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アトピー性皮膚炎 について

2013.06.02

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日本メディカルケアー 吉國 晋 医師
「アトピー性皮膚炎 について教えてください」

 アトピー性皮膚炎は、肘や膝の裏側、首や手首などにかゆみを伴う 湿疹が慢性的かつ反復して生じる病気です。もともと花粉症や喘息な どを多発する家系に生まれた人(いわゆるアトピー体質の人)に多く あらわれる慢性皮膚疾患として名づけられましたが、最近は遺伝と関 係なく発症する人が増えてます。 今回は、子どものアトピー性皮膚炎についてご説明します。

〈子どもの皮膚の4つの特徴〉

  • 皮膚が薄く、皮膚のバリア機能が未熟である。
  • 赤ちゃんの毛穴や汗孔の数は大人と同じだけあるため、汗をかきや すい。
  • 角層水分量が少ないため、赤ちゃんの肌はうるおい成分が少なく、 乾燥しやすい。
  • 皮脂分泌量は生後 1 ~ 2 ヶ月は多いが、生後 3 ヶ月頃から急速に 低下し、小児期以降は少なくなる。

 アトピー性皮膚炎の原因は、下の図のように大きく3つに分けられ ます。 アトピー性皮膚炎患者の表皮のバリア機能は失われやすく(皮膚バ リア障害)、角質内に存在する天然保湿因子やセラミドの減少により 水分が蒸発しやすいため、乾燥肌になります。皮膚のバリア機能が低 下すると、ダニや花粉などのアレルゲンや刺激物が皮膚から侵入して アレルギー反応などの免疫機能障害が起きます。アレルギー反応によ りヒスタミンなどの炎症物質が放出されると、かゆみが生じます。か ゆくて皮膚をひっかくと、組織が傷ついて皮膚の炎症がひどくなり、 さらにかゆくなるという悪循環(かゆみ―かくサイクル itch-scratch cycle)が起こります。


また、アトピー性皮膚炎の人の皮膚の表面には黄色ブドウ球菌が常 在するため、とびひや水イボなどの皮膚感染症にかかりやすく、アレ ルギー反応も悪化しやすくなります。 

【アトピー性皮膚炎の原因別対策法】

◎皮膚バリア障害には、皮膚の洗浄や保湿剤によるスキンケアを おこなう。

◎免疫機能障害には、ダニなどの誘因を避け、ステロイド外用剤 などの抗炎症療法をおこなう。

◎かゆみーかくサイクルには、抗ヒスタミン薬の内服や Tubifast 着用などで、かきむしりを防ぐ。 

〈アトピー性皮膚炎のスキンケア法〉

 汗をかいた後は、小まめにシャワーで汚れや汗を落としましょう。 洗浄剤をよく泡立てタオルや手のひらで優しく洗い、洗浄剤が残らな いように十分すすぐことが大切です。アトピー性皮膚炎の人の肌は敏 感で、石けん成分自体が刺激になるため、石けん成分の入っていない 素肌と同じ弱酸性の洗浄剤をおすすめします。入浴後は乾燥しやすい ので保湿剤などは入浴後 5 分以内にできるだけ早く塗るようにしま しょう。シンガポールにはセラミドやシェアバターなどを含んださま ざまな保湿剤があります。

〈ステロイド外用薬の使用法〉

 ステロイド薬の吸収率は体の部位によって異なります。頭・顔・頸・ 腋下・陰嚢は吸収がよく副作用が出やすいため、弱いステロイド薬を 使いましょう。手のひらや足首、足の裏はあまり吸収しないため、強 いステロイド薬も使用可能です。

 ステロイド外用薬を塗ると3~4日で赤みやかゆみは治まりますが、 指でつまんで硬い皮膚は、ステロイド薬を止めるとかゆくなるので、 柔らかくなるまで毎日塗り続けましょう。症状が改善した後もステロ イド薬をすぐに中止するよりも、ステロイド薬を塗る日を 1 日おきに し(保湿剤は毎日塗る)、さらに良くなったら 2 日おきにとゆっくり減 らす方が再発しにくいです。また再発予防のために週 2 日ステロイド 薬を塗っても大丈夫です。

 

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