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企業からの声

丸紅アセアン会社 シンガポール営業本部長 中山昌邦 氏

2014.03.25

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グローバル時代を迎えた今、企業が求める人材、教育とは何でしょうか。企業の担当者に聞きました。

世界の成長エンジン東南アジアは、御社のグローバルネットワークの中でも重要な地域と想像いたします。まずは御社の紹介をお願いします。

弊社は1858 年に創業し、1949 年に株式会社として設立されました。丸紅アセアン会社は、シンガポールが独立する前の1956年に丸紅株式会社のシンガポール支店という形で設立され、その3年後に現地法人化しました。2009 年より地域統括会社として、現在に至っています。

総合職の社員約4,500名のうち、およそ5分の1が海外に出向しています。そのうちアセアンには約200名の社員が配属されており、アメリカや中国、ヨーロッパと比べても現在はアセアンの駐在員の人数が一番多く、「最も熱い地域」といえます。シンガポールは、私が来た4年前は25名程度でしたが、現在は57名と倍以上になりました。今後も弊社におけるアジアの存在感はますます大きくなるでしょう。

総合商社として、どのような人材を求めていらっしゃいますか?

総合商社の事業内容は実に多岐にわたり、現在もビジネスのフィールドが増え続けているため、それらを支える人材が最大の資産です。売り上げの8割以上が海外と、比重が大きいので、「グローバルなフィールドで戦える熱い人材」を求めています。

具体的には、「自分をしっかり持っている人」のことだと言えるでしょう。日本にいて日本のことを聞かれることはありませんが、海外で日本のことを聞かれることは多いです。ですから、若いうちから日本のことをしっかり勉強してきちんと語れるようになることをおすすめします。日本を知ることは、自分を知ることにもつながります。自国のことをしっかり知った上で柔軟な姿勢で異文化に触れ、それを受け入れながらさらに交流を深めていくことが大切だと感じます。

仕事は決して画一的ではなく、時の経過とともにビジネスモデルが変わっていくものです。私が入社したころと現在を比べても、仕事の形態は大きく異なります。社員自身も変わり、その変化にも柔軟に対応できる「熱くて柔らかい」ことが必須です。 日本での新卒採用は、毎年100 ~ 120人くらいです。大学名や文系理系で線引きされるようなことはなく、あくまで人物重視です。業績によって採用数が増減した時もありましたが、今後は横ばい、もしくは増やしていきたいと考えています。

新卒で採用する際は、一定の英語力を求めています。近年は応募してくる学生の中にはTOEIC 900点などかなり英語力の高い人が多いようです。しかし、勘違いしていただきたくないのは、英語力がすべてというわけではなく、あくまでも手段にすぎないということです。まずは前述の通り、しっかりと日本を知り、きちんとした日本語を話すことが大切でしょう。正しい日本語が話せない人はきちんとした英語は話せないので、そこは間違えないでいただきたいです。

中国、ブラジル、トルコ、インド、南アフリカなど世界の新興国経済は、ぜい弱な通貨を背景に軟調な動きも垣間見えております。今後アジアの位置づけは御社にとってどのようになりますか。

世界経済や新興国経済の流れから見てもアジア重視と言えるでしょう。2015年に「アセアン経済共同体」が発足する予定ですが、これは関税がほぼ撤廃され、ものの行き来がよりスムーズになることを意味します。アセアン諸国の経済水準や生活水準も上がっていくので、いろいろな意味で大きなビジネスチャンスがあると言えましょう。

アセアンは人口6億人という一つの大規模な経済圏になります。成長マーケットとしても有望で、人々の生活がますます向上し中産階級の人が増えていきます。ビジネスチャンスとして一層重要になっていくことは間違いありません。新興国経済の中で調整局面が出てくる地域もあると思いますが、成長を続ける10の国々から構成されるアセアンは、基盤の厚い強固で多様な経済圏になると考えています。

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