下剋上受験
― 両親は中卒
それでも娘は最難関中学を目指した!
---------------
著 者:桜井信一
出版社:産經新聞出版社
以前、同名のドラマが話題になりました。原作である同著は、より劇的なノンフィクションです。自らの過去と現在を強く受け止め、子どもの将来を真剣に考えたうえで中学受験を決意するところから始まります。
受験情報をとことん集め、「親塾」を覚悟しながら塾にも相談の電話をし、書店やネットで教材を入手したり、コピー機を購入したりと、著者は奔走します。更には願書の書き方に頭を悩ませ、ペンだこができては薬を処方してもらい、知り合いにヘルプを求め、学校を休ませてくれと直談判までしに行く、そんな父親の一連の姿は圧巻です。「親の受験」と言われる中学受験において、まさに親の本気がひしひしとリアルに伝わってきます。
父親主導の「親塾」にきちんと通い続けた著者の娘さんも、大変立派です。「うちの子、家では勉強しないんです」「私が言っても聞かなくて」「なかなかスイッチが入らなくて」といった中途半端さはなく、中学受験に本気で挑んだ父と娘の切実な姿勢と絆がそこにあります。
受験するべきか検討中の親御さん、ご自身が中学受験の経験がなく自信がない親御さん、「うちの子にはとても無理」と悩んでいる親御さんなど、ぜひお手にとってみてはいかがでしょうか。受験対策の知識だけでなく、学校選びや親子の心構えなど、きっと何らかの参考になると思います。
※過去の「お勧めの一冊」はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
https://spring-js.com/expert/expert02/book/