海外生・帰国生へのヒント
東京大学教養学部3年 青柳 拓真 さん「世界の中の『日本人』へ」

初めての海外

 私は小学校6年生の時に来星しました。この時が初めての海外経験で、英語も全く話せなかったため、チャンギ空港に降り立ったときには不安でいっぱいでした。しかしその7年後に日本に帰国する時には、シンガポールでの生活経験が無い自分の姿が想像できなくなっていました。もしここに住まなかったら自分がどんな人間になっていたのかと考えると、恐ろしくなります。それは高校を卒業するまでの7年間で、かけがえのない経験にたくさん恵まれたからでしょう。

 小学校はクレメンティ校に1年間通学し、シンガポール生活にもすぐに適応できました。学校の通路で友達と相撲をとって遊んだりしていたことを覚えています。勉強自体は好きでしたが、中学受験などとは全く無縁の生活を送っていました。中学校は日本人中学校に進学し、生徒会活動などに取り組みました。

自分の意志で選び取る

 進学する高校を決めるにあたっては、2つの選択で大いに悩むことになりました。「早稲田渋谷シンガポール校」に行くか、「インター校」に行くか、です。インター校で得られる英語力や日本人以外の友達などの魅力はあったものの、結局早稲田渋谷シンガポール校に行くことを選びました。環境が大きく変わることへの恐れや、国語や社会の授業が好きでそれらをもっと学びたかったことなどが理由です。両親もいろいろと思うところがあったと思いますが、選択肢を提示した上で私の考えを待ち、その決定を尊重してくれたことに感謝しています。今振り返ると、どちらの選択をしても多くを得られたと思っていますが、何よりも自分の意志で進路を選び取ったということが重要だったと感じています。

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