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笑顔になれるコラム

vol.1 「自分らしい色で、一番美しく」「生まれてきてくれてありがとう」

2015.09.25

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古今東西、お子さんの年齢を問わず子育ての悩みは尽きません。学校選択、言語環境や文化の違い、帰国後の不安など、海外ならではのストレスが加わり、お子さまが適応しきれず不登校になったり、身近に気軽に相談できる人も少ない親御さんの悩みは深くなりがちです。
これまでシンガポールで数多くのご家族を見守り、アドバイスをしてきた専門家の方たちにお話をうかがいました。その温かいメッセージをシリーズでお届けします。

EIS園長 峯村 敏弘 先生

「自分らしい色で、一番美しく」

子どもにとって一番嬉しいのは、自分に向けてくれる親御さんの笑顔です。笑顔になれない程悩んでいる親御さんには、「十分頑張っていますよ。子どももしっかり成長していますよ」とお伝えしたいです。「幸せだから笑う」のではなく、「笑うことで幸せを感じる」脳内物質が分泌されるとも言います。ぜひご自身を褒めてあげて、まずは作り笑いでも、笑顔を演じてみませんか。

シンガポールで幼稚園を開園してから18年。さまざまな悩みを持った保護者のお話を聞く機会があります。いつもお伝えしていることは、「不幸になる方法がありますよ。それは、自分の子どもを他のお子さんと比べること」、そして「幸せになる方法もありますよ。それは、自分の子どもの1年前の様子と今を比べて成長ぶりに気づくこと」です。

「バイリンガルにならなければ」「良い成績をとらなければ」など、何かの基準や他人と比べた仮想の幸せは、そこに到達しても結局は幸せになれなかったことに気づきます。隣の芝生はいつでも青いのです。今、目の前にいるお子さんはかけがえのない存在です。ユニークな個性、その子なりの成長ぶりを慈しんで、「あなたは大切な存在なんだよ」と言葉でも伝えてあげて欲しいと思います。

水や肥料をやりすぎても植物は枯れてしまいます。芽が出るときをただじっと待つこと、つぼみをつけたら他の色でなかったことを嘆くのではなく、そのままの色で、一番美しく咲くように日の光を当てて環境を整えてあげることが大切です。

お子さんのことを誰よりも理解しているのは親御さんご自身です。「この子にとっての幸せは何かな」という視点を軸にしましょう。そして家族やお友だちと一緒に「楽しいね」「嬉しいね」「おいしいね」と感動して、一緒に笑いましょう。この日常にあふれる笑顔こそが、本当の幸せなのだと思います。

誕生学協会代表理事 大葉 ナナコ 先生

「生まれてきてくれてありがとう」

皆さんはご家庭で「いのち」についてお子さんと話すことがありますか。5歳までに80%以上の子どもが「いのちはどこから来たの?」「どうやって生まれるの?」と聞くそうです。お子さんのそんな質問こそがご家庭で「いのち」の話を始めるチャンスです。

子どもたちに必要なのは、感動と実感です。「自分のいのちは、何て尊いのだろう」と感じ、自分が生まれてきたことを肯定的に捉えられると、自尊感情が高まります。そのためには、お母さんのお腹の「いのちの部屋」でおこる赤ちゃん誕生までの数々の奇跡や、生まれてきた時どんなに嬉しかったのか、周りの皆がいかに誕生を喜び、大切に育ててきたのかを話してあげてほしいと思います。

幼児期には「よく生まれてきたね。ありがとう」、10歳を過ぎたころには「自分の心と体だけでなく友だちや家族も大切である」こと、また「体はいのちのかけがえのない『入れ物』であること」を具体的に子どもと話し合うように心がけてみましょう。

生まれてきたことを肯定的に考えられると、心と体の変化も前向きに受け入れ、未来も楽しみになります。自尊感情は他者への比較や批判をしない環境でこそ育つものです。どんなに難しい局面でも、親御さんが「何があってもあなたを守るよ」と言葉と態度で伝え続けることで、子どもは安心し、自らも自分を大切にするようになるのです。

私には5人の子どもがいます。それぞれが違う目標を持ち、違う課題にぶつかりながら成長しています。日々成長する子どもたちに対して、親の心配は尽きないものだとつくづく感じます。この子はいつ歩き始めるのか、いつ話し始めるのか、園や学校生活に馴染めるか、学力や進路はどうかなど、子育ての過程では不安でたまらなくなることも多々あるでしょう。しかし、子どもとはそもそも予定不調和なものです。予期しないことが起こったとしても、それぞれの子には乗り越えられる力があると信じてみませんか。子どもは、自分の人生に後から加わってくれた「後輩」です。親子でハッピーに生きることで、次のいのちへと繋げられたら、こんなに素敵なことはありません。

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