学校・幼稚園コラム
インターナショナル校で学ぶ日本語~ UWCSEA における IB と IGCSE ~

国際バカロレア(以下IB)教育を導入する学校が日本 でも年々増えています。IB ディプロマは「世界の大学が 認定する入学資格」と言われますが、日本での認知度は 海外ほど高くはありません。では、実際にはどのよう な教育なのでしょうか。
IB の学習アプローチを具体的に理解するため、日本 の国語にあたる「IB 日本語(第一言語)」に焦点をあて、 シンガポールの進学校UWCSEA で実施されているIB ディプロマプログラム(以下IBDP)と、その前段階とし て2 年間(14 ~ 16 歳)履修するIGCSE プログラムの「日 本語」についてお伝えしていきます。

IB  (International Baccalaureate)

※IB についての詳細はこちらをご覧ください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/(日本語)
http://www.ibo.org/(英語)
https://spring-js.com/global/global01/ib/

 

■ IBDP とは?(UWCSEAのカリキュラムガイド2013/2014 より)

大学進学前2 年間(16 ~ 18 歳)で履修する教育プログラムで、世界的に高く評価され各国の大学で認められています( 大学による認知については  http://www.ibo.org/recognition/ を参照)。特定の国の教育制度に影響されない独立性が強みといえます。異なるカテゴリーから6 科目(Higher Level 3科目・Standard Level 3 科目)を選択し、卒業論文や奉仕・課外活動も必修です。

■ IBDP の日本語カリキュラム(6 部門の中の「第一言語・文学」部門)

IB では文学作品を一部抜粋ではなく通読し、じっくり味わうのが特徴です。グループ議論や小論文作成、分析・批評といったさまざまな方法で一冊を深く掘り下げ、豊かな感性と思考力を養います。パソコンは一人一台支給され、授業中に使用されています。辞書として使うだけでなく、グループでリサーチを行ったり、その場で書いた文章を授業終了時に教師宛にメール送信で提出したりします。最終成績はエッセイや批評文など計3 ~ 4 時間の小論文試験、プレゼンテーション、口述試問、2 種類の課題提出などで決定されます。
高校生の試験にプレゼンテーションや口述試問が課されることは、日本のカリキュラムとは大きく異なっており大変興味深い点でしょう。

◎ 1 クラス生徒数 8 ~ 14 名程度(年によって変動)
◎ 2 年間で13 冊(Higher Level)、または10 冊(Standard Level) ジャンル:小説、詩、随筆、戯曲
① 小説:こころ(夏目漱石)、舞姫(森鷗外)、たけくらべ(樋口一葉)、羅生門(芥川龍之介)、雪国(川端康成)、金閣寺(三島由紀夫)など、明治から昭和にかけての作家が中心
② 詩:萩原朔太郎、高村光太郎、島崎藤村など
③ 随筆:陰翳礼讃(谷崎潤一郎)、奥の細道(松尾芭蕉※古典文法に関しての問題は無く内容理解のみ)など
④ 戯曲:夕鶴(木下順二)、棒になった男(安倍公房)など
◎ 宿題:授業で学習したテキストに関して、文章の分析や作者に関してのリサーチなど

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