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Vol.11 国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)シンガポール事務所長 金子恵美氏 ~科学技術と人をつなぎ より良い未来を創る~

2020.04.24

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日本の技術シーズ※を世界に展開するために

JSTは、「科学技術の振興」を目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人で、国から示される中長期的な目標に基づいて、さまざまな事業を行っています。現在シンガポール事務所では、特に「日本とASEAN各国による共同研究を推進する事業」を数多く進めています。

当地に着任後、気付いた点があります。それは「各国がある技術に関するニーズを持っており、日本がそれに対するソリューションを持っていたとしても、それらをマッチングさせることは簡単ではない」ということです。例えば、日本では研究機関や企業の技術情報が英語で公開されていないことが多く、誰がどのような技術シーズを持っているのか、シンガポールの方には見つけ難いという状況があります。そのため、私は業務の一環として、そのような情報格差や、仕事の進め方などの違いについて橋渡しを行い、日本の技術シーズを海外に展開できるように努めています。

Vol.11 国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)シンガポール事務所長 金子恵美氏 ~科学技術と人をつなぎ より良い未来を創る~

タイ国立科学技術開発庁の女性幹部と(写真右が金子氏)

「科学技術」を軸に幅広く活動

JSTでは近年、科学技術に関するコミュニケーションや人材育成にも力を入れています。研究を行いたい小・中学生と研究者を繋げる「ジュニアドクター事業」、高校の理数教育の支援を行う「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業」、海外から日本への若手人材招聘を行う「さくらサイエンスプラン」などがその一例です。そのため、JSTの業務ではノーベル賞受賞者を含めた最先端の研究者から、若手研究者、企業人、メディア関係者、NPO、先生方や子どもたちまで、非常に幅広い人たちと有機的に関係を結びながら関わっています。このような幅の広さが、JSTでの仕事の醍醐味だと感じています。

まずは飛び込んでみよう

現在はシンガポール事務所長として日々各国を飛び回っていますが、私自身は帰国生ではなく、英語を習い始めたのは親世代の皆さんの多くと同様に中学校からでした。高校時代に、ふとしたきっかけで「英語ができるようになれば世界中の人とコミュニケーションが取れるようになる」ということに気づき、米国へ1年間交換留学をしました。大学や社会に出てからも英語力の向上に励み、英検1級などを取得して、自信をつけてきました。今振り返ると、高1で交換留学をして、生きた英語の世界に飛び込んだことから英語へのモチベーションが大きくなり、仕事の幅も広がり、現在の仕事へ繋がっていったと思います。英語に関しては、最初は自信がなくても「まず飛び込んでみる」ということも一つの方法ではないかと思います。

頑張る子どもをさらに伸ばす教育も

科学に興味がありJSTの事業に参加してくれる日本の小・中学生はとても熱心で、優秀なお子さんが多いと感じます。しかし「出る杭は打たれる」という日本の文化も影響し、日本社会では「平均よりも高いレベルでの学び」や「(良い意味での)エリートを育てること」が難しいとも痛感しています。日本では「平等」を重んじ、底上げに注力した教育が一般化していますが、日本の国際競争力が相対的に低下している今の時代では、より高いレベルで頑張れる子をさらに伸ばす教育を推進することも喫緊の課題ではないかと思います。

海外生へのメッセージ

近年は、研究職においても若い時期に日本を飛び出して世界で修業することが、キャリアを築く上で重要になっていると思います。次世代を担う皆さんには、ぜひ世界で武者修業したのち、日本に貢献してくれることを期待しています。

また、プロフェッショナルとして「グローバルに活躍するための英語」という点では、どんな仕事でもその専門分野の語彙が豊富で、コミュニケーションが取れれば良いと思います。全ての話題をネイティブ並みに話す必要はなく、例えば研究者であれば、研究内容が優れていて、自分の研究について英語で説明ができれば、十分世界でやっていけるでしょう。

海外で修業した皆さんが世界の人たちと協働し、より良い未来を創っていかれることを楽しみにしています。

金子 恵美 氏

宮崎県出身。

一橋大学法学部を卒業後、農林中央金庫国際金融部などを経て宮崎県庁に勤務。

社会人学生として政策研究大学院大学に派遣。

JSTへ転職後、2019年より現職。

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