価値観を大きく変えた海外生活

土浦日本大学高等学校 特別進学コース 2 年
 宮川 ひなの さん

12～14歳（中1～3）広州日本人学校

14～15歳（中3）　  武漢長江国際学校
 

「ワクワク」を胸に新しい環境へ

小学6年生まで日本で暮らしていましたが、中学1年生の時に中国の広州に転居しました。私は新しい環境を楽しむ性格のため、ワクワクする気持ちでいっぱいでした。最初の半年間は、なるべく外出して家の周りの交通網を確認したり、散歩をしながらいろいろなお店を覗いてみたりしました。現地のスーパーには日本では売っていない珍しいものが多くあり、文化や生活の違いが直に感じられて興味深かったことを覚えています。

一方、学習面では、海外には成績優秀な生徒が多いと聞いていたので、遅れをとらないか不安でした。自分が置かれた環境で良い成績を出せるよう頑張ろうと思っていましたが、周りの優秀さに圧倒され劣等感を抱くようになりました。しかし、日系塾へ入塾後に先生・先輩方や友人に一つずつ丁寧に教えていただいたおかげで、半年後には追いつくことができました。周りの方々の支えがなければ、学校に行くことが嫌になっていたかもしれません。

難しいことこそ飛躍のチャンスに

はじめは日本人学校に通い中学3年生の時にインターナショナルスクールへ編入しました。学校では、自分から積極的にコミュニケーションを取ったり、進んでいろいろなアクティビティに参加したりすることを心がけました。帰国までに上達を認めてもらいたいという一心で、日本人がいないコミュニティを選んで、英語力向上に努めました。

選択授業では「Drama」という演劇の授業を選びました。英語が苦手な人はあまり選択しない授業のようでしたが、英語を上達させたいという思いから敢えてその授業に飛び込むことにしました。最初は周りの人が何を言っているのかさっぱりわからず、先生の指示も理解できませんでした。しかし、先輩に1つずつ簡単な英語で説明してもらったおかげでだんだんとわかるようになり、劇の発表会では自分の役を完璧に演じ切ることができました。

広州白雲国際空港にて

努力が実を結んだ高校受験

高校は、寮があり帰国生が多い点に惹かれて土浦日本大学高等学校に行きたいと考え、A.O入試をオンラインで受験しました。当時、中国国内の感染症に対する政策が厳しく、受験のために国内移動しても家に帰ることができないリスクがあったためオンライン受験は非常に助かりました。試験内容の小論文と面接はどちらもあまり得意ではなく不安でしたが、塾の先生方に納得いくまで添削・練習をしていただいたおかげで、本番では最大限の力を発揮することができました。日頃からコツコツ努力して、納得いくまで勉強したことが報われたのだと思います。

神奈川県由比ヶ浜での探究型学習「インタレスト・ラーニング」

ボランティア活動

学校内外での学びを糧に将来の夢へ

土浦日本大学高等学校には放課後の課外授業があり、授業の復習問題を解いて基礎力を定着させ、更に応用問題も扱います。この課外授業のおかげで、日々学力の向上を実感しています。総合学習の時間には「インタレスト・ラーニング」という独自の探究型の選択授業があり、興味や関心のある内容を深く学ぶことができ大変充実しています。

英語に関しては、海外で培った英語力を維持し、コミュニケーション能力を向上するために去年の夏はフィリピンのセブ島に2週間語学留学をしました。他国の人と会話し、その国の言葉や文化を教えてもらうなど、フィリピンだけではなく多くの国について新しい発見がありました。さらに現地のスラムで炊き出しボランティアをし、現地の状況を直接目で見て学ぶことができました。英語環境で自分の力を試せたことは、「自分に今何が足りないのか」をはっきりさせることができ、有意義な時間となりました。留学後、英検準1級にも合格することができました。

私は将来、得意な英語を生かせる客室乗務員になりたいと考えています。小学生の頃から航空機が大好きで、航空管制官になる夢がありましたが、東京で困っている外国人を助けた経験から｢日本に来る方の旅がより快適なものになるようお手伝いしたい」と思うようになりました。中国での生活を通じて多様性を学び、周りの目を気にせず積極的に行動できるようになったので、より多くの方の手助けをしたいと考えています。

ネイディブの先生による英語の授業

海外生の皆さんへ

海外生活に慣れてしまうと現地での日々が「当たり前」のように感じてしまいがちですが、海外で暮らすということは同世代の人とは違う特別な経験です。さまざまなことに興味を持ち、日々を大切に過ごしてください。

2024年3月26日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。