海外生・帰国生へのヒント
早稲田大学 政治経済学部経済学科2年 永井 彩香 さん「将来は日本と海外をつなぐ架け橋に」

ふるさと、シンガポール

 私は日本で生まれて間もなくシンガポールに移り住み、18年間を過ごしました。シンガポールは私にとってまさに故郷です。今でも実家があるシンガポールに帰国すると、「戻ってきた」という安心感があります。

 思い出は多々ありますが、小学校の時に行ったマラッカへの修学旅行や、中学で女子バスケットボール部に所属し練習に励んだことが心に残っています。

 学校以外にも、バレエ、バイオリン、水泳、テニス、英語教室、中国語教室、絵画教室などに通い、活動の場を広げました。

早稲田渋谷シンガポール校

 日本の高校にも見学に行きましたが、早稲田渋谷シンガポール校(以下、早稲渋)の学園祭「星蘭祭」に行った際、生徒と先生が一体となって取り組む姿や、伸び伸びとした校風に魅かれ、「絶対ここに入学したい」と思いました。それからは早稲渋しか考えていなかったので、塾に通い、迷うことなく勉強しました。合格した時はとても嬉しかったです。

 入学後、部活は1年生の時はバスケットボール部、2年生からはそれまで休部していた美術部を新たに立ち上げ活動しました。今でも後輩達が積極的に活動しているので嬉しく思っています。

 早稲渋では、自分がやりたいことを思いっきり集中してできたことが、私にとって大きなプラスだったと思います。先生と生徒の距離が近いため、勉強をしっかりサポートして頂くだけでなく、勉強以外のことも気軽に相談できる環境にとても恵まれていたと思います。日本とは違い、簡単に異国の文化に触れることができたのも貴重な経験でした。

 

高校2年生の時の体育祭で

 

大学を目指して~受験生活

 私は絵を描くことが大好きだったので、高校1年生の夏までは京都の美大や芸大に進学したいと思いオープンキャンパスにも行きましたが、その後考えが変わり、出身が大阪ということもあって京都大学を目指しました。高1の夏から一生懸命勉強していましたが、次第に厳しさを感じ始め、高3の9月に、早稲渋で早稲田大学政治経済学部のゼミの方々のお話しを伺う機会があり、それを聞いて「政治経済学部に入りたい」と決心しました。

 早稲渋の先生方が一人ひとりの勉強、成績、生活をきちんと見ていて下さったので、ほとんど学校で受験対策をしていました。私の足りない部分は、良い参考書を教えて頂いたり、プリントを添削して頂いたりしました。高2の冬から本格的に受験を意識し、朝5時に自宅を出て6時から友達と勉強をし、放課後は週に2回塾に通いました。

 受験生活が辛い時もありました。意見の違いから両親と対立したり、系属校推薦枠をめぐっての友人間の競争に心が折れそうになることもありました。そんな時は仲の良い友人に相談に乗ってもらいました。

 私の志望校決定がとても遅かったので、学校や塾の先生方には大変ご迷惑をおかけしたと思います。しかし、それでも最後まで温かく手を差し伸べて下さった先生方のお陰で合格を手にすることが出来ました。

初めての日本、早稲田大学での生活

 1年生の時は環境や授業に慣れるのが大変で、あっという間に時間が過ぎていきました。初めのうちは、東京のことを全く知らなかったので、カルチャーショックを受けました。人との距離感にも困りました。2年生になってからは就職や将来のことを考え始め、今は米国公認会計士の資格を取るために頑張っています。

 シンガポール生活を通して、海外の良さと日本の良さの両方を知ることができたので、将来は日本と海外をつなぐ架け橋のような仕事に就きたいと思っています。

大学のスキューバダイビングサークルの仲間と

 

シンガポールの皆さんへ

 私は、シンガポールの学校生活や部活動において暗黙の了解やしがらみ、ルールなどがなかったため、常に自分で主体的に行動することが出来たと思っています。そのため、日本に帰国した今も、日本の常識に捉われずに新しい目で物事を見て好奇心を持つことが出来ます。シンガポールにいると、大学受験や将来を広い視野で眺められると思います。日本の情報を得るのが難しい環境にいる分、自分から興味を持ち、何事にも取り組むことが大切だと思います。皆さんそれぞれが自分にとって一番良い選択肢を選ばれることを心から願っています。頑張って下さい。

お母様より

 娘は大阪生まれですが、18 年間という長い期間をシンガポールで過ごしたので、限りのある海外生活というよりも、ゆっくりと時間をかけ、日本と海外の両方の良さに接することができました。昨年より大学進学のため日本に帰国し、初めて四季を感じ、見るもの全てが新しい経験、という大きな一歩を踏み出しました。今日まで娘がやってこれたのも、これまでシンガポールで支えて下さった素晴らしい先生方、お友達のお陰と感謝しております。

※早稲田大学に関する情報はこちら
https://spring-js.com/japan/897/

『海外生の今』バックナンバー
https://spring-js.com/global/global02/kaigaisei/

※本文は2012年6月25日現在の情報です。

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