奨学生として米国大学へ
サバンナ芸術工科大学(SCAD) 1年
佐渡 夏子さん
06~09歳(小1~3) 学習院初等科
10~14歳(Grade4~8) Delia School of Canada in Hong Kong
15~18歳(Grade9~12) Canadian International School, Singapore
香港・シンガポールで学ぶ
私は小学4年生から香港のインターナショナルスクールで過ごし、その後シンガポールに引っ越してカナディアンインターナショナルスクール(CIS)に編入しました。小学校から高校卒業までの大半をインターナショナルスクールで過ごしましたが、特にCISは国際色豊かな環境で自分のアイデンティティーを形成した場所だと思います。多民族・多文化の学校で友人にも恵まれ、「お互いに違うことは尊く美しいことなのだ」と感じるようにもなりました。また、国際バカロレア(IB)の授業ではさまざまな分野を学び、世界が直面する課題を考えるグローバルマインドを持つようになれたと思います。
CISでの映像制作
CISには、学習面やスポーツだけでなく、生徒の起業家精神やクリエイティブな面を引き出すさまざまな取り組みがありました。私にとってのターニングポイントは、「メディア」と「映画」に関する授業でした。撮影の面白さを実感し、同級生の何気ない学校生活をカメラで撮影しながら自分の思いをストーリーにして、映像作品を完成させました。どこにでもカメラを持ち歩く私のニックネームは「Sukocam(Natsuko+Camera)」になり、大学進学後、その愛称を自分のブランドネームにしました。他にも、学内のミュージカルの音響クルーに参加したり、映画コンテストやワークショップにも参加してみました。自分の関心があることに次々と挑戦していったことで、視覚的な表現である「ビジュアル・ストーリーテリング」※こそが、私の進みたい道なのだと気づくことができました。
※写真・映像・イラストなどの視覚的な物語。言語を使わないストーリーテリング。
各国の文化を祝う行事にて
第一志望で奨学金を獲得
高校生活で将来を真剣に考えることができたのは、進路指導も大きかったと思います。それまで想像すらしなかった「米国の美大」を目指すようになったのは、進路指導や担任の先生と相談する中で、自分の映像制作を高く評価していただいたからです。Grade11の時に、全米でも革新的な大学としてランキング2位のサバンナ芸術工科大学(SCAD)を知り、大学から支給される奨学金の存在についても綿密に調べました。米国の中でもデザイナーやクリエイターを多く輩出しているSCADを第一志望に決め、ポートフォリオの制作など合格の可能性を高めるための準備をしました。先生方は、クリエイティブな分野でのプロフェッショナルとしてだけでなく、「大学に求められる人がどういう人か」をとても親切に教えてくださいました。CISに入るまでは想像もしていなかった米国の美大への進学が、奨学金を得るという理想的な形で現実になりました。
革新的な大学で映画を学ぶ
現在はSCADに在学し、主専攻に映画・テレビを、副専攻ではイラストレーションを学んでいます。1年次からA評価の成績を取ることもでき、さらにインターンシップでは日本の映像作家のアシスタントをするなど未来のクリエイターを目指して充実した日々を過ごしています。将来はドキュメンタリー映像作家になることを目標に、挑戦を続けています。
教授との語らい
イラスト作品
海外生の皆さんへ
もし私がシンガポールにいなかったら、全く別の人生を歩んでいたかもしれません。自分の好きなことを見つけ、挑戦し続けることができたのはやはり環境と先生や友人の存在だと感じています。ぜひ皆さんも自分が情熱を注げる分野で「本物」を目指してください。自分と同じ志を持つ仲間を作り、いろいろな文化や価値観の違いを「学ぶチャンスだ」と前向きに捉えると良いのではないかと思います。
IBは大変ですが、大学でも役立つタイムマネジメントを身につけられると思います。志望大学については実際に訪問したり、その土地柄や文化なども情報収集をすると良いと思います。大学出願の準備はできる限り早めに始めましょう。
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