今回、私がお話したいことは子どもたちにどのように「考える力」を育てるかということです。常日頃、私は子どもたちに接するたびに、「指示」するのではなく「質問」をし、子どもたちが自分で考える時間を与えています。
今の若い世代の人と接していて感じるのは、
- 人の行動の先が読めない=仕事の優先順位を決められない
- 相手の立場に立って考えることができない
- 空気がよめない ということです。
要するに「考える力、想像する力」が十分に育っていないと思います。
相手の身になって考える、相手の気持ちを想像するということは難しいことと思います。ですが、幼児のうちから「自分が友だちにこんなことを言ったら、どう思うだろうか」「今、お母さんにこんなことを言ってしまったけれど、お母さんはどんな気持ちがしているだろう」と想定して考え、自分の言動を反省しながら相手の気持ちも考える習慣を付けることが大切です。
では、「考える力、想像する力」を日常の子育ての中でどのようにして育てればよいのでしょう。ポイントは2つあります。
1:日常の会話を「指示」から「質問」へ
2:あらゆる活動の中でまずは「自分で考えること、想像すること」を習慣付ける。
時々、「『こんにちは』は?」「『さようなら』って言いなさい」とお子さまに促すことはありませんか?お子さまは言わなければわからない
とわかっていても、恥ずかしいから言えないでいます。
その「指示」を「こういうときはなんて言うの?」「あなたが何も言わなかったら◎◎ちゃんはどう思うかしら?」とお子さま自身が答えを考え、相手の気持ちを想像する「質問」に変えてみましょう。これを繰り返すことで「自分で考えてから行動する、相手の気持ちを考える」ということが習慣付けられます。
学習においても、わからない問題があったら「何度もわかるまで読みなさい」というのではなく、「ここからここまでもう一度読んでみたら?」とキーワードが入っている文章に着目させて、また自分で取り組ませる「質問」を投げかけてみましょう。非常に根気のいる働きかけですが、考えさせるかどうかで大きな差がうまれてきます。
子どものうちは周囲の大人の力を借りながら、少しずつ自分で考え想像する。思春期には、自分で考えてやってみて、失敗と成功を繰り返す。この幼児から成人するまでのさまざまな経験が個々の人格を形成し、「どのように生きていくのか」という道筋を作ります。
「考える力、想像する力」は「生きる力」につながります。ぜひ、親子で一緒に「考えてやってみる」を実践してみて下さい。