グローバル化の波が押し寄せる現代。世界で活躍できる人材を育てるために、日本の中等教育のあり方も大きく変わろうとしています。日本が世界から取り残されないよう、次世代の教育に奮闘する各校の取り組みや独自のプログラムを、現場からシリーズでご紹介します。

文化学園大学杉並中学・高等学校は、東京都杉並区にある女子中学・高等学校で1974年に文化女子大学（現文化学園大学）の附属校として開校しました。「燃えよ！価値あるものに」をスクールモットーに、学業だけでなく部活動も非常に盛んで、関東大会やインターハイ出場の常連校になっています。
他大学への進学サポートが充実しており、2015年4月に開設した「ダブルディプロマコース」では、日本初のカナダ・ブリティッシュコロンビア（BC）州の海外校として真のグローバル教育を提供し、現在は第一期生14名（約半数が帰国生または両親のいずれかが外国籍）が学んでいます。

輝き続ける女性に

松谷 茂 校長

20年後には、現在ある職業の約半数は人工知能が代行したり、職業そのものがなくなったりすると言われています。大きく変化していく時代に、中心となって世界を動かしているのはきっと現在の中学生、高校生たちです。本校は東京・杉並にありながら、遠く海外の授業が受けられる「海外校」となりました。真のグローバル教育による〝感動体験〟を通して、変化の時代にも「輝き続ける女性」として巣立っていく皆さんを、全力でサポートします。

BC州　認定校とは

カナダ・ブリティッシュコロンビア（BC）州政府が認めた海外校のことで、同校が国内初の認定校となりました。同校では、BC州が認可した教員が、現地と同じカリキュラムで人文および理数系科目の授業を英語で行います。BC州はOECDの国際的な学習到達度調査（PISA）で、読解力・理数系ともに例年世界トップ10に入り、世界的にも高い教育水準で知られています。

日本と海外、両方の大学進学を視野に

今年4月にスタートした「ダブルディプロマコース」は、全く新しい国際教育プログラムで、日本のカリキュラムと同時に、カナダのネイティブ教師による授業が行われます。BC州統一の進級テストと普段の授業両方の成績で進級や卒業が決まり、卒業時には、日本と海外の両方の高校卒業資格（ダブルディプロマ）を取得することが可能です。
カナダをはじめ米・英・豪など英語圏の全ての大学に出願することができ、加えて日本の高校資格も与えられるため、特別枠での国内大学進学も可能です。このプログラムを通して、日本語での学力を積みながらも社会で求められる思考力や創造性を英語でも養い、世界で活躍できる国際的な女性を育みます。2016年には、募集を40名に拡大の予定です。

ダブルディプロマコースカリキュラム

このプログラムは、海外大学および日本での進学を共に目指すコースで、学年が上がるにつれ英語による比重が高まります。どの教科でも英語によるプレゼンテーションワークやグループワークなど欧米型の指導法や学習方法を取り入れています。

• 「TT」はカナダと日本の両教員が行うチームティーチングのこと。チーム授業は週に9コマ。双方の教育課程をすり合わせながら指導案を作成します。
• 「Language Art10～12」では、言語の6技能（話す、聞く、書く、読む、鑑賞する、発表する）を鍛え、海外の大学に進学できるレベルの英語力を養います。
• 高校3年の授業「Graduation Transitions」は、出願する大学の選択肢を増やし、志望理由書を書くなど「進路指導」中心の授業。生徒が卒業後の将来に向けた最善の選択をできるように支援をします。
• 電子教科書使用のためノートパソコンを1台ずつ持ち、家庭でも予習・復習に利用しています。

在学中に多彩な海外経験

★ 短期留学（1年次5週間）
高校1年の夏休みには、全員がBC州で5週間の短期留学を体験。単位取得やホームステイを通してBC州への理解を深め、「地球市民」としての視野を広げます。
★ 高校2年生では、パリ・ローマへの修学旅行。ルーブル美術館、コロッセオなど憧れの地を巡り、世界の芸術に触れる貴重な体験を通し、広く教養を身につけます。

SCHOOL DATA

住所: 〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南3-48-16
TEL: 03-3392-6636
E-mail: info@bunsugi.ed.jp
ホームページ:http://bunsugi.jp