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筑波大学附属高等学校 2 年 児玉 翔太郎 さん「視野が広がったシンガポールでの生活」

2013.06.26

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英語に「慣れる」努力

 海外旅行をしたこともない僕がシンガポールにやって来たのは中学 1 年の4月で、当初は右も左もわかりませんでした。学校は両親の意 見に従って日本人中学校に入りました。最初の半年は「英語」を含め た異文化というものに非常に苦労しました。日本で中学受験を経験し ていたこともあり授業にはついていけましたが、英語、特にイマージョ ンの授業では外国人の先生が話していることが全く理解できず苦労を しました。英語が得意な友人に教えてもらいながら、なんとか周りに 追いつこうと努力をしました。おかげで 1 年後には人並みのレベルに 到達しました。大切なのは「慣れる」ことだと思います。

 学校の補習と高校受験を視野に入れ、来星後しばらくして塾に通い はじめました。塾では同じ志望校の人が他にいなかったのでモチベー ションを維持することが大変でした。週に 3 回から、多い時は毎日の ように遊びに行く感覚で通っていました。英語については特別な学習 はしていませんでしたが、 高校受験までに英検2級に 合格するという目標を立て ていました。 受験勉強の鍵は「いかに 自分にあった勉強方法を見 つけるか」であり、塾の活 用もその一つだと思いま す。僕はベストな選択がで きたと思っていますが、友 人の中には合格実績だけで 塾を選んで後悔した人もい たようです。

自分の意思を尊重した「学校選び」を

 中学 3 年の 12 月に父の帰国辞令が出ました。辞令が出る前はシンガ ポールの早稲田渋谷高校と筑波大学附属高校の受験を考えていました が、この時期に方向性が決まったことで「絶対に合格しなくては」と いう気持ちが新たになりました。

2011年カンボジア旅行にて

 僕が志望校を決めたのは中学 3 年の 1 学期でした。自由な校風で立 地も良く、共学で国立のため学費が安い、それなのに学校のレベルも 高い。まさに希望条件に一致する学校でした。さらに「日本人学校枠」 があり、試験は 5 教科で一般受験と全く変わりません。日本にいた期 間が長い僕には理想的な入試形態でした。

 受験校を決める際は、いろいろな方がいろいろなアドバイスをして くれると思います。しかし、最終的には他人の意見に惑わされること なく、自分の意思を尊重して学校選びをしてほしいと思います。その 方が、あとあと後悔することが少ないように思うからです。

 今の学校は、校風が自由なためすぐに馴染むことができました。シンガポールを含めた海外の学校との交流が盛んなこともあり、英語の 学習には積極的に取り組んでいるので、シンガポール時代に培った英語力は 何とか維持できていると思っています。

現在のボート部で

海外で暮らす皆さんへ

 シンガポールにいた当時、僕はいわゆる「当地ならではの体験」(ホームステイ受け入れや現地校との交流など)を全くしていませんでした。 しかし、決して気おくれする必要はないと思います。なぜなら、3年間のシンガポール生活で、「英語力の向上」「広い視野」、そして何より「良い人 脈」という、かけがえのないものを得ることができたからです。

 皆さんには、シンガポールにいる間に近隣のいろいろな国を訪れることをおすすめします。そうすることで、いろいろな意味で日本との比較がしやすくなりま す。特に僕のように日本で長く生活してから海外に行った人は、日本の知識がある程度はあるはずなので、諸国を見て回ることで日本の姿を再発見できると思います。 海外にいても、僕は「日本人としての心」を忘れずに生きてきました。皆さんも、どこにいても日本のことを決して忘れないでください。将来は、何らかの形で海外、 それも東南アジアに関わる仕事に就きたいと考えています。この地域は、今まさに成長しているので、その手助けになるようなことをしたいと思います。

お母様より

 12 歳まで海外を知らず、英語と関わることも全くなかった息子にとって、シンガポールでの生活はかなり不安で緊張したものでした。 「せっかくの海外生活なのでインター校に」と言う方もいましたが、息子の不安を和らげるために私たちは迷わず日本人学校を選びました。 それでも街なかでは英語が常用語であり、学校や塾でも英語教育に力を入れていただいたので、中学 3 年間である程度の英語力は身に付いたように 思います(これは帰国してから感じたことです)。 何よりも息子にとって一番大きな収穫はグローバルな視点で日本を見られるようになったことだと思っています。 今、日本の多くの若者が「内向き志向」と言われていますが、海外の生活で異文化に触れた経験は、将来世界に羽ばたく大きな自信に繋がると思います。

筑波大学附属高等学校 2 年 児玉 翔太郎 さん

2009 年 4 月~2012 年 3 月 シンガポール日本人学校中学部

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