海外生・帰国生へのヒント
教育の現場から vol.10 KOMABAオーチャード校 教室長 川口 美波 先生

「今こそ考える対面学習の意義」

この約一年間、世界中が大きく揺れ動き、同時に子どもたちを取り巻く学習環境もさまざまな影響を受けました。特にオンラインによる学習の機会が格段に増えたことは、対面式授業が主流であった既存の学びのスタイルに一石を投じました。子どもたちの学びが多様になったことは望ましい変化と言えます。

しかしながら、すべての学びをオンラインで代替することはできません。「実体験を通した学び」そして「インプットとアウトプットの循環」は、教室をはじめとするさまざまな「現場」で育まれていくものだからです。

「実体験を通した学び」は、特に幼児や小学校低学年の子どもたちにとって必要不可欠なものです。読み・書き・計算といった点数化しやすい学習成果だけではなく、コミュニケーション能力、皆で協力し合い完成させる力、目標を持ち頑張り抜く力といった非認知能力は、人との関わりの中でこそ築かれます。そればかりでなく、これからの学びの基盤となる思考力も、リアルな体験と試行錯誤の中でこそ培われるものです。

また、「インプットとアウトプットの循環」の大切さは、すべての年齢の生徒たちに対して言えることです。他者の意見に対して自分の主張を発表する、自分の答えの根拠を述べる、プロセスを共有し合い答えを導き出す、という行動は、同じ空間を共有しているからこそ、互いに高め合う「学び」へとつながるのではではないでしょうか。多様なバックグラウンドを持つ子どもたちが集まる空間における双方向の「学び」は、何物にも代えがたいものなのです。私自身、授業の中で子どもたちから飛び出すアイディアや意見にはいつも驚かされます。講師側も常に子どもたちから新しい刺激を受けているのです。教室での授業が再開し、今まで当たり前だと感じていたことの尊さに改めて気づかされました。

まだまだ先の見えない世の中ですが、子どもたちのより豊かな学びと明るい未来のために、2021年の教育界で学び方についての議論が一層深まることを願っています。

ステイホームの皆さんへ、特別メッセージ編 ~KOMABA 川口 美波 先生より~
KOMABAオーチャード校教室長 川口 美波 先生

 

※過去の「教育の現場から」はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
https://spring-js.com/expert/expert01/from-edu/

※学習塾KOMABAに関する詳しい情報はこちら。
https://spring-js.com/singapore/1496/

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