シンガポール公立学校の広場
コロナ禍をきっかけに教育現場におけるデジタル技術の活用が加速したシンガポールでは、一人ひとりの学習効果を高めるためにAIの活用も着実に進み始めています。
教育省では「EdTechマスタープラン」政策を2023年9月に発表して以来、さまざまなAIツールを開発して公立校にも段階的に導入しています。生徒たちは教育省が開発したオンライン学習プラットフォームにログインすると、それぞれ個別の学習到達度やニーズに合った課題に取り組めるようになっています。例えば算数の課題は、AIツールが答えを即時採点するだけでなく、間違えた問題について解法のどの段階で間違えたかを指摘し、その間違え方に対してヒントやフィードバックを表示します。また、一問ごとにその生徒の理解度に合わせて次の問題も適切な内容とレベルのものを選定して、常にその生徒の能力に丁度良い学習ができます。
教育省ではこうしたAIの役割を、「教師のプロフェッショナルとしての力をフルに発揮するためのサポート的なツール」と捉え、AIを活用することにより、教師たちがより難易度の高い問題や複雑な学習内容を丁寧に教えることに時間をかけることが可能になることを最大の利点として挙げています。また、生徒一人ひとりの学習到達度や課題がすべてリアルタイムで把握できることで、教師としても個別にきめ細かい対応を行い効率的に学習が進められることを強みとしています。
2025年4月25日現在の情報です。最新情報は直接お問い合わせください。