学校・幼稚園コラム
第11回 小学生の「過去問」とは

シンガポールの公立学校では5月が学期末のため期末試験を終え、6月は約1ヵ月間のスクールホリデーでした。この時期シンガポール全土では子ども向けのイベントが多く開催され、平日でもたくさんの子どもを町中で見かけることがあり、不思議に思われていた方もいらしたことでしょう。

日本では中間試験や期末試験と言えば、中学生以上のお子さまですが、シンガポールでは小学校2年生の最後の学期(9~11月)から定期試験があります。また、「過去問」といえば、日本では受験をするための準備というイメージですが、こちらでは小学校から通常の学校の試験対策に使われています。

シンガポール内の書店や、ショッピングアーケードには、 コピーの過去問集が所狭しと売られています。これはCA1、SA1、CA2、SA2※と呼ばれる中間・期末試験の過去問で、当地の有名校の前年度の試験問題などです。この試験結果は次の学期や学年での能力別クラスや将来の進路にも影響してくるため、試験期間は子どものみならず、親たちも大きなストレスを抱えています。

シンガポール教育省は小学生から過度なストレスを与えるこのような教育の在り方を変えるべく、カリキュラムやシラバスの改革、小学校卒業試験(PSLE)の判定方法の改革などを進めています。しかしながら、親たちのマインドセットを変えるにはまだまだ時間がかかりそうで、8月の試験に向けてまた、準備に力が入ります。

※Continual Assessment、Semestral Assessmentの略

書店に並ぶ過去問

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