海外生・帰国生へのヒント
同志社大学 法学部政治学科 1年生 久米 小百合さん「日本人学校での思い出」

シンガポールの日本人学校での貴重な体験

私は、3歳までオーストラリアに在住し、11歳からはシンガポールで暮らしました。いずれ日本へ帰国することが決まっていたので、日本人学校へ編入しました。日本人学校とはいえ、日本の学校とは異なることが多くありました。スクールバスでの通学もそうですが、英語を習う機会が圧倒的に多くなったことです。レベル別で行われる授業だけでなく、水泳などは英語ネイティブ教員によるイマージョンの授業で、全てが初めての経験でした。

中学の修学旅行で訪れたタイで、 着付けをした現地の学生と一緒に。 中学の修学旅行で訪れたタイで、 着付けをした現地の学生と一緒に。


当初は、同級生たちが英語検定に挑戦したり、現地の人と堂々とコミュニケーションをしていることに驚きました。大変苦手であった水泳も一年中授業があったため、英語や水泳が得意な同級生に劣等感を感じることもありました。しかし同じ時期に編入した友人が、英語も水泳も同じようなレベルだったので、一緒に励まし合いながら成長していくことができました。

中2の時に参加した職業体験では、色々な職業からNUS(シンガポール国立大学)で現地の大学生に日本語を教える仕事を選びました。NUSの学生さんたちは私の授業を一生懸命理解しようとしてくれ、その姿勢から日本に大変興味を持ってくれていることが伝わりました。とても嬉しく感激し、大きな達成感を味わうことができました。今も尚、忘れることができない貴重な経験となっています。

いよいよ高校受験

中3になってからは毎日塾に通い、高校入試の過去問を中心に勉強をする日々でした。しかし、志望校は夏休みが過ぎてもなかなか決められずにいました。一時帰国した際に、時間を惜しまずいろいろな学校を自分の目で見に行くべきだったと後悔しました。

最終的に、同志社国際高校へ進学を決めました。一番の決め手は、実際に見学に行き、校風が気に入ったことでした。京都に祖父母や親せきがおり、安心できる環境であったことも背中を押してくれました。また、帰国生が非常に多く、シンガポールで培った英語力を維持・向上できる点が気に入ったからです。

将来の夢

高校生活最後のチアリーディング全国大会 高校生活最後のチアリーディング全国大会



シンガポールへ引っ越して間もない頃、マレーシアに旅行に行きました。そこで物乞いをする子どもたちを見たことは、当時の私にとってとても衝撃的な出来事でした。その時から、将来は世界の子どもたちの「教育」に携わる仕事に就きたいと思うようになりました。

大学では、東南アジアの教育支援に携わるため、ラオスの教育支援を目的とするサークルに在籍しています。そこで、募金活動やラオスへの収益金を集めるためのチャリティーイベントなどを行っています。ラオスに実際に行き、現地の子どもたちと交流するスタディーツアーに参加する予定もあります。

大学の休み時間 大学の休み時間

お父さまより

高校受験を控えた中3の時は、毎日、塾の授業後に22時、23時と遅くまで残って自習をしていました。迎えの時間を指定されるので家に帰れず、日本人会のラウンジで独りコーヒーを飲み、時間を潰していたことが私自身のシンガポール時代の思い出でもあります。思春期を海外で過ごす経験は、誰もができることではありません。その貴重な経験を人生の糧にし、夢をしっかり持ち続けて、今後の人生を歩んで欲しいと思っています。

※同志社大学に関する情報はこちら
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『海外生の今』バックナンバー
https://spring-js.com/global/global02/kaigaisei/

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