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お勧めの一冊 | 桐朋女子中学校・高等学校 熊野 孝 先生 | キップをなくして

年号が昭和から平成に変わる頃まで、駅の改札口には駅員さんがいつも何人か立っていて、電車に乗るときは券売機でキップを買い、改札口で駅員さんにキップに鋏を入れてもらって駅の構内に入ったものだ。駅から出る時は、改札口で駅員さんにキップを手渡して外に出た。「キップをなくしたら、どうしよう」と、小学生の頃の僕は、一人で電車に乗るときいつも心配していたような気がする。

この本は、キップをなくしてしまった子どもたちの物語である。キップをなくした子どもは駅の外には出られない。彼ら、彼女らは東京駅の構内で暮らし、「ステーション・キッズ」として都内の色々な駅で、電車を使う子どもたちの安全を守る任務にあたっている。そんなステーション・キッズの中に一人、食事もとらず、いつも静かな小さな女の子「ミンちゃん」がいる。このミンちゃんがきっかけとなり、ステーション・キッズの大旅行が始まる。北へと向かう旅の中で、いくつかの出会いや別れがあり、子どもたちは

「人が死ぬとどうなるか」「人の心は何でできているか」ということについて学ぶ。

小学生から大人まで、すべての人におすすめします。

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