10歳でシンガポールへ
10歳のときにシンガポールへ引っ越しました。「せっかく海外に行くなら」と考えシンガポールのインターナショナルスクールに通うことを自ら決めましたが、はじめは英語が全く理解できず苦労しました。両親からは「自分から話しかけないといつまでも話せるようにならないよ」とアドバイスを受け、積極的に英語でコミュニケーションを取るように心がけました。サッカーや鬼ごっこなどの遊びを通じて、友だちが 増えていき、それ以外にも海外ドラマを英語字幕で観たり、できる限り翻訳機を頼らないようにするなどさまざまな工夫をしたことで英語力がついていきました。
充実した学校生活
シンガポールでは「日本ではなかなかできないことに挑戦しよう」と思い、学校のゴルフチームに入りました。Stamford American International Schoolは室内練習場があるなど、ゴルフの設備が整っていたため充実した練習ができました。両親にもサポートしてもらいながら、土日はゴルフの練習場にも通いました。 その結果、大会に出場して2位の成績を残せたことはとても良い経験となりました。
また、学校でDeepavaliというインドのお祭りに参加したことも楽しい思い出です。それまでその存在自体を知らなかったのですが、色彩豊かな装飾が施された盛大なイベントで感動しました。さまざまな文化を知ることができたこともシンガポールならではの貴重な経験でした。 小6のときに家族の本帰国が決まりました。しかし、まだシンガポールの学校で学びたかったため、寮のあるACSインターナショナルスクールに転校し一人でシンガポールに残ることにしました。
単身での寮生活と中学受験
一年間、家族と離れてシンガポールで寮生活をしていましたが、将来は日本の大学に進学したいと思っていました。幼少期に観た『TOP GUN』をきっかけに空が大好きになったので、防衛大学校に入り、航 空自衛隊のパイロットになることを目指しています。
当初は中学受験をするつもりはありませんでしたが、学校の環境が大学にとてもよく似ていること、成績次第では特待生の制度があること が決め手となり、海陽学園の受験を決めました。シンガポールでは日系の学習塾に通い基礎的な日本の勉強内容は学習していましたが、 ACSに転校したタイミングで塾を辞めていたので、受験まで半年以上 のブランクがありました。冬休みに日本へ一時帰国して帰国生向けの塾に通い、短期集中で勉強をした結果、無事に海陽学園に合格することができました。
帰国後の戸惑いと英語力の維持
中学に入学した当初は、日本独特の人間関係にあまり馴染めませんでした。先輩との「上下関係」もよく理解できず、空回りしていたことも多かったと思います。主に部活を通じて、日本ならではの人間関係を学び、現在では先輩とも良い関係を築いています。
学校では「AEC(Advanced English Class)」という帰国生向けの英語クラスに入っています。通常の日本のカリキュラムでは学べない高度なアカデミック英語を学んでいるので、英語力の維持、向上に大きく繋がっています。
授業ではリサーチを行うとき、多くの最新情報は英語の記事から得ることが 多いため、翻訳をせず、直接理解できることは有利だと思います。英語力以外にも、シンガポールのインターナ ショナルスクールでは「リサーチワー ク」と呼ばれる探究学習を多く取り入 れていたので、「リサーチの仕方」が 身につきました。そのスキルは高校生になった今でも生かされています。
海外生へのメッセージ
海外生活中は、「日本では絶対しないと思っていたことに挑戦する」ことを強くおすすめします。当時学校で中国語をはじめて学んだことは貴重な経験で、機会があれば学び直したいと思います。自分が「やったことがないこと」「やってみたいこと」にトライする価値は大いにあります。ぜひ限りある海外生活を楽しみ、いろいろなことに挑戦してみてください。
お母さまより
小学4年生で渡星した当初は、インターナショナルスクールに入学することを不安がっていましたが、持ち前の明るさで、すぐ に友だちを作って学校生活を楽しんでいました。家族が帰国する際も自身の希望でシンガポールに残り、別のインターナショナルスクールに転校して約一年間、寮生活をしながら通学していたので、成長を頼もしく感じていました。今後もこの経験を生 かして、いろいろなことに挑戦してもらいたいと思います。
※海陽中等教育学校の詳細はこちらhttps://spring-js.com/japan/14096/2/