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なぜ「国際バカロレア」なのか | 第3回 保護者の素朴な疑問にせまる編

2015.11.25

  • 国際バカロレア(IB)
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教育改革が喫緊の課題である今、日本の学校でも「国際バカロレア(IB)※1」の導入が進んでいます。「よく耳にするIBって一体なに?」「日本語で学べるって本当?」「日本の大学には入れるの?」など、素朴な疑問にIBアジア太平洋地区委員がお答えします。

国際バカロレア機構アジアパシフィック地区委員
坪谷 ニュウエル 郁子氏

国際バカロレア機構アジアパシフィック地区委員。文部科学省とともにIBの普及に取り組む。IB認定校でもある東京インターナショナルスクールの創立者。二児の母親としても、IBを経験。近著書に「世界で生きるチカラ 国際バカロレアが子どもたちを強くする」など。

Q. 従来の日本の教育よりIBの方が優れているのでしょうか。

「次世代に向けて学ぶべきは、これまでの日本の教育プラス『主体性』」

日本の教育は実に素晴らしいと私は考えています。先進国の中でも、日本ほど国民の平均的な基礎学力が高い国は少ないと思います。また、教育の場に掃除や給食の当番があるなど、「自分のことは自分でする」教育、公共心を養う試みも素晴らしいと感じます。世界中の人と接してみて、日本人がすぐれていると感じることは「誠実で働き者」、そして「利他的」であることです。この精神こそ、次の世代が目指すべき社会だと言えるでしょう。

その一方で、国際化、IT化が進む現代では、日本の中だけで生き抜ける時代ではなくなりました。米デューク大学の研究者キャシー・デビッドソン氏が2011年に「今年アメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と言ったことは教育業界にとっても大きな衝撃でした。19世紀末から基本的な構成が変わっていない教育システムに、大きな変革が迫られたのです。来るべき時代に必要な能力、つまり21世紀型の能力を備えるためには、「教育」を変えていかなくてはならないのです。その動きは、日本だけでなく世界にとっても 大きなうねりとなり広がりを見せています。

大切なのは「バランス」です。これまでの教育に「あなたはどう考えるのか」「さまざまな考えの中から、あなたは何を選択するのか」という視点、つまり「主体性」を加えることが大事なのだと思います。これまでの教育を否定するのでなく、更に必要な要素を加えるのが大切でしょう。


PYP、MYPから学ぶ喜びを培いながら、将来のIBDPへ備える
写真提供:国際バカロレア機構

Q. IBは「万人向け」ではなく一部の「エリート教育」なのでしょうか。

「世界でも公立校に導入する動きが顕著。IB加盟校の半分以上は公立校」

世界的に見ても、公立校にIBを導入する動きが顕著になっています。主として米国、増えているのが南米、欧州でも特にドイツ等です。米国では公立が圧倒的に多く、裕福でない家庭の子どもたちが通う学校にIBを導入したところ「大学進学率の上昇」「非行率の低下」など良い結果が実際に表れています。つまりIBは決して富裕層を対象にした「エリートのための教育」ではないのです。現在は世界でIB加盟校の半分以上は公立の認定校となっています。

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