海外生・帰国生へのヒント
University of British Columbia 4年 Psychology専攻 高橋 紗彩 さん 「恵まれた環境、シンガポール」

シンガポールでの生活

 私がシンガポールに来たのはわずか4歳の時でした。幼稚園は日本の環境と変わらなかったので、とても楽しく過ごしました。小学校はCanadian International Schoolに入りました。それまで特別な英語学習は何もしていませんでしたので、始めはとても苦労しました。

 学校は英語環境でしたから、放課後は塾に通い、日本語の勉強に力を入れました。それ以外にも水泳やテニス、ダンスを習ったりと、学校以外でも活動の場を広げていました。

 G7からUWCSEAに移り、環境も新たになりました。転校した理由は、両親の勧めでした。Canadian International Schoolでも、充実した学校生活を送っていたので、UWCSEAでも、何の抵抗もありませんでした。

 学校生活で一番思い出に残っているのは、UN Nightとやはり苦労したIBです。11年生の時にはUN Nightで日本の出し物のオーガナイザーをしました。多くの参加者をまとめるのは大変でしたが、とてもやりがいがありました。みんなで踊ったソーラン節、フードストールの手伝いなどはとても楽しい思い出です。

IBに向けて

 G11になり本格的にIBコースが始まりました。この2年間はあっというまでした。大学の申し込みは12年生になってすぐに始まるので、11年生の間に進む方向を決めておかなければなりませんでした。課題やテストをこなしながら進路の準備を進めるのはとても大変でしたが、みんなが同じ立場で頑張っているので、仲間と励まし合いながら、その辛さを乗り越えることができました。

 

IB で頑張っている頃

 

 科目はPsychology, Physics, A2 English をHigherレベルで、Math, Chemistry, A1 JapaneseをStandardレベルで選択しました。

 IBのファイナルに向けて勉強し始めたのは、試験が始まる数ヵ月前だったと思います。物理が苦手だったので短期間ローカルの塾に通い、Study leaveの間は週1~2回のペースで学校に通い、物理の個人授業を受けていました。

 Higher の科目は大変でした。HigherではStandardの数倍の量の専門用語を習います。それに伴って勉強の内容も広く深くなります。時間もかかるし、課題も増えます。時間配分に気を付けないと、すべての科目の勉強が終わりません。私の場合は、苦手科目を中心に点数を上げるように工夫しました。

カナダでの大学生活

 University of British Columbiaに興味を持ったのは、学校でカナダの大学フェアがあり、母に勧められて参加したのがきっかけでした。

 明るくインターナショナルな環境と、バンクーバーの風景や季節に興味を持ちました。シンガポールに長く住んでいたので、四季のある国に行きたかったことが根底にあったのかもしれません。

 キャンパスで行われる四季折々の行事が、私にはとても新鮮に映ります。特に冬は、バスで1時間も行くとスキー場があり、サークルの企画でスキーやスノーボードの旅行に行く生徒が多く、みんなカナダの醍醐味を満喫しています。

 将来は、東南アジアで仕事に就くという目標に向かって今は頑張っています。

大学の友人と

 

シンガポールのみなさんへ

 多民族国家であるシンガポールでは、多様な文化が混在しているのが普通で、とても恵まれた環境だと思います。それらはシンガポールを出ないと気付きにくいありがたみかもしれません。

 アジア系だけでなく、世界中の人たちがいる中で暮らし勉強していたことで、私は海外の暮らしにも慣れるのが早く、新しい環境に早く馴染めたと思います。

 今シンガポールで暮らしている皆さんには、多くの体験をして、人種や文化を越えて友達をたくさん作って頂きたいと思います。必ず将来につながると思います。

お母様より

 UWCのカリキュラムについて、あまり調べずに友人に勧められるまま学校を変えたのですが、学校のカルチャーがかなり違い、最初は戸惑いました。勉強の進度やカリキュラムの違いもあり、娘は1年間頑張ってそのギャップを埋めました。勉強が得意というタイプではないのですが、みんなが頑張っている環境の中で、ついていくために必死で勉強したことが良かったのではないかと思っています。 もうすぐ就職活動ですが、また娘の頑張りを期待しています。

『海外生の今』バックナンバー
https://spring-js.com/global/global02/kaigaisei/

※本文は2012年4月25日現在の情報です。

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