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グローバル教育

国際バカロレア

なぜ「国際バカロレア」なのか | 第4回 大学編

2016.03.25

  • 国際バカロレア(IB)

日本の大学の世界ランキングが年々低下している中、各大学はグローバル化に向けて急速に動いており、入学試験においても新たな取り組みを行っています。 ここ数年、「国際バカロレア(IB)」入試を導入する大学も増え、現在では8大学(岡山大学、鹿児島大学、関西学院大学、工学院大学、国際教養大学、玉川大学、筑波大学、立命館アジア太平洋大学)が学部の制限なく、IBのみでの入学に門戸を開いています※。 第四回目は「大学編」として、日本の国立大学で初めて全学部でIB入試を導入し今年で2年目を迎える、筑波大学の副学長先生お二人に、お話をうかがいました。
※2015年10月現在

Spring編集部が聞きました

筑波大学副学長・理事
石隈 利紀氏、キャロライン・ベントン氏

日本の国立大学の中で初めて全学部でIBによる入試を導入された経緯を教えてください。

石隈 利紀氏

石隈 利紀氏

ベントン氏: 本学は創立以来40年以上にわたり、「開かれた大学」という建学の理念のもと国際性豊かな知の拠点としてリーダーシップを発揮し、世界で存在感のある大学として国際社会に貢献してきました。「地球規模の課題解決に向けた知の創造とこれを牽引するグローバル人材の育成」というミッションを掲げており、大学側にはそれに必要な知識の創成が、学生にはグローバル社会の課題に向かい果敢にチャレンジする意欲が求められます。
この理念とミッションにIBの概念が見事に合致したため、本学ではIBに賛同し、世界的に活躍できる人材を育成するための新たな入学試験として、全学部をあげて国際バカロレア特別入試を導入することに決めたのです。
IB入試の導入により、IB教育を受けたグローバル人材の「金の卵」が本学に来て、ますます「開かれた大学」になり、真のグローバル教育を展開できると期待しています。

石隈氏: 本学は国際化が進んでおり、留学生数は2015年12月現在で約2,400名です。英語だけで学位をとれるプログラムが学部では3つ、大学院では30以上あります。「グローバル人材育成」を掲げる本学は、教育改革の軸として世界水準の知的生産術をすでに身につけているIB取得生に注目しました。今後、18歳人口が減る中で、日本全国のみならず、世界中から優秀な学生には来て欲しいと思っており、IB入試には大いに期待をしています。IBは、グローバル人材を育成する一つのチャンネルと言えるのです。

一部の学部ではなく全学部で導入されましたが、導入の準備段階で不安や困難な点などはありませんでしたか。

キャロライン・ベントン氏

キャロライン・ベントン氏

ベントン氏: 「IBの学習者像(10のラーニングプロファイル)」と本学が目指す方向性が重なっており、適合性が非常に良かったため、あまり大きなハードルと感じず、自然な流れの中で取り入れることが出来ました。

石隈氏: IBの導入は、大学の「入試改革」の柱の一つとして決定されました。IBを知らない教員もいましたが、IB教育を受けた教員もいたので導入に大きな抵抗はありませんでした。本学の場合、学部(筑波大学では学群・学類)自治ではなく、全学群の長が全員参加で議論し進めます。教育改革を全学レベルで行えるのが強みで、IB導入に際しても、それぞれの学問領域で独自の選考方式を採用しました。そして各学群・学類が求める人材をアドミッッションポリシーとして詳細にかかげました。IBのスコアだけで選ぶのではなく、その学群・学類との適応性を大切にしています。

IBの学習者像
IB認定校が価値を置く人間性を「10の人物像」として表しています。こうした人物像は、個人や集団が地域社会や国、そしてグローバルなコミュニティーの責任ある一員となることに資すると私たちは信じています。
● 探究する人(Inquirers)
● 心を開く人(Open-Minded)
● 知識のある人(Knowledgeable)
● 思いやりのある人(Caring)
● 考える人(Thinkers)
● 挑戦する人(Risk Takers)
● コミュニケーションができる人(Communicators)
● バランスのとれた人(Balanced)<
● 信念をもつ人(Principled)
● 振り返りができる人(Reflective)

参考:国際バカロレア機構「国際バカロレア(IB)教育とは」より抜粋

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