていくと思われます。その中でシンガポールの教育環境は、ある意味で日本の中高一貫校よりも貴重であることを認識してほしいと思います。多感な時期を海外で生活できることは、人生最大のアドバンテージになるでしょう。貴重なこの学習環境をどう生かすか、という発想が必要です。

SAPIX国際教育センター

大学入試改革は、「AI時代に活躍できる人材の育成」という理念が根底にありますので、知識や技能だけでなく「思考力」をしっかり養いましょう。英語資格試験の級・スコアだけに注目するのではなく、エッセイや面接で問われる一般常識や「文化的背景を理解する力」が重要です。他の科目学習にも役立つ知識を習得するために、低学年のうちは理社も含めた5科目の学習を継続しましょう。学校の教科書を読むだけでも大きな違いになるでしょう。

駿台国際教育センター

中・高・編入・大学のどの入試方法でも対応できるように、国・算/数・英の基礎学力はつけておきましょう。海外での経験を作文・面接で問われるので、滞在国でしかできない貴重な体験を多くすると良いと思います。高校受験時の志望校は、必ず本人が決定すべきです。最終的に通うのは生徒本人ですから、そうすることで納得して試験に挑み、納得して進学できると思います。帰国生入試も一般入試の3科目と変わらない入試が多いので、一般入試のレベルまで対応できる学力をつけましょう。

駿台シンガポール校

海外生は、実際の入試会場に行って雰囲気にのまれてしまうことがありますので気をつけましょう。中学受験で2月1日以降の一般入試を本命にしているご家庭は、受験雑誌や模試の成績などをよく見て、客観的に合格できるかどうかを判断することが大切です。高校受験の帰国枠入試は11月ごろから始まり公立高校の入試が3月までかかるため、志望校を早めに決め個々のモチベーションを持続できるようにしましょう。逆算してスケジュールを決めることを心がけてください。

WAOシンガポール

中・高ともに「偏差値」を過度に意識せず、「過去問演習」などで受験校の傾向をつかみましょう。面接は内容を暗記するのではなく、自然に会話ができるようにすることを心がけてください。シンガポールで受けられる学校の受験を検討しましょう。5教科で高校受験をする生徒は、3教科受験の生徒に流されないように留意してください。インター校生は、大学受験(日本・海外)に備え、TOEFLなどを複数回受験し良いスコアが出せるようにすることが必要です。早稲渋生で日本の大学をAO入試、一般入試で受ける場合は、早めに計画を立てて学習しましょう。

早稲田アカデミー国際部

人気校を英語受験する場合でも算数・国語の比重が高まっているため、海外滞在時から算数・国語を重点的に学習しましょう。帰国生だから3科で良いと安易に考えると選択肢が狭まってしまいます。中・高ともに非受験学年ほど、理・社の学習から逃げないことがポイントです。日本人学校生は英語コンプレックスから脱却を、そして現地校・インター校生は、英語に固執せず苦手科目をいかに克服するかで結果が変わるでしょう。マイナスの感情に支配されそうになった時は、将来の夢を考えプラスの感情にシフトしていきましょう。

早稲田アカデミーシンガポール

教育の根源は「一対一の対話」です。お子さまの一言ひとことを受け止めて、丁寧に対話することでお子さまの成長を促すことができるでしょう。現地校・インター校生は、基本となる国・算を鍛えながらテストも積極的に受け、地道に努力を続けてください。高校受験は、生徒本人に因る割合が8割、保護者の方が2割と言えるでしょう。志望校選択に関しては本人の意思を尊重し、保護者は相談にのる姿勢で受験期を乗り切ることができれば、良い結果に繋がるでしょう。大学受験では帰国入試、AO入試などは、試験形態がさまざまですが、情報を得て入念に対策をしましょう。

早稲田アカデミー台北校

海外生活では、語学学習や海外の人たちとの交流など、日本にいる以上のものが得られ、「海外生活=日本以上の教育環境」になりつつあると感じています。それを理解し、海外生活を完全なプラスにとらえることが大切です。中学受験は保護者とお子さまご本人のやる気次第。高校受験は、学校独自の問題(資料の読み取り・整理、情報の活用問題、作文など)に対応できるよう準備しましょう。

代々木ゼミナール国際教育センター

大学受験の出願資格として、英語能力試験(TOEFLなど)の成績を求める大学が増え、IB入試を実施する大学が増えました。 英語能力試験を活用した入試がますます増えることが予想されますので、TOEFLやIELTSのスコアアップに努めてください。帰国生入試小論文では、「あなたの海外経験を踏まえて自分の意見を述べてください」という問われ方が多い傾向です。日々の経験を充実させること、その経験に基づいて考える習慣を付けることが、帰国後の小論文を書く上での財産になります。

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次ページ以降では、今回のアンケート調査の各塾回答を更に詳細にご紹介しています。

●新しい年度での受験において受験生はどのような準備をすべきか
●これから受験するお子さまと保護者の方に具体的なアドバイス
など

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これから受験をするお子さまと保護者の方へ
各学習塾からアドバイスをお聞きしました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
栄光ベトナム

Q. 今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】昨今の大学入試の変化を受けて、帰国生入試においても付属校人気が高まっています。

【高校受験】私立よりも公立第一志望の受験者が多いように感じました。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【中学受験】入学後のことも考え、可能な限り、一般入試の生徒と同等の学力を身につけるべきでしょう。

【高校受験】現地日本人学校の成績をうのみにせず、危機感を持って学力向上に努めることが必要です。

Q.これから受験するお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】中学受験は、特にご家庭の協力が不可欠です。受験生・塾・保護者、三位一体で進めていく意識が強いほど、成功の確率は高まると言えるでしょう。

【高校受験】可能な限り、日本の受験生の様子を情報として仕入れ、現地の雰囲気が受験生全体の雰囲気であると錯誤しないことが重要です。

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これから受験をするお子さまと保護者の方へ
各学習塾からアドバイスをお聞きしました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
enaシンガポール

Q. 今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】慶應湘南藤沢中が入試形式を変更したことが挙げられます。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【中学受験】新たに帰国入試を始めたり、帰国枠受験の資格が緩くなり、日程的に受けようと思うと多くの学校が受験可能です。しかし、受け入れる学校の意図はまちまちです。その学校の詳細を良く調べて、「お子さまに合う学校」を選ぶことが大切です。目標が決まったら、そのために必要な勉強に集中しましょう。

【高校受験】受験生の数が減ってきて、昔と比べると難関校と言われるところでも、努力をすれば届きます。少し高い目標を持って頑張ってください。

Q.これから受験するお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

ご家庭の事情がさまざまに異なりますので、一概には言えないため、個別に塾に相談しましょう。

※enaシンガポールに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

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これから受験をするお子さまと保護者の方へ
各学習塾からアドバイスをお聞きしました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
河合塾

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【大学受験】英語外部試験の導入が加速しています。また、帰国生入試は廃止傾向にあり、代替として帰国生もAO入試で受験 する傾向が顕著になってきました。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【大学受験】海外生活は貴重なものです。ぜひ、保護者の方は充実した時間となるようサポートしてあげてください。
海外滞在中は英語力の向上に努めてください。小論文は塾で対応できるので、現地滞在中に、多くの時間を費やすのはナンセンスと言えるでしょう。
AO入試にもいろいろありますが、基本的に特別な注意点はなく、帰国生入試と同様の対策で対応可能です。
AO入試の多くは、一般生も受験します。強いて言うなら、帰国生として海外滞在中に何を経験したかをアピールできると良いでしょう。
志望理由書の作成で重要な点は、(1)大学入学後に勉強したいことは何か(2)受験する大学のどこに魅力を感じたかを、しっかりとミックスさせることです。
自分の将来の夢や目標について考え、受験する大学の学部のことをよく調べましょう。日頃から考え調べる努力をしてください。

 

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各学習塾からアドバイスをお聞きしました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
KOMABA

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】入試方法・入試内容の多様化が進み、英語入試実施校が増加しました。また、大学付属系の人気がより上昇したと感じました。

【高校受験】シンガポールの日本人学校中学部の3年生の人数は減ったにも関わらず、早稲渋の受験者が微増しています。こちらでも大学付属系の人気がさらに上昇しています。また、海外子女を書類選考で入試実施する高校が今後増えるのではないでしょうか。

【中高編入】例年通りで特に顕著な変化は見られませんでした。

【大学受験】首都圏の定員厳格化により、難易度のデータが役に立たなくなっているのではないでしょうか。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

全ての受験に共通して、「入試のための対策の前に、未来のための学びを進めてほしい」という思いを年々強めております。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学高校受験】「お子さまに合った学校選び」をすることが重要です。入学後の英語学習環境や帰国生の学校側の受け入れ方についても見極めが必要でしょう。ぜひ、ご家族で志望校選びに関して、よくご相談いただきたいと思います。

【中高編入】より正確な情報を集めるため塾を活用してください。

【大学受験】早稲渋からの受験であれば、「推薦ポイント」で行ける大学選びではなく、将来を考えた進路を考えましょう。

インター学校・現地校であれば、日本の教育機関に戻る準備を中長期的な目線で検討しましょう。

※KOMABAに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
馬渕教室

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】関西では、10月・11月プレテスト(65%程度の学校が実施)を皮切りに、1月初旬の県外事前入試(関西会場)、1月19日解禁日から3日間の短期入試という大きな流れに変わりはありませんでした。

ただ、今年は解禁日が19日ということで(昨年13日)、正月明けからのあわただしさが幾分か緩和され、落ち着いて入試に臨むことができました。

関西の受験率は例年10%程度で安定(昨年より700名ほど増加)。約10人に1人が中学受験をしている計算になります。

トピックとしては、大学付属校の人気高(大学入試改革の影響もあり、有名大学付属校が受験者数を伸ばした)、女子人気校の復調(四天王寺、帝塚山学院、同志社女子など)に加え、大阪の水都国際、須磨学園系列となった夙川が多くの受験生を集めました。

最難関・難関校では、「算数の難化」も一つの特徴として挙げられるでしょう。超難問が出題されたのではなく、いわゆる「得点源」となるような差のつかない問題が減り、合否分岐にかかる難問が大きなウェイトを占めることで、算数で大きく点差が開く結果となりました。

新傾向問題、自由記述系の問題なども少しずつ出題されるようにはなってきましたが、関西では依然として学力重視の風があり、算数(特に)、国語で一定以上の力を持っていなければ太刀打ちできない入試がほとんどです。英語を使った加点方式で受験を考える海外生は多いかと思いますが、中学入学後のことを考えても、算国理(社)の教科学習をしっかりしておく必要があります。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【高校受験】私立大学の定員の関係で、関関同立附属校の高校入試での合格者数も減少傾向にあります。そのため、立命館宇治や同志社国際などの帰国生に人気の私立高校は、推薦が取れればほぼ合格間違いなしと言えますが、推薦が取れない場合は厳しい入試になる傾向がさらに強まると考えられます。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【高校受験】関西圏の私立高校・公立高校の帰国枠はパイが限られていることもあり、定員の大きい立命館宇治や同志社国際といった私立に受験生が集中する傾向にあります。そのため、私立・公立の一般入試まで視野に入れた学習を勧める必要があると言えます。また、関西圏の私立高校の一般入試は5科入試が一般的で、理科・社会の学習がおろそかになっていると、受験校選びで思わぬ結果を招くことも考えられます。帰国入試で受験するから3科でよいと考えるのではなく、一般入試やその先の高校生活や大学受験までをイメージして5教科バランスよく学習をすすめたほうがいいでしょう。

そのうえで、帰国入試の面接では海外での経験を英語で受け答えするような学校もあるので、その土地ならではの経験や日本との文化の違いなど、海外に住んでいたからこそわかることをしっかりと話せるようにしておくことが重要だと考えます。

帰国枠での募集が少ないので、一般入試までを視野に入れて決めていくことが重要です。その際に、単に模擬試験の偏差値だけで決めるのではなく、「この学校で学びたい」と心から思える学校を選択してほしいと思います。高校生活は1度きりです。悔いの残らない受験校選びをしてください。

最後に、受験勉強は長く、辛いもののように感じると思います。しかし、行きたい高校に行くために努力することは、受験勉強という「種」をまいて、合格という「芽」が出ることを楽しみに毎日取り組むことだと捉えましょう。そして、高校生活でその芽を大きく育てて、大学・社会で大きな花を咲かせてください。

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
ORBIT ACADEMIC CENTRE

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

前提として海外生の受験の場合、帰国時期・場所、海外在住歴など、在籍生徒の個々の事情に大きく左右される要素が多々ありますので、1年単位での傾向を分析することはあまり意味がないと考えています。海外生専門進学塾としては、数年単位のマクロな視点での傾向を分析する必要があると考えています。その上での傾向分析として、以下をご参照ください。

①英語力重視のトレンドが継続。

入試問題における英語の難度が年々上がることで、英語力の高い、英語が得意な生徒にとって有利な状況が起こっています。インターナショナルスクールの在籍歴が長い生徒はもちろん、プラスアルファの英語力を保持する日本人学校生は安定して結果を出しています。傾向としては、リスニングや記述(ライティング)、会話表現の増加など、できるだけ4技能の力を測る視点に変わってきています。

②入試選抜方式の多様化。

多様な能力やバックグラウンドをもつ生徒を受け入れようとする学校側の意識の変化が読み取れます。同時に、学力試験だけではなく学校成績や面接試験の重視される傾向が強くなり、学力面だけではなく、人物本位の選抜の色合いも強くなってきていると言えるでしょう。

③いずれの変化も、近年のグローバル化の教育面への影響と、2020年の大学入試制度改革と高大一貫接続教育の推進を踏まえた学校側の意識の表れであると考えられます。

【中学受験】

①英語入試方式の導入校が増加しています。

帰国生入試のみならず、一般枠入試においても英語利用型入試を導入する学校がさらに増加しました。グローバル人材の素養をもった生徒の早期確保といった意味合いと、2020年からの英語教科化の影響があると思われます。

②2020年大学入試改革を踏まえ、国算理社の教科の枠にとらわれない新傾向の入試方式を導入する学校が増加しています。

なかでも思考力・表現力を問うような公立中高一貫校で実施している適性検査型の試験を採用している学校が増加しています。昨年、大学入試センターが実施した大学入学共通テスト(新テスト)の試行調査問題を見ても、求められている能力にかなり共通したものがあるので、大学入試改革を意識していたものと思われます。

③入試方式の多様化の流れとして、算数1教科入試も増加しています(算数が得意な子は有利ではあるが、問われている内容や問い方で国語力を求めているので注意が必要)。得意科目を活かした入試を実施する意図として、自分の得意な面を評価されて入学できるという「自己肯定感」を高めることで学力を伸ばすことができるという、学校側の実体験に基づくものと思われます。

④海外入試実施校、学校説明会・帰国枠入試実施校の増加。選択肢が増える一方で、シンガポールの海外生にとって、また、自分の子どもの学習歴、海外歴を踏まえて、本当に合う学校かどうか、受け入れ体制は整っているかはきちんと見極める必要があります。

【高校受験】

①2020年大学入試改革の見通しや対策が立てにくいこと、また、首都圏の大学の定員枠の厳格化に伴う、人気私立大の難化傾向が拍車をかけ、進学校を敬遠し大学受験がない大学附属校人気がより高まっています。

②早稲田渋谷シンガポール校の入試における「英語外部試験利用入試」(TOEFL iBTで72以上、IELTS5.5以上、英検準1級以上などの基準に満たした場合は、英語を100点とする)をはじめとする英語外部試験の活用が国内でも広がりつつあるります。海外生に対してはもちろんのこと、国内生にも求める英語力の基準が国際標準となりつつあると言えるでしょう。インター生をはじめとする高い4技能型英語力をもった生徒にとっては、受験英語特有の対策をする必要がなくなり、受験の負担が減りました。

③同志社国際の難化(継続)が見られます。英語は問題文も含めて全て英文で出題。英語資格を取れる力を長期的につけていく必要があります。

④(特にインター校生は)ICUをはじめとする人気校では、学校の成績がかなり重視されています。受験勉強だけに特化するのではなく、学校の勉強との効果的な両立を図る努力が必要です。

⑤Writingを課す学校が増加しています。受験英語ではなく、本当の意味での英語力の高い子は、より安定した結果を出しています。TOEFL、TOEIC、英検準1級は小手先の対策だけでは厳しいと言えるでしょう。

⑥海外入試実施校、学校説明会・帰国枠入試実施校が増加しています。選択肢が増える一方で、シンガポールの海外生にとって、また、自分の子どもの学習歴、海外歴を踏まえて、本当に合う学校かどうか、受け入れ体制は整っているかはきちんと見極める必要があるでしょう。

【中高編入】

編入については、募集数も極めて少なく、方式も各校ごとに大きく異なるため、傾向分析の意味はあまりないと言えます。編入試験は入試とは異なり、その学校に途中から編入してついていけるかどうかを試す試験です。学校が学内生にも求めているレベルの学力が必要であることには変わりがありません。

【大学受験】

帰国生入試、AO入試の比率を上げる大学・学部がかなり増えています。また、ICUや早稲田大学国際教養学部をはじめとした従来の国際教養系学部に加えて、慶應義塾大経済PEARL、上智大総合グローバル、法政大GIS、立教大GLAPなどの、新しい取り組みをしている大学・学部の人気が高まっています。インター校で身につけた英語力とスタディスキルを、帰国後もさらに伸ばしながら英語を使って専門性を高められる研究環境を選択する傾向が強まっています。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

いずれの試験においても、上記の傾向がますます強くなると思われます。具体的には、①4技能型英語力を重視した試験内容・方式、②2020年の大学入試改革に向けて、単なる知識や技能だけではなく、論理的思考力・判断力・表現力や、主体性・多様性・協働性を測る視点での入試方式や出題形式になっていくと思われます。

したがって、定型パターンの演習のような小手先のテクニックや準備ではなく、より本質を突いた勉強のスキルを身につける必要です。

入試種別ごとの準備については、海外生はこれまでの学習歴や帰国時期、場所、所属している学校の種別(日本人学校かインター校か)、志望校などによって、準備の仕方は千差万別であるため、一概には言えません。「他の人がやっているから自分もやる」といった日本国内でありがちな発想を捨てることが肝要です。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

①シンガポールの恵まれた教育環境を正しく認識してアドバンテージにしましょう。

シンガポールの教育環境は、ある意味で日本の中高一貫校よりも貴重であることを認識してほしいと思います。長い人生を考えた時、多感な時期をシンガポールで生活できることは、ますますグローバル化が進展する時代において、人生最大のアドバンテージになります。そもそも志望校合格が人生のゴールではありません。近年はシンガポール在住期間が短くなっている傾向があるからこそ、シンガポールでの貴重な学習環境や経験を濃密にするにはどうすればよいかという発想が必要です。

⇒「帰国枠資格が使えるうちに帰国して受験」という発想ではなく、「シンガポールにいることをどう活かすか」という発想への転換をしてほしいです。

その前提で、シンガポールの環境を活かしつつ、英語学習と両立できるレベルで「どうなっても大丈夫」なように受験準備をしておきましょう。豊かな海外体験がそのまま面接・作文対策にもつながります。

シンガポールの学習環境をより活かした受験準備が可能になっています。

②偏差値やブランド、保護者の経験、価値観のみで学校選びをすると失敗するので注意しましょう。

国内生とは異なり、多様なバックグラウンドや特性を持つ海外生にとって「良い学校」は個々の生徒によって異なります。

入学後の「伸びしろ」を意識した学校選びをしましょう。そのためにも、保護者は自分の子どもの特性を、他人と比較するのではなく客観的に冷静に見極めること、生徒自身も自分の特性を客観視することが必要です。その上で、シンガポールで身につけた経験や学力、英語力を更に伸ばしてくれる環境かどうか、という視点で学校選択をしてほしいと思います。

③入試制度における多様な入試方式の導入や、教育制度における評価の観点の変化により、従来の偏差値を基準とした学校の序列が崩壊します。産業界におけるパラダイムシフトに表れているように、グローバル化により必然的に教育界においても世界基準の学校評価軸が普及すると思われます。つまり、グローバル時代の教育に即応できる学校や教育を実践しているかどうかがこれからの学校評価軸となるでしょう。

④特に中学受験においては、何のために中学受験をするのか、なぜ中学受験をするのか、という問いにきちんと答えられることが大前提となります。そもそも中学受験は特殊な試験であることを踏まえて、曖昧な気持ち、覚悟で臨むことは子どもの可能性を狭めてしまうリスクがあることを正しく認識しましょう。

⑤高校受験での学校選びやシンガポールでの学校選び(日本人学校かインター校かの選択)は戦略的に選んでいきましょう。なりたい職業、行きたい学部に応じて考えましょう。

⑥学習法や学校選択の判断基準として、単に受験に有利か不利かといった視点ではなく、自分が本当にやりたいことを見つけ、その目標に向けて適切な準備、努力をしている生徒が進路でも成功しています。

そのためにも、子どもの性格、学習特性、興味や個性など、自分の子どもとしっかりと向き合い、理解することがまず第一です。

※ORBIT ACADEMIC CENTREに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

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これから受験をするお子さまと保護者の方へ
各学習塾からアドバイスをお聞きしました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
SAPIX国際教育センター

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【高校受験】

①最終的に、出願資格のために日本人学校に移る生徒は多いですが、年々、インター校や現地校を経験する生徒数が増加しています。

②ここ2年ほど、大学の定員厳格化や大学入試改革の流れを受け、附属校の人気が上昇しています。以前から高い人気があった早慶附属に加え、MARCHなども上昇しています。

帰国生入試の早期化、海外入試実施校の増加が見られます。ただし、負担も大きいので、受験するには塾の先生とよく相談してからが良いでしょう。また、中大附属高校が帰国生入試を新設しました。

③思考力を試す問題の増加。特に大学入試改革をにらみ、新しい問い方の設問が増えています。(例:2018年度開成中国語・2019年度開成高社会2問11など)

④WEB出願を実施する学校の増加。在外中の出願もしやすくなった半面、web故のトラブルも出ているようです。(例:別の学校の出願をしてしまった。など)

⑤その他、学芸大学附属高校の入学手続き日の変更がありました。(昨年は3/2まで、今年は2/21まで)

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【高校受験】英語資格試験を利用する高校が増加しています。東京都立校が、2022年の入試から、英語のスピーキングテストを導入することを発表しており、他道府県や私立高校にも波及する可能性があります。また、公立高校(都立・県立)を志望する海外生・帰国生が増加しているようです。

大学入試改革は、「AI時代に活躍できる人材の育成」という理念が根底にあり、これまでのように知識や技能を身につけることだけにとらわれているとついていけなくなります。海外生・帰国生の場合は、現地滞在中にしか出来ない経験を数多く積むこと、多様な価値観を理解し、受け入れることを心がけてほしいと思います。また、英語については、試験科目や出願資格になることも多いため、資格試験の級やスコアにのみ目が行きがちになりますが、エッセイや面接においては、ツールとしての英語以上に、一般常識や文化的背景についての理解を得ていることも重要です。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【高校受験】海外において理科や社会の学習は大変かと思いますが、 一般常識も多いことや、他科目の学習にも役に立つ知識の習得も出来ますので、低学年のうちは理社も含めた5科目の学習を継続しましょう。学校教科書を読むだけでも違います。現地滞在中に、「現地でしか出来ない経験や体験」を多く積んでおきましょう。近年、英検やTOEFLなどを活用した入試が、高校入試にも導入されつつあります。出来るだけ高い級やスコアがとれるように、英語にも力を入れ、滞在中も定期的に検定を受検しておくとよいでしょう。

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
SAPIX小学部

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】帰国生募集校の増加、受験日の前倒し(12月実施)、海外出張入試の増加、人気校・不人気校の格差拡大、人気校での英語の難化

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【中学受験】前問の傾向がさらに進むと思われます。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】情報収集が重要です。また、学習面では、まずは一般受験も意識して4科目をしっかり学習しましょう。英語の学習をする際は、特に人気校では英検準1級が最低ラインと考えてください。

 

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
駿台国際教育センター

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【中学・高校受験、中学・高校編入、大学受験】どんな入試方法でも対応できるように、国・算/数・英の基礎学力はつけておきましょう。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】海外での経験を作文・面接では問われるので滞在国(海外)でしかできない貴重な体験を多くするようにしてほしいと思います。

【高校受験】志望校は、必ず本人に決定されるべきです。最終的に通うのは生徒本人なので、納得して試験に挑み、納得して進学できると思います。帰国生入試とは言っても一般の3科目と変わらない入試が多いので、一般入試のレベルまで対応できる学力をつけましょう。

【中学・高校編入】日本に帰国する時に、私立に編入するか公立に転校するかは家族でしっかり話し合ってきた方が良いでしょう。時期によっては中学・高校の方が志望する進学先に行きやすい可能性もあります。

 

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
駿台シンガポール校

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【中学受験】受験回数を増やすなど、新設の入試を行うところが出てきているので、情報収集を早めにしましょう。

【高校受験】附属高人気が高まり、特に慶應系は人気があります。慶應志木、慶應義塾などの志望者は、かなりの難関となることを意識する必要があるでしょう。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】日本の大手塾は、かなり生徒に勉強をさせるのに対し、海外の生徒は、まだそこまでの意識が弱いと言えます。人数が少ないことが大きな要因ですが、実際の入試会場に行って雰囲気にのまれてしまうことが多々あります。帰国枠入試の合格だけで十分な家庭なら問題ないですが、2月1日以降の一般入試を本命にしているご家庭は、受験雑誌や、模試の成績などをよく見て、客観的に合格できるかどうかを判断することが大切です。また、帰国枠入試でよくある作文の練習や、公立中高一貫校受験については、早めに対策を行わないと、必ず失敗するので、要注意です。小学生の場合、親が一生懸命になり、子供に過度なストレスを与えることが多いため、親は、一歩ひいて見守ることが必要です。

【高校受験】大学入試改革の影響なのか、附属高人気が一段と高まっています。特に都立高校などは人気がなくなっているので、国立大学進学をめざす生徒は、公立を中心とした受験校選択にすると合格しやすいです。また、高校受験の帰国枠入試は、11月ごろから開始し、公立高校の入試が3月までかかることから、生徒によって、入試期間がばらつき、時期によって生徒個々のモチベーションが異なります。他人に流されないように、早めに志望校を決定し、逆算してスケジュールを立てていくことが大切です。

※駿台シンガポール校に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
WAOシンガポール

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】「偏差値」を過度に意識せず、「過去問演習」等で受験校の傾向をつかみましょう。6年生は特にストレスを溜めやすいので、上手にリラックスさせることも大切です。面接は内容を暗記するのではなく、自然に会話ができるようにすることを心がけてください。

【高校受験】「偏差値」を過度に意識せず、「過去問演習」等で受験校の傾向をつかみましょう。また、シンガポールで受けられる学校の受験を検討しましょう。5教科受験の生徒は、3教科受験の生徒に流されないように留意してください。

【中学・高校編入】本帰国の「可能性」を感じたら、情報収集をすぐに始めましょう。できるだけ早く編入対策を始めることが大切です。学年が上になればなるほど、難関校への編入は難しくなることを覚えておきましょう。

【大学受験】インター校生は、大学受験(日本・海外)に備え、TOEFLなどを複数回受験し良いスコアが出せるようにすることが必要です。早稲渋生は、内部推薦/指定校推薦だけでなく、他の入試の可能性も考えましょう。早稲渋生で日本の大学をAO入試、一般入試で受ける場合は、早めに計画を立てて学習しましょう。

※WAOシンガポールに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
早稲田アカデミー国際部

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】

①日本人学校生・インター校生・現地校生の受験生については、前年度と比べ微増と思われます。

②人気校志向が例年以上に高まりました。特に、帰国枠主要校においては受験者数が数10%増加しました。※海城中については、聖光学院中との入試日の重複が解消されたことでダブル出願する受験生が目立ちました。また、渋谷幕張や渋谷渋谷、洗足学園の英語受験は前年に続き増加しています。

③入試問題では、特に国語や作文において、和歌や四字熟語の知識を問う問題が海城や渋渋などで出題されました。帰国受験生の国語への興味関心を見ていると思われます。

④WEB出願の学校が増えています。来年以降も増加が予想されます。

【高校受験】

①私立の附属校(早慶だけでなくMARCHやICUなど)の人気が高く、そして志望校に入れている生徒が多くいました。

②入試傾向についてはまだ分析中ですが、今のところ大きな変化は確認できていません。

③WEB出願の学校が増えています。来年以降も増加が予想されます。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【中学受験】

人気校を英語受験する場合、算数・国語の比重がさらに高まることが予想されます。海外滞在時から算数・国語の学習を重点的に行っておくと良いでしょう。一方4教科受験をする場合は理科社会を非受験学年から計画的に学習する必要があります。

【高校受験】

帰国入試において、あえて5教科(難関国公立)を選択する生徒が増加傾向にあります。帰国生だから3科目で良いと言う安易な考えをすると、選択肢が狭まり結果として消去法で受験校が決まってしまう可能性が高いです。非受験学年ほど、理社の学習から逃げないことがポイントです。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】

①無い物ねだりにならないようにしてください。日本人学校生であれば英語コンプレックスから脱却を、そして現地校・インター校生であれば、英語に固執するのではなく苦手科目をいかに克服するかで結果が変わります。

②とにかく海外経験が問われます。言語やその土地の人々がいかにフレンドリーだったかを語るのではなく、多言語・多文化の中でいかに自分が珍しい経験をしたことがあり、そこからどう成長したかを語れるようになってください。

【高校受験】

①中学受験と同様です。そして中3の夏あたりに第一志望の学校が決まる時期になるので、それまでに3科ならば3科で、5科ならば5科の総合で大きく足を引っ張る科目を無くすように努めてください。

②中学受験と同じく海外経験が問われます。

③まずは進学校なのか附属校なのかを考え、そして自分の進みたい進路が文系なのか理系なのかを吟味して、理想の職業を考えてください。もちろん偏差値や学校のブランド力も大事ですが、帰国入試においてほとんどの学校で面接が実施されるため、志望動機や将来の夢が後々大切な要素になってきます。したがって上記の選び方が良いと思います。

④マイナスの感情に支配されそうになった時こそ、将来の夢を考えてください。何になりたいのか、どんなことを成し遂げたいのか、自分の理想像はどんな人か。必然的にワクワクできそうなことを考えて、プラスの感情にシフトしていきましょう。

⑤学校ごとに出題傾向が違うのでしっかりと学校に問い合わせをして、対策を立ててください。

 

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
早稲田アカデミーシンガポール

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】

<オーチャード校より>
中学受験において、特定の人気校に受験者が集中した印象があります。「共学校で、英語の授業が充実し、ICT導入に意欲的で、通学できる範囲で…」と条件を重ねると、自ずと学校が絞られるため、そうした人気校では競争率が5倍以上になります。学校選びは多様化しているように見えますが、実は同じ情報にアクセスしているため、受験生の志望校選択は集中しやすくなっているのではないかと思います。

<インター校より>
・広尾学園、三田国際、かえつ有明の3校の話を伺うケースが格段に増えました。

・市川学園の帰国入試(国算英英の4科目)で、国語の傾向が一般入試と同じになりました。

・インターネットからの出願が相当数増えたのを感じます。

・難易度の高い学校を中心に受験校を選び、その結果によって難易度の低い学校を志望校に入れる流れが目立ちました。途中で戦略を変えず、一貫した志望校選定があることが望ましいことは言うまでもありませんが、家庭の意識を考えると「あるレベルの学校でなければ、日本で進学させない」、つまり、日本に帰る価値のある学校かどうかという考えが働いていると感じます。私たちの生徒がインター校/現地校に限定されているためかもしれませんが、「海外のインター校同等の教育水準、自由度、将来性があるかという点」で日本の学校と比較しているのではないでしょうか。

【高校受験】

<ウエスト校より>
帰国生入試を実施する学校が増加しています。
それ以外で言えば、早稲田渋谷シンガポール校に於いて、英語外部試験を本試の代用にすることが挙げられます。これは来る2020年度大学入試変革を見据えたものと考えられます。英語能力の価値観の変化が、より一層、顕著となっています。

<インター校より>
高校入試で合格しても進学せず、シンガポールのインター校に通い続けるご家庭のケースがありました。受験生・保護者の意識の変化を裏付けていると思います。

【中学・高校編入】

<インター校より>
今年は初めて東京学芸大学附属国際中等教育学校の編入試験を担当しましたが、試験以外の要素が大きく反映されると感じました。試験は外国語作文、基礎日本語作文、面接なのですが、外国語作文85点、基礎日本語作文15点という配点に対して、書類審査が100点、当日の面接(ディスカッション)が50点と、これまでのバックグラウンドや本人の資質が強く影響すると感じました。合格したのは、高校1年生までに日本の学校を体験したことのない、海外生活16年の生徒さんでした。やはり帰国受験は偏差値だけではないという思いを強くしました。

【大学受験】

<ウエスト校より>
帰国枠入試などに於いては、特に変更は無いと言えるでしょう。しかしながら、高校受験同様、英語能力の価値観の変化は否めません。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【中学受験】

<オーチャード校より>
引き続き、帰国生を求める学校は増加すると思います。なぜなら2020年の入試変化を踏まえると、帰国入試で求められている表現力はその後も必要な能力だからです。一方で、帰国生増加や、学力を維持しやすい各種海外での教育サービス充実は、入試難易度の上昇を招きます。今後の帰国入試は「海外に住んでただけでパスできる入試」というものから、より子ども本人の「学びたい」という意欲・可能性を見る方向へ変化していくと考えています。

<インター校より>
帰国枠入試の拡大、入試形式の多様化、帰国生認定の条件が緩和されるという3点が傾向として見えていますので、海外から受験するチャンスは増えていると思います。その一方で、変わらない価値を大切にすることが必要だと考えます。学校もブランディングを含む戦略の上で帰国枠を行っているわけですが、中学受験は合格がゴールではありません。つまり、そこで最低6年、大学付属校なら10年学ぶわけですから、その子供の将来のために何が必要かという1点が最重要だと思います。準備、心構えとしては、「基本となる国算の力をしっかり鍛えることがまず先で、英語・作文・面接などはその先にあるものです」ということをご家庭には繰り返し伝えています。海外生は英語力を過信しがちですが、英語だけ取ればもっとできる生徒さんも世界にはいます。しかし、丁寧に国算を積み上げられる環境がある国はそうはないはずです。

【高校受験】

<ウエスト校より>
先行きが見えない2020年度大学入試変革に関して、国内外も含め、生徒及び保護者の方々に不安感がある。その証左として、大学附属の高等学校の志願者が増加傾向にあった。それ故、それらの高等学校の難易度が上昇している。この傾向は、2020年度も継続するのではないでしょうか。また、公立高校に於いても、記述問題が増加する等、難易度が上昇している。受験生としては、自らの方向性を明白にし、早期の取り組みが肝要でしょう。

<インター校より>
私立高校で高校入試を廃止する流れが広がるのではないかと感じています。そうすると理科・社会を含む5科目型の入試はインター生/現地校生にとってはなかなか厳しいものがありますので、中学入試か大学入試に傾いていくのではないかと考えています。ただし、日本人学校に通っている方は充分な理科・社会の授業を受けられていますので、選択肢としてはさほど狭くならないと思います。

【中学・高校編入】

<インター校より>
試験で実力を発揮することはもちろんですが、その前に「学校の成績と、面接での日本語力、特に論理性をもって自分の意見を語れるか」がポイントです。編入試験は孤独です。他の生徒が試験勉強をしていない中で自分の進路のために頑張らなくてはいけないため、学校のアドミッションポリシーを丁寧に調べ、子供を励ますというご家庭でのバックアップが他の試験を比べてもより重要になります。

<ウエスト校より>
編入入試に於いては、各学校で試験科目、日程等、様々である。従来と変化は無いと思われますが、早期の情報収集が不可欠でしょう。

【大学受験】

<ウエスト校>
2019年度の入試は、文系学部の志願者が増加傾向にあり、理系学部においても、工学系の学部が人気となっています。しかし、医療系学部及び難易度の高いとされる大学は、厳しい入試となっているせいか、敬遠される傾向にあります。2020年度に於ける大学入試センター試験の廃止に向け、英語能力に関する試験の動向が注目されているが、スピーキングの試験を実施する大学も出てきています。

文科系、理科系、共通して英語能力が必須である故、動向に注意しなければなりません。その為にも、外部試験と云われる試験を、受検しておく必要性があります。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】

<オーチャード校より>
これからの入試は変わる、ということを声高に訴える人もいますが、論理的な思考や友人とのディスカッションなどによる教育は、伝統校においても行われていました。現在の入試問題を実際に解いてみれば、暗記することを良しとする出題はトップ校には出ていないと気づくはずです。他の人がまとめた情報ばかりを求めるのではなく、ダイレクトに入試問題を読んでみると、様々な発見があると思います。

また現代では、わが子の教育を考えようと少し調べ物をするだけで、あっと言う間に情報の洪水に溺れる方も多いと思います。情報も確かに大切ですが、教育の根源は「一対一の対話」です。だからこそ、お子さまとの対話だけはぜひ丁寧に行っていただければと思います。拙い表現に感じる部分もあるかもしれませんが、ぜひ一言一言を受け止めて、良い言葉を返してください。お子さまはそれに応じた成長をされるはずです。

<インター校より>
現地校/インター校生へ
「基本となる国算の力をしっかり鍛えること」「小3からちゃんと準備を始めること」「テストを積極的に受けること」「地道さは苦痛ではなく美徳であること」という4点です。自己肯定感の高さが特にインター校生の美点ですが、その一方で入試は「時間内のパフォーマンス」が求められるため、「やるべきことを、その時に、きっちりとこなす」という訓練が必須です。英語での学びと日本語での学びを両立させるスイッチヒッターになるためには、練習量が日本の生徒より必要であるという認識をご家庭の方が持つことが大切かと思います。そして、塾での学びはご家庭が思っているよりも、本人にとっては楽しいものです。

【高校受験】

<ウエスト校より>
高校受験に於いては、生徒本人に因る割合が8割、保護者の方が2割と言うところでしょう。

多くの部分は生徒自身に任せ、それを補うのが保護者の方の役割と考えています。志望校選択に関しては、本人の意思を尊重し、保護者の方としては、相談に乗ると云う姿勢で、受験期を乗り切ることが出来れば、良い結果に繋がるのではと考えられます。

<インター校より>
日本に帰らないかもしれないため、志望校選定が遅れるというのがインター校生/現地校生の共通の悩みだと感じます。まずは、シンガポールで行われる学校説明会や受験セミナーに参加して、情報を得るのが第一です。そして、①日本に帰る場合②シンガポールに残る場合③大学受験をどうするかという3パターンに分けて、それぞれの方針を書き出しておくとよいでしょう。高校受験の場合は、特に準備を早くすることで有利に働きますし、インター生/現地校生は周りの生徒が受験をしないため、本人の意識の持ちようが日々の学びを変えます。

【中学・高校編入】

<ウエスト校より>
編入試験に関しては、保護者同伴の面接を実施する学校がある等、保護者の方に因るところが大きいと言えます。各学校によって、実施時期、試験形態も異なる故、早期の情報収集をすることが肝要です。

<インター校より>
一時帰国する時などに、学校側にアポイントメントを取って、足を運んでみることをお勧めします。先輩たちの姿を子供が実際に見ることで、志望校としてイメージできるようになるからです。また、私立の編入は学習進度が日本の公立小・中と異なり進んでいるのが一般的ですから、特に中学生の数学では「一学年上くらいの内容」を進めるイメージを持つとよいかと思います。早めに塾に入るというのは、この進度に対応するということでもあります。

【大学受験】

<ウエスト校より>
大学受験に於いては、生徒本人に因るところが殆どです。一般入試を志すのであれば、国内の受験生同様、夏休み前までには、履修範囲を終了させ、夏休みには演習、それ以降は模試等を利用した実践演習を積むと言う流れです。帰国入試、AO入試などは、試験形態がさまざまなゆえ、情報を入手し、それ相応の対策を入念にするのが肝要でしょう。

※早稲田アカデミーシンガポールに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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これから受験をするお子さまと保護者の方へ
各学習塾からアドバイスをお聞きしました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
早稲田アカデミー台北校

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【中学受験】帰国生徒の増加が見受けられ、海外から帰国受験する生徒も増加しているようでした。英語入試の活発化も顕著でした。

【高校受験】大学付属校人気に対し、国公立は人気がなかったようです。

Q.新しい年度での受験では、どのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【高校受験】大学入試改革が落ち着くまでは、附属校人気が続くでしょう。

Q.これから受験をするお子様と保護者の肩に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【中学受験】海外で生活することを利点として考えましょう。日本に遜色ない学習環境があるところが多いので、あとは保護者ご本人のやる気次第です。

【高校受験】海外滞在は、可能性の広がりと言えます。公立自校作成のような問題(資料の読み取り・整理、情報の活用問題、作文問題など)が増える可能性があるでしょう。
受験情報や学習内容については「日本で得られて、海外で得られない情報はない」レベルになってると思います。逆に、語学学習や海外の人たちとの交流や海外体験については、当然日本以上のものが得られると思います。つまり、「海外生活=日本以上の教育環境」になりつつあると感じています。それを理解し、海外生活を完全なプラスにとらえられるかが、ポイントだと思います。

※早稲田アカデミー台北校に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
代々木ゼミナール国際教育センター

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

【大学受験】出願資格として、英語能力試験(TOEFLなど)の成績を求める大学が増えました。

IB入試を実施する大学が増えました。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

【大学受験】英語能力試験を活用した入試がますます増えることが予想されます。TOEFLやIELTSのスコアアップに努めてください。入試情報の収集もますます重要となっています。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

【大学受験】帰国生入試小論文では、「あなたの海外経験を踏まえて自分の意見を述べてください」という問われ方が多い傾向にあります。日々の経験を充実させること、その経験に基づいて考える習慣を付けることが、帰国後、小論文を書く上での財産になります。

 

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