早稲田アカデミー クアラルンプール校
校長 齋藤 慶介先生
帰国生受験の合格の可能性は、
決して偏差値に因るものではない
私はこの10年間シンガポールで、皆さまの受験勉強をサポートしてきました。今春マレーシア・クアラルンプール校に異動することに先立ち、シンガポールで学び・感じたことを書かせていただきます。
もっとも強く感じていることは、「帰国生受験の合格の可能性は、決して偏差値に因るものではない」ということです。自分の偏差値よりもレベルの高い学校に合格する「逆転合格」した多くの生徒たちを見てきたからです。
私は以前、日本でも同じ仕事をしていました。日本でも逆転合格はありましたが、基本的には偏差値通りに合格していくという実感がありました。しかし、シンガポールの帰国生受験では海外での貴重な経験を自分の言葉で語る面接に試験の重点が置かれます。生徒の自己肯定感の高さや素朴さなど、偏差値では測ることができない要素が逆転合格の要因になっているのではないかと実感しています。
帰国生受験は、どの学校でも合格するということではありません。志望校や気になる学校があれば、その受験に向けて正しく準備をしましょうということです。受験校によってどの強度や期間で準備すれば良いかというのは当然異なるからです。
受験がひと段落したこの時期になると「受験産業は、保護者の方や生徒を不安にさせることによって成り立っている」という論調のコラムを見ることがあります。我々は決して皆さまを不安にさせたいわけではありません。受験の現状やお子さまの合格の可能性をなるべく正確に伝えようとしている結果、そう感じさせてしまっているのかもしれません。一番重要なことは、必要以上に恐れることではなく、「正しく恐れ、準備する」ことです。そしてシンガポールには、それをサポートする機関が比較的充実していると思います。
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