「開かれた大学」としての挑戦
筑波大学の強みは、あらゆる「多様性」に開かれていること、そして「多様性」を生かした柔軟な発想で、未来志向の改革を続けていることです。
日本最大規模の広大なキャンパスは、国内屈指の研究機関が密集する筑波研究学園都市に立地し、その内外では学生が、教授が、研究者が、あるいは起業家やアスリートたちが、様々なアクターと互いに連携し刺激し合いながら教育・研究、社会貢献などとグローバルに活動しています。
大学の真の国際化とは何か。加速するグローバル社会にあって、本学は「開かれた大学」としての理念を持ってこの問いに応答し、世界の人々と共に未来志向に活躍できる人材の育成を目指し、挑戦を続けています。
英語プラグラムの整備と留学生受入の拡大
本学は、海外の留学生たちにとっても「開かれた大学」であるべく、早くから留学生の受入に注力してきました。平成21年度には、文部科学省「国際化拠点整備事業(グローバル30)」にも採択され、英語による授業のみで学位の取得が可能な英語プログラムの開設を積極的に推進するなど、留学生に魅力的な水準の教育を提供する体制整備を進めてきました。
平成25年度までに、学士課程3・修士課程21・博士課程6、合計30の英語プログラムを開講。平成25年10月の段階で407名が在籍しています。世界各地から多くの優秀な留学生を惹きつけ、大学全体の留学生数は短期の受け入れ等も含めると今年度で約3,000 人に達する見込みです。
「国際性の日常化」、そして「世界を学びの場」へ
海外から優秀な留学生を多く受け入れることは、大学の国際競争力を強化するとともに、留学生と切磋琢磨する環境の中でグローバルに活躍できる人材を醸成します。本学では、「国際性の日常化」をキーワードに、国籍や分野を超えた学生間の交流や協働を促進することで、キャンパスにおける「多様性」を日常化させ、「世界を学びの場」とするキャンパス環境の実現に取り組んでいます。
そして、世界60か国・地域の大学・機関との間で254の国際交流協定を結び、様々な協働プログラムを実施することで、平成24年度では141人の学生を協定校に派遣し、また協定校以外も含めると年間500人あまりの日本人学生を海外へと送り出しています。
グローバル人材育成のための更なる展開
平成24年度には、文部科学省「グローバル人材育成推進事業(特色型)」に採択され、新たに「地域研究イノベーション学位プログラム」を開設しました。学士課程と修士課程を一貫した5年間の早期終了課程として、1年間の留学とインターンシップを組み込んだ当プログラムでは、新興国・開発途上地域を中心に10か国以上の協定校から留学先を選択し、現地のフィールドに根ざした実地教育を受けることができます。
このほか、文部科学省「大学の世界展開力強化事業」の採択校として、東アジア・欧州における大学間パートナーシップや、ASEAN諸国との協働の枠組み(SEAMEO ※1)を活用するなど、各学問分野・課題領域におけるネットワークを拡大し、グローバル人材の育成に資する交流プログラムを展開しています。
特に、ASEAN地域では、22の主要大学と連携してAIMSプログラム※2 に参加し、筑波大学をハブ(中心)とする学生交流プログラムを開始しました。国連
ミレニアム開発目標・持続開発目標(MDGs/SDGs)に関わる課題に取り組むことを目標に据えた学士課程教育を提案するなど、意欲的なプログラムとして高い評価を受けています。
※1 … SEAMEO:Southeast Asian Ministers of EducationOrganization(東南アジア教育大臣機構)
※2 … AIMS プログラム:SEAMEO 加盟国を枠組みとする、ASEAN 統合に向けた政府主導の学部生向け学生交流プログラム(ASEAN International Mobility for Students Programme)
以上、グローバル人材の育成に焦点を当てて紹介させていただきましたが、本学の国際化戦略は、他にも海外拠点事務所の展開など多岐にわたります。
本学では、グローバル化に向けた入試改革にも取り組んでおり、平成27年度4月入学者を対象として、本年10月に国際バカロレア特別入試を導入することを決定しています。
本学の国際化戦略について、より詳しくは大学HPをご覧いただければ幸いです。
※筑波大学HP
http://www.tsukuba.ac.jp/