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お勧めの一冊

お勧めの一冊 | KOMABA 室長 石川 先生 | よだかの星

2015.04.25

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「よだかの星」を絵本で読んだ小学生のとき、岩手の小さなアパートで読んだ大学生のとき、アフリカの貧しい農村で読んだ20代、親になって読んだ30代 …。宮沢賢治の作品は、読む時代、読む場所によって全く異なる物語のような広がりを見せます。いつになっても色あせない鮮やかな世界観は、時に生命に対する愛情に溢れ、時に人類に対して絶望を見せつけます。オペラ座の管弦楽のような荘厳さを見せたかと思えば、渋谷のライブハウスで叫ぶパンク・ロックのように激しく生々しく、心の深い部分に響きわたります。

自分と社会の関係性を痛いほど突きつけてくる「よだかの星」は、 急激な情報化社会に振り回され、人間関係の在り方に疑問符の付く現代にするどい「叫び」で問いかけてくるようです。孤独と向き合うことに不器用になってしまった社会で、改めて存在意義を考えさせてくれる作品です。

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