学校・幼稚園コラム
第39回 多様化する進路

新しい年が始まりシンガポールの小中学校では進級・進学の季節を迎えました。昨年末にセカンダリースクール(中等学校)を卒業した生徒たちにとっては、1月は進学先が決まる大切な時期です。秋に受けた卒業試験の結果は1月半ばに発表され、その結果をもとに進学先が決まるため、高校のようなジュニアカレッジ(以下JC、2年間)の入学は2月、「ポリテク」と呼ばれる高等専門学校(3年間)への入学は4月です。長いお休みとなるこの期間、カフェやファストフード店などでアルバイトをする若者をよく見かけます。

第39回 多様化する進路

高校以降の進路の様子は日本と大きく異なります。セカンダリースクールを卒業した生徒の実に52%は、社会で即戦力として求められる専門性の高い人材を養成するポリテクに進学し、大学進学を前提とするJCに進学する38%を大幅に上回っています。実践的な授業やインターンシップが充実し、企業や研究機関とも強いつながりがあるポリテクの卒業生たちは就職率や初任給も高く、また卒業後に大学に入る人も増えており、近年は成績トップの生徒もポリテクに進むケースが増えるなど人気が高まっています。

このような事情もあり、2020年の国勢調査によるとシンガポールの人口あたりの大卒比率は33%と日本の53%よりも低く、これを意外と思われる方も多いかもしれません。資源の少ないシンガポールでは有能な人材こそ最大の資源と考え、大学以外でも高度な専門スキルを身につける機会を複線的に用意しており、進路の多様化が進んでいます。

現地校徹底解説https://spring-js.com/singapore01/about-sg-pubschool/

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