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企業からの声

NYK Group South Asia Pte Ltd 会長 三好邦彦 氏

2013.02.10

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グローバル時代を迎えた今、企業が求める人材、教育とは何でしょうか。企業の担当者に聞きました。

世界の船が通過する海のハブであるシンガポールにおいて御社の役割は大きいと思います。歴史と今後の成長戦略についてお聞かせください。

弊社は1885年に日本郵船会社として創業し、日本で最も古い歴史をもつ海運会社です。国際的な海上輸送事業を中心とした総合物流事業を展開し、港ごとに事務所を構えており、現在は全世界37カ国に5万人のスタッフがいます。

社名の通りもちろん船会社ですが、陸・海・空のグローバルネットワークを構築し、さまざまな物流ニーズに応えています。120年以上の歴史によって培われた技術やノウハウと、世界最大級の物流ネットワークを駆使することで、最適な輸送を実現し、多くの企業の成長を支える力となっています。

シンガポールに進出したのは1893年、今から100年以上前のことです。1920年に駐在事務所ができました。途中、戦争があり船も海軍にとられ事務所も閉鎖しましたが、1951年に再開し1983年に現地法人となりました。ローカルスタッフ(ナショナルスタッフ)も含め約1,000人のスタッフが在籍し、そのうち日本人が約1割です。

「More Than Shipping 2013~アジアの成長を世界へ繋ぐ~」を中期経営計画として掲げ、成長が見込めるアジアを舞台に「従来型の海運業プラスα」の戦略で共に成長する目標です。

世界経済において生産全般が新興国へシフトされているため、今やアジア諸国は日本と肩を並べる輸出国となりました。資源・エネルギーの輸入が急増し、多数の海運会社が各国に設立され輸送のサービスが画一化(コモディティー化)してしまいました。同時に、コンテナ船事業を中心に価格の低下が顕著となっています。

この状況から脱するために「付加価値戦略」を掲げています。付加価値の高い分野に極力集中する一方で、船での差別化が難しい部門は、ターミナル、通関、倉庫、配送など「船プラスα」のサービスを提供し、差別化を図る戦略です。

コンテナ船の本社機能をシンガポールに移されたとうかがいました。なぜシンガポールなのでしょうか。

弊社は2年前に東京・アメリカ・欧州にあったコンテナ船の本社機能をシンガポールに完全移行しました。コンテナの事業は衣類など消費材系を扱うことが多いため、買い付け先は日本よりも中国や東南アジアが中心となっています。日本のお客様はおよそ10%にすぎず、日本を軸にビジネスを拡大していくには限界を感じています。日本は地理的に極東ですので、一番端にあるということは、海運には不利なのです。

また、優秀な人材がシンガポールに集まっているのも大きな魅力の一つです。シンガポールは環境が良く、政治も安定していると感じます。海運には大変力を入れており、優遇措置を設けるなど誘致も積極的です。

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