シンガポール発海外教育情報誌サイト

専門家の声 Specialist

企業からの声

ヤマハ・ミュージック・アジア社長 坂部 一聡 氏

2015.11.25

LINEで送る
Pocket

グローバル時代を迎えた今、企業が求める人材、教育とは何でしょうか。企業の担当者に聞きました。

東南アジア各国にはそれぞれ独特の音楽文化があり、外国企業としてこの分野への展開は容易でないように感じます。御社はシンガポールで来年創立50周年を迎えるそうですが、現在の事業展開、シンガポール進出のきっかけなどについて教えてください。

ヤマハグループは、1887年に1台のオルガン製作からスタートしました。創業以来、音・音楽を原点とする事業活動を通じて世界の人々とともに新たな感動と豊かな文化を創り続けることを企業理念として取り組んでいます。事業領域は、楽器事業が65%、次いで音響機器が26%、更に半導体などの電子部品事業、コンテンツ事業があります。

現在、国内に24社、海外に51社を展開しており、楽器の販売ベースでは世界シェア1位、世界唯一の総合楽器メーカーとして認知されるようになりました。今では、海外の売り上げが全体の62.9%を占め、うちアジア・オセアニア地域は25.9%と海外全体の約4分の1になります。近年ではピアノなどの製品だけでなく、デジタルコンテンツなども増えていますが、核となっている経営資源は「音」です。「音」からいろいろな事業に広げる経営理念が、当社の強みとなっています。

シンガポール進出は1966年にさかのぼります。店舗と教室をほぼ同時に始めました。教室を展開すれば音楽の裾野が広がり自然に楽器の需要も高まります。生活が豊かになるにつれ、教育や芸術性に根ざす楽器、特にピアノの需要が高まっていきました。シンガポールは当時マレーシアから分離独立した後で、すべの面で上を目指し、音楽教育に対する意識も高まっていました。しかし、指導法や教員の育成がまだ十分でなかったためヤマハのノウハウが必要とされたのだと思います。現在では音楽教室が25カ所、1万4千人以上の方がレッスンに通うほどに成長しました。成人層でギターやドラム等を趣味で楽しむ方もかなり増え、シンガポールにおける音楽文化の普及に多少なりとも貢献できたのではないかと思っています。

楽器や音響製品の販売・レンタルはもちろん、電子楽譜レンタルも展開しており、ソフト事業として成長しています。当地は小学校で70校、中学校ではほぼすべての120校でブラスバンドの部活動が盛んなため、その需要にお応えしています。

その他プロジェクトビジネスも多く、例えば施設や学校のホールの音響を良くしたいという希望があれば、音響機材はもちろん、舞台の上に反響板を設置して心地良い音にするというような総合的な音づくりのお手伝いもしています。

1 2 3
LINEで送る
Pocket

PAGE TOP