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笑顔になれるコラム

vol.4 「「みんな違って当たり前」の文化を」「出会いの大切さ」

2016.04.25

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古今東西、お子さんの年齢を問わず子育ての悩みは尽きません。学校選択、言語環境や文化の違い、帰国後の不安など、海外ならではのストレスが加わり、お子さまが適応しきれず不登校になったり、身近に気軽に相談できる人も少ない親御さんの悩みは深くなりがちです。
これまでシンガポールで数多くのご家族を見守り、アドバイスをしてきた専門家の方たちにお話をうかがいました。その温かいメッセージをシリーズでお届けします。

Dover Court International School Singapore 小学校副校長
アリソン・フォード先生

「みんな違って当たり前」の文化を

私たちの学校では、一人ひとりのお子さんが潜在的に持って生まれた能力を最大限に発揮できるように、「インクルーシブ(統合)アプローチ」を実施しています。学力だけでなく、社会性を含む「全人的な成長」を目指して、何らかの支援を必要とするお子さんも、他のお子さんたちとできるだけ一緒に交わることで学校全体に一つのコミュニティとしての意識が根付いています。この中で子どもたちは、お互いにコミュニケーションがとりやすいように、自然に心がけるようになります。ここで恩恵を受けるのは、支援が必要なお子さんだけではなく、お互いに豊かな学び合いがあります。このような経験は、他の学校ではあまりないことかもしれません。

私は学校で毎日を笑顔で過ごしています。生徒たちは、さまざまに異なる性格、能力、興味の子どもや大人と交わる中で、親切で我慢強く、寛容で、そして何よりも「人は、一人ひとり違う」という大切なことを理解し、受け入れることができるようになるのです。子どもは元来、驚くほど普通に自分とは違う他者を受け入れるものです。「あの子は自分たちと違う」と他の誰かに指摘されない限り、どんな違いでも「違って当たり前」と思っているものです。私たちはこのようなオープンな心で支え合う文化を、生徒たちとともに大切に守り育てています。

私のクラスにいるジョー(仮名)という生徒は自閉症で、コミュニケーション面でサポートを必要とします。ある時、自由時間に男の子がジョーと話をしていました。ジョーが理解できるように、文章ではなく単語を一つずつはっきりと、ジェスチャーも交え、とても工夫した伝え方でした。後でその男の子に「ジョーの良い友だちなのね、彼がよく理解できるように話していたわね。」とほめてあげると、得意気な様子も見せずに「当然だよ、先生がそうやって話すように教えてくれたからね」と、事もなげに答えたのです。彼にとってはごく普通のことのようでした。この日、私は一日中笑顔で過ごしました(そして、今思い出すとまた笑顔になります)。このようなシーンを目にするたびに、「みんな個性はちがっても、同じ仲間」という意識を共有し、インクルージョン(垣根をつくらない統合社会)の環境を作れば、子どもはごく自然にそのような行動をとることができるのだ、という確信を強めています。

MES Singapore 佐藤 剛代表

「出会いの大切さ」

皆さんはこれまでの人生で実にたくさんの「出会い」と「別れ」を経験されてきたことと思います。
「出会い」はもちろんのこと、私たちは無数にある分岐点で意識的・無意識的にどちらかの道を選択して毎日を過ごしています。歴史に「if」はありませんが、もしそれらの分岐点で違う選択をしていたら、今の自分を取り巻く環境も周りにいる人たちの顔ぶれも全く異なっていたにちがいありません。

そう考えるとこの世界での全ての「出会い」は 運命的なものであるいっても過言ではないでしょう。

私は日本で働いていた頃から「出会い」の大切さを意識して過ごごしてきました。その時の教え子たちも皆成人し、社会人として立派に頑張っています。そのうちの何人かとは今でも連絡を取り合い、私が日本に帰国した際には時間を作って集まってくれます。

かつては「教える側」と「教わる側」という一方的な関係だったのに対し、今では、同じ社会人として語り合える対等な関係に変わったことは非常に面白く思いますし、長い年月を経ても繋がりを保ち続けてくれている彼らには本当に感謝しています。

子どもたちが大人になり、さまざまな「知識」と「経験」を活かし成長していく姿に触れることが出来るというのは塾の講師として一番の喜びでもありますし、彼らの成長が私自身への良い刺激となっています。

現在シンガポールで学ばれているお子さまたちはもちろん、親御さんたちも、日本国内にいた私よりも遥かに大きな「出会い」のチャンスを持っていると思います。さまざまな国の人と出会い、触れ合う機会が多いのです。学校はもちろん、習いごとや保護者の集いなどで出会った人たちとも互いに高め合えるような関係を築いていって欲しいと思います。

どのような「出会い」からも得られるものは必ずあります。恐れること無く、まずはそれらの「出会い」を受け入れてみてください。全ての繋がりがいつまでも続くとは限りませんが、その中にはきっと未来のあなたを笑顔にするものが眠っているはずです。

 

2016年4月25日現在の情報です。最新情報は各機関に直接ご確認ください。

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