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コラム

「抑えられないパッション」金子泰子さん / Ota Fine Arts ディレクター

2013.04.21

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~アートとの出会い~

草間彌生氏や新進気鋭のアーティストを紹介する、現代美術ギャラリー主宰の金子さんが語るアートとは

自分に限界はない

水玉や網模様のモチーフで著名なアーティスト草間彌生さんは、日本人のアーティストとして、ニューヨーク近代美術 やロンドンテートギャラリーでも国際的 に高く評価されています。まさに「アートは国境を超える」ことを証明しています。後ろを振り返らず、さらに良い作品を発表したいという思いには、群を抜いた強さを感じます。良い意味での「貪欲さ」、自分で限界を設けず常に上をめざして進む「エネルギーの強さ」は、アートに限らず、人が成長する上で誰もが見習いたい姿勢ではないでしょうか。

草間彌生「緑の星くず」2012年

抑えられないパッション

親や周りの大人がいくら反対してもどうし ても抑えられないパッションやエネルギーを お子さんが持っていたとしたら、私は陰なが ら応援したくなります。なぜなら、草間さん がまさにそういうタイプのアーティストだか らです。草間さんは、自らのパッションであ るアートについてどんなに家族に反対されても抑えることができず、ついにニューヨーク 行きを決心しました。才能を信じ続けること、諦めずに続けることは非常に忍耐が必要であり、いばらの道も覚悟しなければなりません。しかし「パッションを捨てなかったからこそ大成できる」と、草間さん自身の生き方が教えてくれます。幼い頃より描き始めた水玉模様が、今なお彼女のモチーフになっています。シンガポールに来て転校や環境の違いにより、なかなか本領を発揮できずにもがいているお子さんもいらっしゃるかもしれません。そんなお子さんにもぜひ、いろいろなアートの人となりと作品を知っていただき、心を元気にしてほしいと願っています。

竹川宣彰「セミの羽化と私500年」2008年

クリエイティビティとは

ギャラリーとして私が新進気鋭のアーティストを世に送り出すお手伝いをするときに重要視しているのは、「何かの真似ではない」「他の作家を連想させない」「独特の魅力・視点」があるかということです。アートと言っても、ただ美しく描くだけでは、それを鑑賞する人の 心にひびかない からです。竹川宣彰さんの作品を例にす る と、「セ ミ の 羽 化と私」という作 品で、蝉の時間 性と人間の暮らしを重ね合わせた歴史絵巻を 1 枚の絵の上に表現しました。 地中に眠るセミの幼虫が過ごす、7 年という 年月の積み重ねを通してたどった過去の歴史 が、その地に立つ人物へつながるような作品 です。目に見える世界と、見えない世界を自 分独自の視点で表すことは、アーティストだ けでなく、これから社会に出ていく若い人に もとても大切な視点でしょう。

画像提供:Ota Fine Arts

~アートとの出会い~

金子 泰子 Ota Fine Arts  ディレクター 早稲田大学卒。シンガポール経済開発庁が主導するモダンアートのハブ構想の一環として、ギルマン・バラックスにて草間彌生氏や新進気鋭の日本人アーティストなどを紹介する現代美術ギャラリー「Ota Fine Arts」を主宰。
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