学校・幼稚園コラム
第33回 「E-learning」で自宅学習も万全

COVID-19の影響で、各国で学校の休校が相次いでいます。シンガポールでは、何らかの理由で学校が閉鎖されても学習に影響が出ないよう、オンライン学習の体制が整えられています。全ての公立の小・中・高校では、教育省主導で開発された「Singapore Student Learning Space(SLS)」というオンライン・プラットフォームを活用した「学習のデジタル化」が進められています。教師は授業で使ったスライドや参考になる動画、宿題や資料をクラスのページにアップし、生徒はいつでも個別にアクセスして学習や復習ができます。小学校高学年からはグループで行う課題も増え、生徒たちはSLSとともにGoogleSuiteなども利用して、エッセイや発表用のスライドなどをオンライン上で協働して仕上げます。

第33回 「E-learning」で自宅学習も万全

また、実際の休校に備える訓練として、どの小学校でも年に数回の「E-learning Day」があります。この日は登校せずに※、生徒は自宅で規定の時間にSLSにログインし、教師はオンラインで出欠を取ります。子どもたちは時間割に沿ってSLSに投稿された解説動画を見たり、時間内に提出しなければならない課題やクイズに取り組みます。シンガポールの学校では、万が一の休校のための危機管理を行うとともに、年々進化する新しいテクノロジーに親しんでいくことで、未来の世界への長期的な備えも進めているのです。

※自宅にオンライン学習の環境が整っていない家庭や、子どもが自宅で一人になる場合は、登校して学校のPCで取り組む選択もできます

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