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帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~

2019.06.25

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これから受験をするお子さまと保護者の方へ
各学習塾からアドバイスをお聞きしました。

帰国受験の今 ~2019年の中学・高校・大学受験を振り返る~
ORBIT ACADEMIC CENTRE

Q.今回の入試では、前年までと異なる点はありましたか。

前提として海外生の受験の場合、帰国時期・場所、海外在住歴など、在籍生徒の個々の事情に大きく左右される要素が多々ありますので、1年単位での傾向を分析することはあまり意味がないと考えています。海外生専門進学塾としては、数年単位のマクロな視点での傾向を分析する必要があると考えています。その上での傾向分析として、以下をご参照ください。

①英語力重視のトレンドが継続。

入試問題における英語の難度が年々上がることで、英語力の高い、英語が得意な生徒にとって有利な状況が起こっています。インターナショナルスクールの在籍歴が長い生徒はもちろん、プラスアルファの英語力を保持する日本人学校生は安定して結果を出しています。傾向としては、リスニングや記述(ライティング)、会話表現の増加など、できるだけ4技能の力を測る視点に変わってきています。

②入試選抜方式の多様化。

多様な能力やバックグラウンドをもつ生徒を受け入れようとする学校側の意識の変化が読み取れます。同時に、学力試験だけではなく学校成績や面接試験の重視される傾向が強くなり、学力面だけではなく、人物本位の選抜の色合いも強くなってきていると言えるでしょう。

③いずれの変化も、近年のグローバル化の教育面への影響と、2020年の大学入試制度改革と高大一貫接続教育の推進を踏まえた学校側の意識の表れであると考えられます。

【中学受験】

①英語入試方式の導入校が増加しています。

帰国生入試のみならず、一般枠入試においても英語利用型入試を導入する学校がさらに増加しました。グローバル人材の素養をもった生徒の早期確保といった意味合いと、2020年からの英語教科化の影響があると思われます。

②2020年大学入試改革を踏まえ、国算理社の教科の枠にとらわれない新傾向の入試方式を導入する学校が増加しています。

なかでも思考力・表現力を問うような公立中高一貫校で実施している適性検査型の試験を採用している学校が増加しています。昨年、大学入試センターが実施した大学入学共通テスト(新テスト)の試行調査問題を見ても、求められている能力にかなり共通したものがあるので、大学入試改革を意識していたものと思われます。

③入試方式の多様化の流れとして、算数1教科入試も増加しています(算数が得意な子は有利ではあるが、問われている内容や問い方で国語力を求めているので注意が必要)。得意科目を活かした入試を実施する意図として、自分の得意な面を評価されて入学できるという「自己肯定感」を高めることで学力を伸ばすことができるという、学校側の実体験に基づくものと思われます。

④海外入試実施校、学校説明会・帰国枠入試実施校の増加。選択肢が増える一方で、シンガポールの海外生にとって、また、自分の子どもの学習歴、海外歴を踏まえて、本当に合う学校かどうか、受け入れ体制は整っているかはきちんと見極める必要があります。

 【高校受験】

①2020年大学入試改革の見通しや対策が立てにくいこと、また、首都圏の大学の定員枠の厳格化に伴う、人気私立大の難化傾向が拍車をかけ、進学校を敬遠し大学受験がない大学附属校人気がより高まっています。

②早稲田渋谷シンガポール校の入試における「英語外部試験利用入試」(TOEFL iBTで72以上、IELTS5.5以上、英検準1級以上などの基準に満たした場合は、英語を100点とする)をはじめとする英語外部試験の活用が国内でも広がりつつあるります。海外生に対してはもちろんのこと、国内生にも求める英語力の基準が国際標準となりつつあると言えるでしょう。インター生をはじめとする高い4技能型英語力をもった生徒にとっては、受験英語特有の対策をする必要がなくなり、受験の負担が減りました。

③同志社国際の難化(継続)が見られます。英語は問題文も含めて全て英文で出題。英語資格を取れる力を長期的につけていく必要があります。 

④(特にインター校生は)ICUをはじめとする人気校では、学校の成績がかなり重視されています。受験勉強だけに特化するのではなく、学校の勉強との効果的な両立を図る努力が必要です。

⑤Writingを課す学校が増加しています。受験英語ではなく、本当の意味での英語力の高い子は、より安定した結果を出しています。TOEFL、TOEIC、英検準1級は小手先の対策だけでは厳しいと言えるでしょう。

⑥海外入試実施校、学校説明会・帰国枠入試実施校が増加しています。選択肢が増える一方で、シンガポールの海外生にとって、また、自分の子どもの学習歴、海外歴を踏まえて、本当に合う学校かどうか、受け入れ体制は整っているかはきちんと見極める必要があるでしょう。

【中高編入】

編入については、募集数も極めて少なく、方式も各校ごとに大きく異なるため、傾向分析の意味はあまりないと言えます。編入試験は入試とは異なり、その学校に途中から編入してついていけるかどうかを試す試験です。学校が学内生にも求めているレベルの学力が必要であることには変わりがありません。

 【大学受験】

帰国生入試、AO入試の比率を上げる大学・学部がかなり増えています。また、ICUや早稲田大学国際教養学部をはじめとした従来の国際教養系学部に加えて、慶應義塾大経済PEARL、上智大総合グローバル、法政大GIS、立教大GLAPなどの、新しい取り組みをしている大学・学部の人気が高まっています。インター校で身につけた英語力とスタディスキルを、帰国後もさらに伸ばしながら英語を使って専門性を高められる研究環境を選択する傾向が強まっています。

Q.新しい年度での受験ではどのような変化を予想していますか。受験生はどのような準備をすべきでしょうか。

いずれの試験においても、上記の傾向がますます強くなると思われます。具体的には、①4技能型英語力を重視した試験内容・方式、②2020年の大学入試改革に向けて、単なる知識や技能だけではなく、論理的思考力・判断力・表現力や、主体性・多様性・協働性を測る視点での入試方式や出題形式になっていくと思われます。

したがって、定型パターンの演習のような小手先のテクニックや準備ではなく、より本質を突いた勉強のスキルを身につける必要です。

入試種別ごとの準備については、海外生はこれまでの学習歴や帰国時期、場所、所属している学校の種別(日本人学校かインター校か)、志望校などによって、準備の仕方は千差万別であるため、一概には言えません。「他の人がやっているから自分もやる」といった日本国内でありがちな発想を捨てることが肝要です。

Q.これから受験をするお子さまと保護者の方に具体的なアドバイスをお願いいたします。

①シンガポールの恵まれた教育環境を正しく認識してアドバンテージにしましょう。

シンガポールの教育環境は、ある意味で日本の中高一貫校よりも貴重であることを認識してほしいと思います。長い人生を考えた時、多感な時期をシンガポールで生活できることは、ますますグローバル化が進展する時代において、人生最大のアドバンテージになります。そもそも志望校合格が人生のゴールではありません。近年はシンガポール在住期間が短くなっている傾向があるからこそ、シンガポールでの貴重な学習環境や経験を濃密にするにはどうすればよいかという発想が必要です。

⇒「帰国枠資格が使えるうちに帰国して受験」という発想ではなく、「シンガポールにいることをどう活かすか」という発想への転換をしてほしいです。

その前提で、シンガポールの環境を活かしつつ、英語学習と両立できるレベルで「どうなっても大丈夫」なように受験準備をしておきましょう。豊かな海外体験がそのまま面接・作文対策にもつながります。

シンガポールの学習環境をより活かした受験準備が可能になっています。

②偏差値やブランド、保護者の経験、価値観のみで学校選びをすると失敗するので注意しましょう。

国内生とは異なり、多様なバックグラウンドや特性を持つ海外生にとって「良い学校」は個々の生徒によって異なります。

入学後の「伸びしろ」を意識した学校選びをしましょう。そのためにも、保護者は自分の子どもの特性を、他人と比較するのではなく客観的に冷静に見極めること、生徒自身も自分の特性を客観視することが必要です。その上で、シンガポールで身につけた経験や学力、英語力を更に伸ばしてくれる環境かどうか、という視点で学校選択をしてほしいと思います。

③入試制度における多様な入試方式の導入や、教育制度における評価の観点の変化により、従来の偏差値を基準とした学校の序列が崩壊します。産業界におけるパラダイムシフトに表れているように、グローバル化により必然的に教育界においても世界基準の学校評価軸が普及すると思われます。つまり、グローバル時代の教育に即応できる学校や教育を実践しているかどうかがこれからの学校評価軸となるでしょう。

④特に中学受験においては、何のために中学受験をするのか、なぜ中学受験をするのか、という問いにきちんと答えられることが大前提となります。そもそも中学受験は特殊な試験であることを踏まえて、曖昧な気持ち、覚悟で臨むことは子どもの可能性を狭めてしまうリスクがあることを正しく認識しましょう。

⑤高校受験での学校選びやシンガポールでの学校選び(日本人学校かインター校かの選択)は戦略的に選んでいきましょう。なりたい職業、行きたい学部に応じて考えましょう。

⑥学習法や学校選択の判断基準として、単に受験に有利か不利かといった視点ではなく、自分が本当にやりたいことを見つけ、その目標に向けて適切な準備、努力をしている生徒が進路でも成功しています。

そのためにも、子どもの性格、学習特性、興味や個性など、自分の子どもとしっかりと向き合い、理解することがまず第一です。

※ORBIT ACADEMIC CENTREに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

【取材先(※各学習塾名をクリックすると該当の塾の回答ページに移動します)】
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