シンガポール発海外教育情報誌サイト

専門家の声 Specialist

企業からの声

三菱電機 執行役員・アジア代表 兼 三菱電機アジア社長 佐々木 信二氏

2016.09.23

LINEで送る
Pocket

グローバル時代を迎えた今、企業が求める人材、教育とは何でしょうか。企業の方からお話をうかがいました。

「グローバル環境先進企業」を掲げる御社は、冷蔵庫やエアコンといった身近な家電分野に始まり、産業機械、ビルシステム全般、エネルギー、インフラシステム、更には宇宙通信分野まで幅広い事業展開で知られています。成長過程のアジア圏においてビジネスチャンスは無限にあるように感じますが、まずは今日に至るまでのアジア展開に関わる沿革を教えてください。

三菱電機の海外進出は、1921年に神戸で創立後、31年に扇風機やミシンなどを中国や香港といったアジア地域に輸出をしたことに始まります。その後、50年には中国・天津にエレベーターを輸出しました。64年にはタイの現地法人と合弁会社を設立し、家電製品の製造拠点を作りました。その後、着実に海外拠点を増やし、現在、ASEAN地域では9ヵ国に16の販売会社を含めて合計42拠点を展開しています。

 現在、エアコンをはじめとした空調事業やエレベーター事業はアジア地域で高いシェアをいただいています。事業拡大に合わせて、現地に工場を新設することもあります。現地で生産した製品はお客さまに高い支持を得ており、タイで製造した扇風機の1号機を、タイのプミポン国王に献上したこともありました。

 シンガポールは、アジア地域における中核の役割を担っています。アジアで新しい拠点を立ち上げる際は、シンガポールにいるスタッフが現地に赴き、会社の仕組み作りやスタッフの採用、顧客開拓などを行います。インド、インドネシア、ベトナムなどにある販売会社も当初はシンガポールの支店として運営し、その後に独立しました。現在は、シンガポールの支店がミャンマーにあります。

三菱電機 執行役員・アジア代表 兼 三菱電機アジア社長 佐々木 信二氏

御社では国や文化が異なる社員の方が働いています。価値観の共有の仕方を教えてください。

 アジア地域で働く当社グループの社員はおよそ2万名で、そのうち日本人は約300名です。圧倒的に外国人社員が大きな割合を占めています。

 質の高いモノづくりや、丁寧なアフターサービスの考え方は、マニュアルだけで伝えられることではありませんので、一緒に仕事をしながら共有することが重要だと考えています。欧米や中東、中国と比較すると、アジアの国々は日本と非常に近いメンタリティーを持っており、日本の文化が受け入れられやすいと思います。現地社員は非常に真面目で、優秀な人材が多く、日本式の経営を学ぼうとする姿勢が強く見られます。ただし、日本のやり方をそのまま押し付けても上手くいきません。どの拠点も、その国やその会社特有の文化や社風があります。日本本社や他のアジア拠点とは異なる特有の社風ができ、定着しているということが、拠点進出の成功を示しているのかもしれません。

 「短期的な利益を求めず、長く事業を行っていく」という考えも共有しています。ある年度だけ製品がたくさん売れればいいというものではなく、一定の時間をかけて、長く市場に支持される製品を丹念に作る必要があります。また、当社はアフターサービスを非常に大切に考えています。丁寧にサポートし、いろいろなご要望に応え、改善をしていくためには、その市場に長く根付き、事業を行っていくことが大切です。そのためにも品質・安全・コンプライアンスは重要で、現地の社員の皆さんにも遵守してもらっています。三菱電機グループで掲げているコーポレートステートメント「Changes for the Better」のように、常に昨日よりも今日、去年よりも今年、と改善を重ね、少しでも質の高い製品やより良いオペレーションを行うことが重要なのです。

1 2
LINEで送る
Pocket

PAGE TOP