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大学の挑戦  立命館大学 ~真の国際化を目指して~

経済の再生を目指す今の日本。世界と対等に渡り合える人材の育成は日本にとって喫緊の課題です。教育分野での開国、日本の内なる国際化のために、最高教育機関である大学が新たな挑戦を始めています。 
「世界で活躍できる人材」の育成・獲得に向けて各大学が取り組む国際化戦略とは何か、シリーズでお届けします。

先進的なグローバル展開でグローバル人材の育成を目指す

 立命館大学は創始140年、学園創立110年を超える私立総合大学です。人文・社会系から理系まで多様な13学部・20研究科と、日本第3位の約35,000名の学部生・院生を擁しています。社会に先駆け1980年代以降国際化に取り組み、立命館アジア太平洋大学(APU)と附属校を含めた立命館学園全体でグローバル化を追求してきました。この結果、日本の中でもグローバル展開という視点では、先進的な取り組みをしているという評価を得ています。社会が急激にグローバル化する中、「正義と倫理をもった地球市民」の育成を目指し、教育、研究、そして社会貢献の各分野における国際化を推進しています。ここではその取り組みの一端を紹介します。

世界に広がる学びのフィールド

 立命館大学は世界62カ国・地域の400を超える大学・研究機関とのネットワークを活かし、充実した海外留学プログラム制度を準備しています。2013年度には約1,700名の学部生・院生を派遣し、協定に基づく日本人学生の海外派遣数では日本の大学の中で第3位となっています。入門レベルの短期の語学研修、異文化体験プログラムから長期の交換留学や共同学位プログラム、さらに映像やスポーツなど学部の専門科目に特化したプログラムなど、多様な学生のニーズに合致するプログラムを提供できていることがこの実績につながっていると言えます。

 また、時代を先取りするような先進的なプログラム開発にも取り組んできました。例えば、米国・アメリカン大学との間では1994年から20年にわたって、学部共同学位プログラムを実施しています。最短4年間で日米二つの学士号を取得できるというもので、本学が日本で初めて実施しました。極めて高度なプログラムですが、既に300名を超える学生が立命館大学とアメリカン大学の両大学の卒業生として、社会の第一線でグローバルに活躍しています。

英語による学位取得コースの充実

 留学生の受け入れを拡大するために、2000年以降英語による大学院コースを開設し、理工学、国際関係学、経済学、政策科学研究科などで多くの留学生を受入れてきました。また、2009 年の「大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業(通称グローバル30)」の採択に伴い、学部レベルにおいても英語による授業のみで学位が取得できるコースを設置しました。2011年には国際関係学部にGlobal Studies専攻(入学定員60 名)を開設。現在、26カ国・地域からの外国人留学生と日本人学生が共に学んでおり、高度な英語運用能力の獲得のみならず、多様な文化や価値観に触れることによって「日本と世界の架け橋」として活躍するために不可欠な知識や能力を身につけることができます。さらに、2013年には政策科学部にCommunity and Regional Policy Studies専攻を開設し、グローバルな視点と政策構想力・実践力を持った問題解決志向型の人材育成を目指しています。 
 両専攻とも日本語での科目履修や大学院への接続など、海外在住の日本人学生にとっても魅力的なコースとなっています。

グローバルな人材育成に向けて ‒Creating a Future, Beyond Borders‒

 立命館大学では学生が「新しい時代を担う人材」となるように、社会の変化や時代の要請をいち早く察知し国際教育の充実を図るとともに、従来にない学問領域の設置や新しい教育プログラムを開発してきました。文部科学省支援事業に採択された「日中韓キャンパスアジアプログラム」、タイ・インドネシアの大学と連携した「国際PBL(Project-BasedLearning)によるイノベータ育成プログラム」なども特色ある先駆的なプログラムです。また、2014年4月には附属の立命館高等学校と立命館宇治高等学校の2校が文部科学省スーパーグローバルハイスクールの指定を受けることができました。

 2015年4月には、京都・滋賀のキャンパスに加えて、大阪・茨木市に「アジアのゲートウェイ」をコンセプトとする「大阪いばらきキャンパス」を開設し、より総合的にグローバル展開を行います。総合学園としての強みを活かし、また、これまでのグローバル化への取り組みの実績に立ち、高い倫理性を持って個性豊かに世界で活躍できる人材の育成に取り組んでいきます。

http://www.ritsumei.jp/index_j.html

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