学校・幼稚園コラム
第8回 小学校のクラブ活動

シンガポール教育省は、3年生以上の児童にはCo-curricular Activities(CCA)と呼ばれるクラブ活動に積極的に参加するよう推奨しています。活動の内容は、サッカー、陸上、フロアーボール、バドミントン、ネットボール、体操、武術などのスポーツから、ITクラブ、チェスクラブ、ロボティクスや算数などの理系、アート、ダンス、アンクラン、ブラスバンドなどの芸術・音楽まで多岐にわたります。

CCAは週に1~3回の活動が放課後に行われており、二つ以上の活動に参加する児童もいます。ダンスなどのパフォーマンスでは、年に1回シンガポールユースフェスティバル(SYF)という発表会があるなど、本格的な取り組みです。

CCAは、日本の小学校のクラブ活動とは少し違う側面を持っています。スポーツやダンスなどの分野において優秀な成績を残すと、中学入学の際にPSLE(小学校卒業試験)の成績だけでなくCCAでの活動記録をもとに、一芸入試で進学することができます。この制度はDirectSchool Admission(DSA)と呼ばれ、DSAを実施する中学校で、7月~8月に書類審査、面接や実技試験などを受験します。中学校によって、DSAの人数枠や、枠があるCCAの種類などは異なります。DSA受験を目指す児童の保護者は過去の大会記録やアートの作品、パフォーマンスのDVDなどを正式にまとめた「ポートフォリオ」と呼ばれる書類一式を6年生の前半までに作成し、この一芸入試に臨みます。

中学に入ってからもCCAの参加は重視され、活動の記録は成績表にも記されてその後の進学に役割を果たしていくのです。

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