学校・幼稚園コラム
第29回 一年中泳げるけれど?

常夏の国シンガポールの小学校では、「きっと年間を通してプールの授業が頻繁に行われているのでは」と想像する方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、シンガポールの一般の公立校には、基本的にプールは備えられていません。実は、ほとんどの公立小学校ではプールの授業は小学3年生の内の一学期間しか行われないのです。その間、子どもたちは週に1回、バスで地域の公的水泳施設「スイミング・コンプレックス」に移動し、学校の体育教師ではなく専任のコーチに90分間、泳ぎ方を習います。指導は6段階のレベル別に「Swim Safer」というカリキュラムに沿って行われます。その名の通り、後を絶たない子どもの水の事故への反省から、特に初心者は「安全対策」に重きを置いた水泳講習です。例えば突然危機的な状況に陥った場面を想定して「ゴーグル無しで泳げるようにすること」を必修にしたり、また新しい改訂では実際に海や川で泳ぐ「オープン・ウォーター」での訓練も追加で選択できるようになります。

第29回 一年中泳げるけれど?

6年間で1学期間だけの水泳授業は、子どもたちにとっては貴重な楽しみとなっています。2016年リオデジャネイロ・オリンピックでシンガポール初の金メダルを獲得したジョセフ・スクーリング選手の活躍により、習いごととしてのスイミングも人気が高まっているようですが、一般の子どもたちにとって泳ぎを習う機会はまだまだ限定的なようです。

第29回 一年中泳げるけれど?

※必要書類やオンラインの出願サイトは、教育省ウェブサイトで確認しておきましょう。
 永住権のない外国人児童はPhase 3の区分になります。https://www.moe.gov.sg/admissions/primary-one-registration/phases

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