多様な言語・文化に触れたタイでの生活
日本人の父とタイ人の母と共に、私は15年間タイで過ごしました。小学校に入学するまでは、家庭や幼稚園で主にタイ語を使っていましたが、父には幼少期から絵本を読み聞かせてもらったり、ひらがな表などで遊びながら日本語を教わっていました。その後小学校からはインターナショナルスクールに通っていたため、英語が次第に話せるようになりました。インター校では世界各国から多くの友人を通していろいろな文化にもふれ合い、楽しい時間を共有できました。私の中には3つの言語とそれに付随する多様な文化が存在していると感じています。
タイに住んでいた時に勉強以外で頑張ったことは、友だちと共に地域のChair Ball の大会やバレーボールクラブに参加したことです。とても楽しい思い出であり、チームスポーツを通じてコミュニケーション能力やリーダーシップ・役割分担についても学んだ貴重な体験でした。
日本の学校へ
家庭では日本語に親しんでいましたが、徐々に日本語と日本の文化をしっかり学びたいという気持ちが芽生えました。日本の大学に進学したいという気持ちが強くなり、そのためには日本語をできる限り早く修得したいとも思っていました。大学ではハイレベルな日本語が必要になると思ったため、日本で高校から進学することを考え始めたのです。日本の学校で学ぶことを目標に、タイでは日本語の塾へ通い漢字や文法も勉強しました。
日本での進学先を探している時にタイで大規模な留学フェアがあり、国際高等専門学校(ICT)のブースで先生方と寮生活や授業について相談することができました。理数系やコンピューターの授業を英語で学びながら、日本人の先生や友だちからは日本語を学べること、15歳から大学の2年生までの5年間の課程を学ぶ「高等専門学校」である点を知り、私にとって理想の学校が見つかったと感じました。私が学びたいコンピューターの授業や、今注目されている科学・テクノロジー・工学・数学を融合したSTEM教育が充実していることにも、大きな魅力を感じました。美しいキャンパスや国際的な寮生活、アメリカ人の校長先生をはじめ、日本と世界各国から集まった先生の存在も、進学先としての決め手になりました。
ICTでの学校生活
入学後は、自分が想像している以上にすぐに学校に馴染むことができました。同級生は日本全国から集まり、私のように、両親のいずれかが外国人である友人もいました。。同級生はサイエンスや工学、そして英語そのものを学びたいと考えて入学した人たちで、「世界でテクノロージを使って活躍したい」という具体的な夢を持っており、皆で刺激し合っています。海外生であった私にも、はじめからとても優しく接してくれました。先生やスタッフの方々が大変親切にしてくださったことも嬉しかったです。ほとんどの授業が英語で行われるため、私にとってはスムーズな新生活で、英語力も維持・向上できていると感じます。他の同級生に英語に関して質問をされることもあり、私がみんなの英語の先生になる時もあれば、日常生活では同級生たちが私の日本語の勉強を助けてくれています。寮生活は規則があり思っていたよりも厳しいと感じることもありましたが、自分にとっては全てが新鮮な経験です。
3年生になると、全員ニュージーランドに1年間留学し、4年生では再びICTで理数系やコンピューターなど専門的な内容を英語で学びます。これからの多彩な学校のプログラムを、今からとても楽しみにしています。
私は入学してから本格的にコンピューターやプログラミングを学びましたが、絵を描いたりデザインすることが特に楽しく、充実感があります。将来はコンピューターを使って新しいモノを創り出したり、世の中の役に立ち皆が感動するようなデザインができるようになりたいと思っています。
海外で生活している皆さんへ
私のように海外での生活が長く「海外育ちの私が日本でやっていけるのかな」と不安におもっている方もたくさんいると思います。当初は不安もありましたが、寮で同級生と過ごすうちに学校生活がとても楽しくなりました。皆さんも、自分の進みたい方向や夢を軸に情報を集めることで、可能性を引き出してくれる自分にふさわしい学校が見つかると思います!
※ICT 国際高等専門学校に関する情報はこちら
https://spring-js.com/japan/9018/
『海外生の今』バックナンバー
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