日本人学校からインターナショナルスクールへ
私がシンガポールに来たのは小学1年生の9月でした。初めての海外生活でしたが、最初の2年半は日本人学校小学部へ通っていたため、違和感なく楽しく通学できていました。
シンガポールは多言語の環境であるため、公用語である英語や中国語でよく話しかけられました。しかし、はじめは言いたいことを英語でうまく伝えることができず、もどかしく感じていました。日本人学校では英語のクラスが細かくレベル分けされており、半年後にはクラスもかなり上がることができました。
海外生活に慣れるにつれて、英語をもっと話せるようになりたいという気持ちと、国際的な環境を活かして視野を広げたいという気持ちが強くなり、インターナショナルスクールへの転校を考え始めました。いくつかの学校を見学し、最終的に家から近く多国籍の子どもたちが学んでいるOverseas Family School(OFS)に決めました。
英語力をつけ、多様な文化と価値観に触れる
OFSでの初日は、先生から同級生に紹介されるやいなや英語で話しかけられましたが、何を言われているのかわかりませんでした。そして、その時改めて「これからは英語で学ぶことになるのだ」と、不安と期待が入り混じった気持ちになりました。
最初の半年ほどは、授業で使われる英語が理解できないことも多く、宿題も両親に手伝ってもらいながら頑張りました。そうやって努力を続けるうちに、皆と同じ速さで話すことができるようになりました。学校では世界各国から集まる先生や同級生から、自分とは異なる文化や物の捉えかたについて学び、格段に視野を広げることができました。その一方で、日本人としての素養も身につけたいと思い、小学3年からはお習字を始めました。お習字は帰国後も続けており、いくつかの賞をいただけるようにもなりました。
帰国生入試の受験に向けて
シンガポールでは日系の学習塾に通い、受験科コースの授業を週3~5回受講していました。宿題が多く毎回大変でしたが、日本で頑張っている同学年の仲間を思い浮かべながら、努力していました。受験に向けてさらに日本語での学習が必要だと感じたため、再び日本人学校小学部に戻り、日々の学校生活を通じて国語力を鍛え、各教科の学習に励みました。
受験前の夏にはいくつかの学校を実際に見学しました。その一つである白百合学園は、通いやすい都心にありながらも落ち着いた環境であり、帰国生が多く英語の取り出し授業が充実していたため、入学したいと思いました。英語の授業は少人数制で、ネイティブの先生方が担当してくださるため、英語力の維持とスキルアップができる点も魅力でした。
努力の甲斐があり、無事に合格することができました。しかし、そのタイミングで父の仕事の都合で帰国が延期されることになったため、帰国後の中学の勉強に備え、日本人学校中学部に進学しました。中学2年時に白百合学園に編入して現在に至っています。
日本での生活
学校生活で一番楽しいことは、全生徒が参加する行事です。普段あまり交流のない上級生や下級生と交流できることができ、新鮮に感じています。中でもクラス対抗のコンクール形式で行われる合唱祭は、目標に向かってクラスで団結力が強まり、本番で歌い終わった後の達成感は格別でした。
先日、駅への行き方が分からず困っている外国の方がいらっしゃいました。英語で説明して差し上げ、お役に立つことができました。シンガポールに住み始めた当初、英語で質問されても何も答えられずにいた自分を振り返ると、確実に英語力がついたことを実感でき嬉しくなりました。
海外で生活している皆さんへ
まずは何ごとにも積極的に挑戦してみることが大事だと思います。英語の勉強に励んだり、外国人の友だちを作ったり、イベントに参加したりなど、どんなことでも良いのでチャンスを逃さないでほしいです。今いる環境に感謝し活かすことが、未来の自分につながると感じています。
※白百合学園中学高等学校に関する情報はこちら
https://spring-js.com/japan/12408/
『海外生の今』バックナンバー
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